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柳に雪折れなし。

柳の枝はしなやかだ。
だらんと垂れ下がって風に揺れているその姿は、少女のなびく髪のように繊細で、儚く、どこか頼りなさげに見える。

しかし柳はまさにその柔らかさのおかげで、たとえ表面に牡丹雪が降り積もったとしても、硬い枝のようにポッキリと折れてしまうことのない強さを持っている。


雪を乗せた柳の枝は、その重みに無理に抗わず、押されるままにぐにゃりと曲がってみせる
そうすることで自分の上にのし掛かってきた負担を巧みに受け流し、大切な枝にダメージを与えずに持ちこたえるのだ。

だから、柳は決して折れない。
一見弱そうに見えるけれど、そのしなやかさでもって自分の身を守り、いつまでも美しくそよそよと揺れ続ける。

しなやかさというのは、強さでもあるのだ。


これはおそらく私たち人間についても言えるだろう。

かたくなで柔軟さを持たない人は、抱え込んでしまった重みにいつか心を折られてしまう。

負けまいという強気な気持ちが、かえって自分を縛り、苦しめてしまう

堅固なプライドや、簡単に周りに迎合するのを避けようという独立心を持つのは、決して駄目なことではないと思う。

でも、時には柳のように素直に曲がってみるのも、生きていくための一つの手なのではないだろうか。

しなやかに曲がることでするりと肩の荷が降りて、それまで見えなかった活路を見出だすことができた、なんてこともあるはず。
それに、自分の態度を変えることができる柔軟さは、ピンチの時や転換期には、きっと大きな武器になる。

曲がることは弱いことだと恐れる必要はない。
ただ耐えることだけが、強さなのではないから。

生きていれば大変なことにも出会うが、その全てに堅くなる必要なんてないと私は思う。

大丈夫、なるようになると思いながら、周りに促されるままに振る舞ってみるのも、自分を壊さないための賢いやり方だろう。

強がった結果根本からポッキリと折れてしまったら、きっととても痛いから。


雪を乗せた柳の姿はとても美しいけれど、もしかするとそれは私が柳に寛容さを感じるからかもしれない。

かたくなにならない柔軟さ決して折れない芯の強さが、伝わってくるからかもしれない。


私も何かを前にしたときにはつい保身のために体を強張らせてしまうけれど、ゆっくりと曲がることを厭わない心の余裕が、本当の自己保存に繋がるのかもしれないな。

柳のような、おおらかな器量を持てたら素敵ですね🌿



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