全部1mmズレている
私は普通の家庭の普通の幸せを貰っている訳では無いことに今更気が付いた。
いや、元から気づいてはいたけれど周りの普通と私たちの普通が違うんだと思って、それ以降は真面目に考えたこともなかった。
滅茶苦茶な毒親という訳ではないし、私もそれなりに幸せである。他人にどうこう言われる筋合いはないと思う。
実際どんな家庭かと言うと、基本は(父がいる時・病気の時・外出出来ない時、気分じゃない時)親が温かくて美味しいご飯を作ってくれるが、週五ぐらいの頻度で飲みに行くので基本は朝まで親が居なくて家に出る前に作ってくれたご飯を食べるという感じである。
ごく稀にカップ麺を食べたりするけれど、特段不満がある訳でもないし、自室がない私にとっては自由時間ができてそのお陰で腕を切って生命線を繋いでいるので何となく助かっている。
でもみんなは毎日家族と過ごして、美味しい食事を家族みんなで囲って食べて、自分の部屋で勉強してすやすや眠って。
これじゃないと世間は毒親というのだそう。
朝ごはんが市販のパンだっただけでも毒親というのだそう。
私、毎日市販のパンだよ。でも作られるよりかはずっと幸せだよ。
だって作ってもらったら残しちゃいけないじゃん。私食べ切れないよ。
そんなこんなで見た目は幸せ。
私がこうなった理由をまた眠れぬ夜明けに長考していると、「私が周りと1mmズレていることに気がついてしまったから」という答えに辿り着いた。
私は今迄もずっとズレていた。偶になんか話通じないなと思うこともあった。
それは私が周りと1mmズレているから。
私が周りより1mmだけ幼いから置いていかれてしまう。だから必死にもがいて着いて行った。それでもズレが無くなることはなかった。
なんなら私の方がみんなより1mmだけ上に行ってしまった。
それは私の方が頭がいいだとかそういう自惚れではなく、私が少し大人び過ぎているということ。
1mmの差。本当に誤差でしかないのだけれど、ここで放っておくと何れ雲泥の差がつくことだろう。
かと言って気にしすぎて普通に生活できなくなったら本末転倒。←今コレ
早く差を削らないと削らないと、と焦っている。
気にしすぎて今まで見て見ぬふりとしていたことが完全に視界を蝕むようになって演技すらも通じなくなってしまった。
いや、演技する気力がなくなってしまった。
なんというか、その事しか視界に映っていないのか分からないけれど取り敢えず悩み事だとか関係ないことだけが目に映るようになって先のことがなにも見えなくなってしまった。お先真っ暗。
まぁ
勉強がみんなより少し遅れていることも
家庭が世間が言う幸せと少し違うことも
私がやけに大人ぶるようになったことも
視界の全てが悩みごとに奪われたことも
私が全部1mmズレて産まれてきたのが悪いんだけどね。
産まれてきた事を悔やむべきだね。
一生足掻いて苦しむ
そういう宿命だと何かが私にそう告げている。
ここまで1199字。