Note 115: 圧巻!新宿梁山泊「ベンガルの虎」
今日は新宿・花園神社紫テントに、新宿梁山泊の演劇「ベンガルの虎」を見てきた。
超・楽しかった。
6月12日から23日(水曜日)までやっている。
下の方に感想を書くが、感想を書いていると拙いネタバレをしてしまうので、興味がある人はここで読むのを一旦中断し、観に行ってから続きをお読みください。
超楽しいよ。
風間杜夫さんと紅日毬子さんが出るよ。
まだわずかに当日券があるらしいです。
花の東京のド真ん中、神社の境内に巨大なテントを張って演劇を行う。
異空間で観る芝居は興奮するし感動する。
去年、2020年は疫病の流行で公演中止となったが、今年は万全の対策を取ることでやれる、できるということで公演が行われた。
「ベンガルの虎」は寺山修司さん、佐藤信さん、鈴木忠志さんと共にアングラ四天王と呼ばれた唐十郎さんの作品で、代表作の1つだそうだ。
歌と踊りとブラック・ユーモアに溢れた作品で、鼻血が出るほど楽しかった。
★
★
★
ネタバレ注意報
★
内容は、あの紅涙を絞る戦争児童文学の傑作「ビルマの竪琴」の勝手に続編というか、「ビルマの竪琴」を笑いのめした作品。
遺骨と、らしゃめん(外国人の相手をする娼婦)が大量に出てくる。
と、ここまで内容を書いていて思ったのだが、演劇って、テレビとかに比べて、圧倒的にポリコレ・コンプラを気にしない。
そこがいい。
真剣に体を張っている役者さんと、身銭を切って劇場に足を運んでいるお客さんの真剣な対面で行われるものだから、政治的に正しい言葉遣いである必要がないのである。
遠慮のないブラック・ジョークがボンボン飛び出す芝居を観てしまうと、テレビなんかヌルくて観てられない。
死と性にまみれた「楽しくてたまらない地獄」みたいな作品。
歌と踊りと笑いにあふれていて、それが一回もハズれない。
初演は1973年ということだが、疫病のこととか、「うっせえわ」とか、新しいモチーフがふんだんに盛り込まれて、リニューアルされている。
ライブ・アップデートだ。
紙の本や映画だとこうはいかない、演劇ならではである。
客演で風間杜夫さんが出てくる。
ぼくなんか「スチュワーデス物語」どハマり世代だが、もともとつかこうへい事務所で知られる舞台の名優である。
テント芝居は初登場だそうだ。
品行方正なイケメンのイメージがあるが、本舞台ではなかなかゲスい役で凄みがあった。
毎年見に行く新宿梁山泊だが、今年はなんと、これも毎年必ず見に行く廻天百眼の看板女優、紅日毬子さんが出ている。
楽しさの2乗で気が狂うかと思った。
紅日さんは娼婦の役でも遺骨の役でもなく、地獄に舞い降りた天使というか少女の神様みたいな役で(!?)伝統ある梁山泊にあっても、揺るぎない紅日ワールドを爆発していて感動した。
寺山演劇を思わせるマッチを擦るシーンがあって、2列目に煙の匂いがして、感激する喜びを新たにしたのである。
と、これだけネタバレしても全然問題ない、ぜったい感動できる舞台なので、万難を排して観劇されることをお勧めします。
(この項終わり)