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キルトの展示会、その裏話 PART Ⅰ

こんにちは。
足利鑁阿寺の銀杏がハラハラとその黄金色の葉を落とす季節になりました。

芸術の秋はキルト業界でも作品展や展示会が多く開催されます。

れんがでも去る11月4日(金)5日(土)の2日間、クラス単位のグループキルト展を完全予約入替制という形で、旧店舗&教室を会場に開催いたしました。

今回はその裏話。(というか今回に限らず「展示会開催の裏話」。)
あくまでれんがや板橋の場合でのお話です。


裏話その①『まずイメージ作り』


第一回れんがグループキルト展 入口入ってすぐは春を夢見るアンの部屋のイメージで。


時間をかけて完成した作品たち。
それぞれがいきいきと見える形でご覧いただきたい。

という事で前もって時間をかけて考えるのが展示の流れやイメージ。
パターンがかぶりすぎない、色合いも引き立て合うもの同士で、
また最終的には最初から最後まで戸惑いなくご覧いただける流れになるように…。

文字にするとなんだかものすごく考えてる感が出ますが、そんな事はありません。(笑)
最終的にはその場のノリなのですが、作品をざっくりグループ分けし、そのグループをどう配置していくか事前にある程度イメージしていきます。

そうしておくと必要な展示備品や生花を置く位置などもな~んとなく分かるので、事前の買い出しに役立ちます。

展示しながら「あれが無い~!」と慌てる事のないよう、何度も全体のイメージは考え続けます。(でも最終的には現場のノリです。やっぱり(笑))


裏話その②『サイズの割り出し』


遠い昔、短期ですが英国でインテリアデザインの勉強しました。
それがこんな形で役立つとは…と毎回思うのが会場の大きさに合わせた
作品サイズからの配置決め。

一面の壁の距離に対してベッドカバー何枚を展示できるのか、サイズから割り出していきます。
①のざっくりしたイメージでこの壁にはこの作品たちと決めていても、サイズが合わないと作品が飾りきれない!壁が妙にあまる!ということに。
生徒さんたちから事前に作品サイズを伺っておき、電卓で横幅を足し算しながらどの壁、どのパネルに収めるか考えていきます。

この作品とあの作品は絶対お隣同士がいい!というものは離れないように、ちょっと離れたり角度がかわっても大丈夫な作品同士はコーナーへ、などなど会場入りする前におおよその位置を決めておきます。

しか~し❕
毎回必ず番狂わせが!

いただいた図面のサイズがおおよそ感満載だったり、作品が予定よりサイズダウンしていたり…。
「ひぇ~~~!」となっても、必ず救世主(救世作品)が現れる‼


壁が埋まらない時は別の場所に飾る予定だった作品を移動したら予想以上にバッチリだったり。
作品があぶれてしまったら、あえて独立展示に変えて小物と合わせてコーナーを作ったり。

まさにナンテン!~難を転じて福となす~

思いがけない配置や展示に変えた事でますます作品が魅力的になった事が、25回の展示会開催経験の中で幾度もありました。


裏話その③『展示前にまず掃除!』


入口入ってすぐの旧店舗。
 展示前の様子。

 
アメリカでキルト(Quilt)と英語でいうとほぼベッドカバーをさすように
パッチワーク・キルトの作品展では巾200㎝、高さ220㎝(大作だと240㎝近く)くらいのベッドカバーが展示されます。(もちろんタペストリー、バッグやポーチなどの小物もありますが。)

ベッドカバーは壁やパネルに吊るすように飾られたり、ベッドに掛けたり。
また場合によってはキルティング・フープというスタンド型の大きな道具に掛けて展示されたりします。

会場の壁にそってベッドカバーを展示しようという時にたま~にあるのが
壁の汚れ。

催事用会場が一般的に使われる際、四方の壁ほとんどを2m以上のもので覆うような事が少ないのか、他はきれいに清掃されていても壁の上の方は…
(-_-;)という事が。

展示会あるあるかもしれませんが、肝心な展示の前に『まず掃除!』。
雑巾や布巾は必ず多めに持参して会場入りがお決まりです。

11月に開催した『第一回れんがグループキルト展』は旧店舗&教室が会場でした。(実家です。)
現店舗に移って早20年以上。
掃除は1ケ月以上前から始まりました。(苦笑)

どの位置にも安心して飾れるように…。
父が日々の暮らしで使うスペースではないので大掃除は久しぶり。
今回みっちりきっちり掃除→整理→掃除を父と二人で頑張りました!
(おかげでいつでもお正月が迎えられそうだね、マスター。)


マスター(父)手作りのチェストにも小物を展示。


なんだか文字にすると大層な感じがします、結局作品それぞれの力に助けられて展示全体が収まっていく気がします。

特に今回のグループキルト展は出品者それぞれのキルト史を振り返るような作品を多数お預かりしたので、懐かしさや素晴らしさに途中泣きながら展示していました。(オイオイと、ではなくウルウル)

また気負いすぎなくても自然と作品が作品を呼び、展示の流れが決まる
そんな感じでした。

その雰囲気が伝わったのか、ご来場さた方々もリラックスしてゆったりと楽しんでくださったみたいです。


さてキルトの展示会 裏話、次回も続きます。(笑)

また11月4日(金)5日(土)に開催した『第一回れんがグループキルト展』は飾る前の会場の様子から展示後も動画でご覧いただけます。
(裏話を知ってからご覧いただくと1.5倍楽しめるかも⁉です。)

動画はこちらからご覧いただけます。⇩

https://www.youtube.com/playlist?list=PLmpe1zl3eE81ztkorVpi1FNiM5socOO4m


よかったらどちらもお付き合いください。(^^)

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なぜか展示会や何かのイベント準備の時に自然と頭の中でヘビロテ(繰り返し流れる)する曲や歌があります。(意図的ではなく自然に流れてくる。)

第一回れんがグループキルト展では
映画「プラダを着た悪魔」で使われた”Suddenly I See”(サドンリー アイ シー)でした。

Suddenly I See (突然分かった)
This is what I waana be (これが私が目指したもの)

がサビで何度も歌われます。

作品との距離が近い新たな形の展示会を潜在的にず~っとやりたいと思っていたのかな……で突然分かっちゃった?私??