世界一のトレーダーの言葉。
大人数でいるときに、
イニシアチブを自分が握れないと不満そうにする人が、昔から苦手だった。
飲み会やイベントに行く歳になってから、
そういう人をよく見かけて、
その感覚は強まった。
例えば、スノーボードをやらなきゃスノボの話が楽しめない人や、
アニメを観なきゃアニメの話を積極的に聞けない人。
そんな人がたまにいる。
もう少し強く言えば、
誰かの趣味がとても変わってた場合、
オタク的だったり、めちゃマニアックだった場合、
なんならそれをバカにしたリアクションを取る人もいるよな。
そういう人たちは時に、
自分のテリトリーから少しでも外れた話題になると、不服そうな雰囲気を漂わせることがある。
それが意識的なのか無意識なのかは分からないけど、見ていて少し息苦しい。
その反動なのかもしれない。
僕には、自分が全く知らない世界の話をする人を無性に好む傾向がある。
例えば僕は、筋トレがとても苦手だ。
あの苦痛が凄く苦手で、あれが楽しさに変わってくるなんてのは、かなり理解の外にある。
でも、筋トレに夢中な人の話を聞くのは好きだ。
僕は万年ぽっちゃりなので、
筋トレ話に感銘を受けても、
マッチョな人にはなれそうにないけど。
ゲーム、アニメ、アイドルの話も同じ。
興味の幅がどれだけ自分のテリトリーから外れていても、
その人の情熱や楽しさが伝わると、もっともっと聞きたくなる。
その時間は本当に楽しくて、
「もっと教えて下さい!」って心境だ。
そこにあるのは、リスペクトなんだよな。
趣味や夢中になれる物がある人への純粋な敬意。
まずそうやって何かにハマれる人への敬意がある。
そして、趣味そのものへの敬意。
その文化への敬意がある。
世の中で一定数の人が熱中しているものには、自分が知らないだけで、必ず何かしらの魅力があるに決まってる。
だから、テリトリー外の会話には常に、
「それを知らない自分が勉強不足なんだ」
という結論を持って臨んでる。
食べ物だってそうかもしれないよな。
小さい頃から
「これが食べられない」って思うことがあると、「まだこの美味しさを理解できていない」と捉えてきたし、
例えば、最近免許を取ったバイクも、
まさにそんな感じだった。
昔から全く興味がなかったし、僕のルーツにはなぜかたまたまバイクが無い。
でも、『アメトーーク』のバイク芸人を観たり、友達が楽しそうに話すのを見たりして、
興味も無いのに免許を取ろうと決めた。
自動車学校に通い始めてから、
「きっとバイクは素晴らしいものに違いない」とまずは思い込んで、
そこから勉強を始めた。
そしたら、案の定。
段々と魅力が分かってきて、
今では毎日1時間はバイクに乗ってる。
一日中バイクの事を考えて、鬼ハマり中だ。
そうやって、自分の興味の幅を広げていくのがまずは楽しいし、
なによりその姿勢は大切な事だと思って生きてきた。
海の無い県に住んでても、釣りもやるし、
スキューバの免許も船舶の免許も持ってる。
経験したことのないものは、僕にはほとんど無い。これは僕のキャリアだしアイデンティティだ。
長い人生でこんな自分になったのは、やはり他人へのリスペクトと、文化へのリスペクトなんだと分析してる。
僕は俗に言う多趣味なので、よくこれを相談される。
「自分には趣味や好きなことがないんです」って。
そんな時、
少しでもこの文章が、
その人の何かを変えるきっかけになればと思う。
もちろん、趣味が無いことは悪い事じゃない。
若い頃から一生懸命生きてきて、
ここまでそんな余裕が無かった人も大勢いると思う。
何かを始めるにも適した年齢があったりするから、期を逃したというのもあったんだと思う。
別に、根っから多趣味の人もいれば、根っから無趣味の人もいて良いと思う。
でも、例えば誰かに
「趣味が無い。」と話した事があるのなら、
きっとそこに可能性と希望がある人なんだと思う。
だから今日の話を聞いて欲しかった。
きっとこのマインドセットは、人生を彩ると思う。
絵もそうだったな。僕は7歳の娘より絵が下手だ。
何を書いても一筆書きだから、当然ピカソなんて、そりゃあ理解不能だ。
美術に素養は全く無いけど、へ理屈は絶対に言わない。
アートは受け手に結果が委ねられるもので、
受け手の素養がアーティストの評価を決める。
ならば受け手として僕らは、
自分がそれを評価するなら、
知識や感性を磨かなくちゃいけない。
それがリスペクトだ。
素養も無いのに意見を言うのも、違う様な気がするよな。
「つまらない」と感じるのは、自分側の準備が足りないから。
事実、世界には、それを楽しんでいる人がたくさんいる。
だからこそ、心を開き、リスペクトし、勉強していきたい。
そうすれば、まだまだ世界には、自分が知らない「面白いこと」がたくさん眠っているはずだ。
僕たちの幸せは、きっとこういうところにも、大きくかかってる。
自分の「テリトリーの外」にある世界に、
どれだけ心を開けるか。
それがこれからの人生の面白さを大きく決めるんじゃないかと思う。
最後に。
世界一のトレーダー。
レイダリオの言葉を伝えようと思う。
これは彼の成功哲学の1つだ。
「Be radically open-minded」
----徹底的に心を開け----
単に「心を開け」では無く、
「徹底的に」とあえて言ったのにはきっと意味がある。
今日の僕のNoteは、
当時、僕の人生を変えたレイダリオの言葉への、最大級の敬意を詰め込んだつもりだ。