普通の人が個別株をすると投資効率を落とすだけなのでやらない方がいい
株式投資をする際、多くの人が個別株を選んでしまう傾向があります。
なぜなら、特定の企業の株価が急騰したニュースを見ると、自分も同じように利益を得たいと感じるからです。
しかし、実際のところ、普通の人が個別株を買うことは投資効率を大幅に下げるリスクが高い行動だと言えます。
その理由をデータとエビデンスを交えながら説明していきます。
個別株投資の難しさ
まず、個別株投資が難しい理由は「情報の非対称性」にあります。
プロの投資家やヘッジファンドは、個人投資家が手に入れられないような詳細なデータや分析を駆使して投資をしています。
一方、普通の個人投資家は限られた情報と知識で投資判断をしなければなりません。
たとえば、企業の財務データを読み解くには高度な専門知識が必要です。
そのため、個別株を買うことは、プロと競い合う場に自ら足を踏み入れるようなものです。
データで見る個別株のリスク
データで見ると、個別株に投資することがいかにリスクが高いかが明確になります。
例えば、アメリカのS&P500指数に含まれる企業の約40%は、長期的に見て他の市場全体のリターンを下回っています。
つまり、個別株を選んで投資する際には、成功するよりも失敗する確率が高いのです。
さらに、2017年のある調査によると、1963年から2016年までの間に存在したすべての米国株式のうち、わずか4%の株式が市場全体のリターンのほとんどを生み出していました。
これにより、大部分の個別株は期待されるリターンを提供できていないことがわかります。
普通の人がそのわずかな「成功する株」を見つけるのは、非常に難しいことです。
分散投資の重要性
では、どうすれば普通の人が投資効率を高められるのでしょうか?
答えは「分散投資」です。
分散投資とは、複数の株式や資産に投資することで、リスクを分散させる投資手法です。
個別株に比べて、分散投資は投資リスクを大幅に減少させることができます。
特に、S&P500のようなインデックス・ファンドに投資することで、広範な市場全体に分散投資することが可能です。
このようなインデックス投資は、個別株投資に比べてリスクが低く、長期的に見てより安定したリターンが期待できます。
実際、S&P500の年間リターンは過去30年間で約10%に達しており、個別株投資に比べて高いリターンを提供しています。
投資効率を下げる理由
個別株に投資することで、なぜ投資効率が下がるのか。
それは「機会コスト」と「手数料」にあります。
まず、個別株を選ぶ際には、時間と労力を大量に費やす必要があります。
企業分析や市場調査、ニュースの確認など、多くの作業をこなさなければならないため、他の効率的な投資方法を見逃してしまいます。
このような「機会コスト」により、より良い投資の機会を逃してしまう可能性があるのです。
また、個別株を頻繁に売買することで、取引手数料が積み重なり、投資効率がさらに低下します。
これは「トレーディングコスト」と呼ばれ、長期的に見ると大きな負担となります。
心理的なリスク
個別株投資のもう一つの大きなリスクは、心理的な影響です。
株価の変動に対して過剰に反応し、感情的な売買をしてしまうことがあります。
特に、株価が急落した時に恐怖を感じて売ってしまうことは、投資効率を大きく損なう原因となります。
一方、インデックス投資では市場全体に分散されているため、個別企業の業績による影響は少なく、心理的な負担も軽減されます。
プロもインデックス投資を推奨
実際、多くの経済専門家や投資家も、個別株投資よりもインデックス投資を推奨しています。
有名な投資家ウォーレン・バフェットも「普通の人はインデックス・ファンドに投資すべきだ」と述べています。
バフェットは自身の遺産の90%をインデックス・ファンドに投資するように指示しており、それがいかに安定的で効率的な投資手法であるかを示しています。
結論
普通の人が個別株に投資すると、投資効率を落とすだけでなく、リスクも大きくなります。
情報の非対称性、心理的なプレッシャー、トレーディングコスト、そして高い失敗率。
これらすべての要素が、個別株投資を成功させる難しさを表しています。
一方で、分散されたインデックス投資は、リスクを抑えながら市場全体の成長に乗ることができる、効率的で安定した投資方法です。
普通の人が長期的に資産を増やすためには、個別株ではなく、インデックス・ファンドへの投資を選ぶべきです。
それこそが、投資効率を最大限に高める方法です。