怒っていること⑥ 福祉乗車券
障害者手帳でバス料金が割引になるはずだったのですが
松本凜、また怒ってます。
というか、昔怒ったことを思い出しました。
正確にいうと、怒るべきだったことです。
さて、
私は移動ヘルパーという、障害を持った人の移動を手伝う仕事をしています。
作業所から自宅まで彼、彼女らを送り届けます。
それはまだ私がヘルパーを始めて間もない頃でした。
私は担当していた人が福祉乗車券を持っていなかったのです。
家に忘れたようです。
福祉乗車券は、名古屋では地下鉄、市バスが無料になるありがたい乗車券です。
それであわてて事業所に電話をすると、障害者手帳を持っているはずですからそれで割引してもらってくださいと言います。
もうこちらはそういうことは初めてだったので心臓バクバクで、とにかく障害者手帳を探しそれを持って乗り込み、運転手さんに見せました。
確か半額か何かになるはずだったのです。
がしかし運転手さん、手帳をちらりと見ると私の手を振り払って正規の金額を指さすではありませんか。
その乱暴なしぐさに、まだ新米の私は泣きそうです。
結局もう訳が分からなくなって、全額私の財布から出したのでした。
さて帰宅して、私は一部始終を事業所に話しました。
上司である事業所の若いお姉さん(美人)が、「その運転手さん、名札見ましたか」と聞きます。
「名札は見てません」
それどころではなかったのです。
「あ、でも、乗ったバスの路線と時間は分かります」
美人のお姉さん上司、私からバスの路線と時間を聞き取ると、きっぱりと言いました。
「明らかに運転手が悪いので、バス会社に連絡して払ってもらいます」
あの言い方からして、絶対犯人を突き止めて受け取るべき金額払ってもらったと思います。
顛末(てんまつ)は聞いていませんが。
あれからだいぶ経ちました。
私は時々思うのです。
あの運転手さん、実は障害者割引のやり方を知らなかったのではないかと。
忘れてしまっていたかうろ覚えで自信がなかった、そんなところではなかったかと。
そうすると運転手さん、後で上司に叱られてかわいそうだったかもと思ったりもします。
みんなの前で𠮟責されていたらなんていろいろ考えてしまったのでした。
これで今日のnoteはおしまい。
私は、怒ったというより、自分の対応にドキドキして毅然とできなかったことに落ち込んで、そんな20年前の思い出です。
まあ、確かに運転手さんが悪いんですけどね。
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