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【探究学習】コロナ禍での寂しさや無力感。在来種の栽培で克服できないかと考えた高校生の話

周りの人はどんなことで困ってる?それは、どうしたら解決できる?

身近にある「困った」を解決することは、小さなことのように見えても、社会や世界を変える力になっていきます。

山形県立東桜学館高等学校の生徒たちは、長引く若者たちが不安や孤独を感じている現状を克服したいと「GRIT(やりぬく力)」を高める方法を考えました。

GRITを高めるため、在来種の野菜の栽培に取り組むプログラム「Ed U」を企画しました。
(英語の後に、仮訳を入れています。聞き取りが難しく正確に反映できていない箇所もあります。ご了承ください)

探究学習の祭典「クエストカップ2022 全国大会」。全国の中高から4098の応募があり、審査を通過した261チームが参加しました。今回は社会課題探究部門「ソーシャル・チェンジ・イングリッシュ」でグランプリを受賞した山形県立東桜学館高等学校のチーム「B-rings」が提案したプログラム「Ed U」を紹介します。

Hello everyone, we are “B-rings”!

We have been feeling quick with ourselves that our everyday lives have been filled with anxiety, loneliness, and helplessness.

In order, we are not the only teenagers feeling distressed, therefore, we have chosen teenagers totally from this feeling like us for the people in need.

Also, to help each teenager we think it is necessary to improve GRIT.

みなさん、こんにちは!私たちは「B-rings」です。

私たちは、日々の生活の中で、不安や寂しさ、無力感などをいち早く感じてきました。

そこで、私たちと同じように悩みを抱えている10代の若者たちを、支援が必要な人たちとして選びました。

一人ひとりを支援するには、GRITを高めることが必要だと考えています。

GRITを高めることが解決になる

By doing that we believe we can build a strong sensory mentality, not as a temporary solution for long-term development.

But we have been looking for interesting experiences, and we have been longing for such opportunities.

So, we held our attention to agriculture, especially native vegetables.

そうすることで、一時的な解決ではなく、長期的な取り組みで、強いメンタリティーを構築することができると考えています。

しかし、面白い経験ができる機会が欲しいとずっと思ってました。

そこで、私たちは農業、なかでも在来種の野菜に注目したのです。

在来種野菜の栽培に着目

Especially,  we think the value of native vegetables is significant, and teach us  the experiences of failure, and the history of their own.

Moreover, our idea is based on a wish to save a lot of natural vegetables.

We came up with an education program called the “EdU”.

在来種の野菜の価値は大きいものがあります。失敗の経験やそれ自体の歴史を教えてくれます。

また、このアイデアの根底には、たくさんの在来野菜を守りたいという思いがあります。

そこで考えたのが、「EdU(エドゥ)」と呼ばれる教育プログラムです。

若者たちが在来種を育てる

EdU starts with giving native vegetables to teenagers living in rural areas.

EdUは、地方に住む若者に在来種の野菜のタネを贈るところから始まります。

Teenagers living in rural areas search for fields where they grow the vegetables.

地方の若者たちはもらった種を植える畑を探し、自分たちで野菜を育てます。

They thin out the seedlings with the teenagers from urban areas, the plants harvested within the process will be taken home with the teenagers from urban areas, and they will continue to grow them at home.

そして、その過程で間引かれた苗は、都市部の若者たちが持ち帰り、自宅で栽培を続けます。

種は次の世代へ

Teenagers from rural areas present to craft seeds from the vegetables, and the management team will preserve them.

The next participant would be able to use the seeds and it will become one cycle.

The management team also takes a role as a seed bank by forcing the native visibility to the next generation

農村部の若者が野菜から採取した種は、運営チームが保存します。その種を次の参加者が使うことで、ひとつの循環になります。運営チームは、在来種の種を次世代に引き継ぐシードバンクとしての役割も担うのです。

Also, by creating a place where teenagers living in different areas can meet and build relationships between them so that they will help each other in the future.

また、違う地域に住む若者たちが出会い、関係を築く場を設けることで、将来的に助け合うことができるようになります。

We value the connection between teenagers from both urban and region. Most teenagers living in your area could have a stable place of their own other than their family and schools. The third place for them is in their region and we think that is what they are seeking.

私たちは、都市と地方の若者がつながることが大切だと思っていま。あなたの地域に住む若者たちの大半は、家族と学校以外に、安定した自分たちの居場所を持てるかもしれません。第三の場所は地域にあるもので、若者たちはそういうものを求めているのだと思います。

On the other hand, teenagers living in urban areas don't have much connection to their third place of their own. They are seeking a connection to a place that is completely different from their current environment.

