週べドラフト番付に掲載されている選手でこれまで紹介していなかった選手について考えてみた
10月24日にプロ野球ドラフト会議が開催されます。これまで上位指名有力選手について紹介してきました。ドラフト会議開催まで残り1週間を切る中、Yahooニュースに週間ベースボール社による「ドラフト番付」が掲載されていました。上位候補とされる選手の中で、筆者があえて紹介していなかった選手が数名散見されました。理由も含め考察していきます。
徳山 一翔 (投手) 環太平洋大学
最速153キロのストレートを誇る左の本格派投手です。全国的に名前が知られるようになったのは3年生の時。腕の振りがしなやかで平均140キロ台中盤のストレートは打者から見ると球速以上に感じられるため、振り遅れや差し込まれる場面が多く見られました。この時の状態であれば外れ1位指名を受けてもおかしくない状態だったのですが、紹介していなかった理由は怪我。詳細は分かりませんが、4年春は全く投げておらず、秋に登板した際は本来の球速からは程遠い最速143キロ。そもそもまともに投げているところを見た人は少ないのではと感じます。プロ側が怪我の状態を調査して「大丈夫」と確信が持てれば上位指名もあるでしょうが、完治の確信が持てない場合指名そのものが見送られる可能性もあります。真偽の程は不明ですが、ドラフト1位指名以外プロ拒否という話題がネットに掲載されていました。もし事実であるなら、プロ入りは厳しいと考えます。
荘司 宏太 (投手) セガサミー
最速150キロのストレートを投げる小柄な左腕投手です。ストレートの威力とチェンジアップのコンビネーションが武器。即使える左投手が欲しい球団はリストアップしているのではないでしょうか。ただプロでの立ち位置は中継ぎという評価。指名順位としては3位指名くらいとみていたたため、上位候補からは外していました。社会人になって復活したとは思いますが、懸念されているのは大学時代に肩を痛めていたこと。肘は手術で完治しますが、肩については完治が難しいのが現実です。中継ぎですとプロで年間50試合程度の登板が予想されるため、古傷が再発する可能性もあります。リスクも考えるとドラフト3位指名くらいが適当ではないかと考えます。
清水 大暉 (投手) 前橋商業高
身長193センチ、最速149キロを誇る大型右腕。正直将来性という観点では有望と考えます。ただ懸念材料として考えられることは、完成度があまりに低いこと。体力面を鍛え、プロレベルでの制球力を身につけるのは相当時間がかかると見ています。ペナントレース上位球団は2位指名が後になるため、「中途半端な選手を指名するくらいなら」という理由でドラフト2位指名はあるかもしれませんが、完成度を考えるとドラフト3位指名相当と考えます。
吉納 翼 (外野手) 早稲田大学
右投げ左打ち強打の外野手。この選手について正直に言えることは、「秋にかけて評価を上げてきた」ということでしょう。今年の候補選手について見てみると、大学生の外野手が多いことに気づきます。西川選手(青山学院大学)、渡部選手(大阪商業大学)がいわゆるドラフト1位指名相当評価。次に麦谷選手(富士大学)と続くため、高評価の選手が多いこともあり相対的に評価を下げていた経緯があります。また大学生の外野手について、プロ側の需要がそこまで高くないことも理由のひとつ。ただ秋シーズンに2試合連続本塁打を放つなど、急激に評価を上げてきた選手と言えます。春当時の評価であれば支配下での指名はあるでしょうという評価でしたが、現状の評価を考えるとチーム事情によっては、ドラフト2位指名があってもおかしくないと考えます。
山縣 秀(内野手) 早稲田大学
元ロッテ小宮山監督も認める、守備力に定評のある遊撃手。遠投101メートル、50メートル走6秒1と高い身体能力を誇る選手です。課題は打撃面で大学レベルでは問題ないものの、プロレベルだとどうなのかというのは正直な評価ではないでしょうか。この選手にとって評価を下げる要因となった点として、宗山選手(明治大学)の評価があまりに高いことに加え、即戦力の遊撃手を求める球団が少ないこと。要はプロ側の需要が例年ほどではなかったということが挙げられます。即戦力の遊撃手求める球団が多ければドラフト2位指名もあったのかもしれませんが、今年に限ればドラフト3位以下での指名となるのではないでしょうか。需要の関係で指名予想順位が下がっただけですので、下位指名で獲得できればお得な選手と言えます。
週間ベースボール社ドラフト番付に掲載されている選手で、筆者がこれまで紹介してこなかった選手5名について考察してきました。理由は様々ですが、大きく分けると故障歴とプロ側から見た需要の問題。能力はある選手ですので、上位指名があっても驚かない選手となります。開催まで残り1週間を切った中、どのような選手が上位候補選手として紹介されるのか注目していきたいです。