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敷居のない古楽

地球誕生46億年前、生命誕生40億年前、人類誕生200万年前。こんな事を考えていると西洋の伝統芸能であるクラシック音楽は甚だ最近の産物だ。

中でも約300年前のヨーロッパで奏でられた楽器と作曲された音楽の世界を古楽と呼んだりする。様々な文献やスペシャリスト、演奏の度に出会う共演者から沢山の学びを得ながら勉強している。

私の愛器たち
上:Hotteterre, Graz 安江 睦郎 作
左:W.Beukers Simon Polak 作
右:F.G.A. Kirst Simon Polak 作
トラヴェルソ・ケース 土田の母 作

46億年の歴史を考えれば300年前などついさっき。振り向いたらまだその匂いや温度が感じられそうなものだ。

私は8年間ドイツで生活していたことがある。現代のドイツにもテレマンさんやC.P.E.バッハさんに似たお顔の方もいる。
大学の同級生にシューベルトをシェイプしたようなお顔のロベルトというトランペット奏者がいた。

若かりし土田とロベルト(髪型とメガネがシューベルト感を引き立たせている)

そんな彼らとドイツ語で会話しながら飲むビールの味は神聖ローマ帝国末期のそれとそんなに変わらないのかもしれない。

ウィリアム・ホガース作「ビール 通りとジン 横丁」
„Beer-Street And Gin Lane“ von William Hogarth

古楽器から奏でられる300年前の音楽もビールの味も途切れたことのない人類史の産物なのだ。

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