一方、都市部の若者は、自分たちのサードプレイスとのつながりは、あまりありません。彼らは、いまの環境とはまったく異なる場所とのつながりを求めているのです。

We also think that by continuously doing something that isn't mandatory, we can improve grit.

義務ではないことを継続的に行うことで、グリットを向上させることができると考えています。

実施した結果

Currently, we are testing the program and we can tell from the survey by ourselves participants that grit is improving.

現在、プログラムを検証中ですが、参加者自身のアンケートからも、グリットが向上していることがわかります。

We want to make the lives of teenagers who are feeling the same others better that has been our motivation for this project, but that is not the only goal to bring back people to rural areas by using our open farmland and to pass on needy vegetables to our future.

同じような思いをしている10代の若者たちの生活を良くしたいというのが、このプロジェクトの動機ですが、それだけでなく、空き農地を利用して地方に人を呼び戻し、必要な野菜を未来に引き継いでいくことも目的です。

Native vegetables are difficult to profit, and are in danger of becoming extinct, so we want to be able to develop and revitalize them during the period of education. These are also thoughts that have kept us moving.

Not just solving teenagers could have feelings, not just improving grit.

在来種の野菜は採算が取りにくく、絶滅の危機にも瀕しています。若者むけプログラムの期間を利用して、開発や再生に取り組みたい。こうした思いもあって、私たちは活動し続けてきました。若者が抱く感情の解決やグリットの改善だけではないのです。

We believe that EdU has more potential for your future with nothing of value, boring and lonely, and you bring your connection to a brighter future.

Thank you for your attention.

退屈で孤独なあなたの未来に、EdUはより多くの可能性をもたらし、あなたのつながりを明るい未来に導くと信じています。

ご清聴ありがとうございました。

企画に込めた思い

企画に込めた思いを、メンバーはこう振り返ります。

「コロナで友だちと会えなくて、窮屈でやさぐれていた気持ち、社会の窮屈さをどう解消するか、というところからの出発でした。一時的な解決ではなく、サスティナブルなもの、何かにつながりたいという思いから、農業や種のテーマにたどり着きました。模造紙の上だけでなく、実際に畑に行って土を触って空を見上げ、五感で感じることを大事に取り組んだ1年間でした。たくさん回り道をしたけれど、やり抜いた!というこの体験で、この先、折れない自分をつくっていけると思います」(受賞時のコメント)

審査委員からは、「前向きなプロアクティブなサステナビリティを感じる」「ファーミングが持つコミュニティエンハンスメントはあると思うので面白い」といった意見がありました。また、審査委員から「在来野菜と通常の野菜の違いは何ですか」「このプログラムは、在来野菜が抱える課題にもアプローチするものなのか」という質問も出ました。
生徒たちはこう答えました。

在来野菜は、その地域で品種改良されずに育ってきた野菜のこと。スーパーなどでよく見かける野菜はF1種といって、育てやすく品種改良されているが、在来野菜は育てにくく、形も悪いため売れにくいと思います。
在来野菜は美味しいけれど、営農には不向きで栽培する農家さんが減っているという課題がある。その課題をクエストを進めていく中で知り、「私たちの宝物の在来野菜が減っちゃうのは嫌だよね」という思いがあって在来野菜を取り上げました。
営農には不向きな在来野菜を、なんとかしてどこかの分野で伝承できないか考えた結果、教育の分野で、教育を行う手段として、在来野菜を取り上げることができると考えました。
種を保存する手段として、「シードバンク」という、場所を構えて種を保存する保管庫のようなものも多かったが、この企画では保管庫は持たずに、「前年とその前の年に畑で得られた種を、次の参加者に回す」という一つのサイクルを作り、シードバンクという役割を担おうと考えました。

みなさま、ありがとうございました!

日本最大級の探究学習の祭典「クエストカップ2022全国大会」。4098チームの応募から審査を経て大会に出場した261チームの発表の一部を、順次紹介していきます。今回は社会課題探究部門でグランプリを受賞した山形県立東桜学館高等学校のチーム、「B-rings!」が提案した内容を紹介しました。動画は、こちら(20:05ごろから開始)。

【参考】
探究学習はじめの一歩!【実例】探究学習のテーマ16種
「探究学習」の最先端 教育と探求社の総合パンフレット
教員向けイベント情報


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