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リアクション提供者

本日はお客様先にて、新人事制度の社員向け説明会を実施しました。
制度導入の目的や背景によって、説明会で伝えるメッセージ、その場の雰囲気は異なりますが、社員にとっては自らの会社が進むべき方向性が示される、緊張感溢れる場になります。
たとえ社員の処遇向上を目的に前向きな検討を重ねても、影響力のある社員が「人件費を下げるためだ!」と誤解し吹聴することで、あらぬ噂が広がることもあります。そのため、人事制度説明会は経営幹部やコンサルタントにとっても緊張の場で、発する言葉や使用する表現に細心の注意を払います。

本日は1時間という枠で、計5回に渡って同じ内容を開催しました。
(※BtoCのサービス業では、時間を変えて説明会や研修を行うことが一般的です。)
細心の注意を払うといったものの、5回も同様のテーマを話すと、1つ1つのメッセージや伝え方に微妙な違いが生じてきます。聞き手の表情を確認しながら、今、目の前の参加者が一番理解しやすい事例を引っ張り出し、話を展開していきます。

有難いことに、5回全てにご参加いただいた経営層の方がいらっしゃいました。そしてその方は、4回目の説明会終了後に満面の笑みでこうおっしゃいました。
1回目の説明が1番良かったです
何の思惑もない率直な感想だと思いますが、私はこの言葉に心を打たれました。

どんな仕事であれ、弛緩と緊張の絶妙なバランスが良い結果をもたらします。
今回いただいた言葉を真摯に受け止め、内省すると、実施を重ねることで緊張感がほぐれすぎてしまい、弛緩>緊張となっていたことに気付かされました。(以後の5回目は緊張感を作り出し、伝え方や表現を大きく変えました)

スピーカーとして前に立たせていただく際は、聞き手の表情や頷き方、目線等(リアクション)を注視します。
飽きてないか?わかりづらくないか?
皆様のリアクションを観察し、話の組み立て方、紹介する事例、声のトーンなどを変えます。
この聞き手が発するリアクションは、メッセージを伝えるべき目の前の聞き手がくださるもので、意識せずとも汲み取ることができます。

一方で、直接の聞き手ではなく、間接的に聞いてくださっている方(本事例においては、人事制度説明会の主催者側にあたる経営層の方や、同じ会社のメンバー等)からもリアクションやフィードバックをいただくことができます。シンプルな感想のみでも、改善の兆しに気づくことは充分に可能です。

本日は、こちらが欲せずともリアクションやフィードバックをくださった経営層の方(リアクション提供者)に感謝し、以後の説明会にて改善を行いました。

そして、節目節目で良質なリアクションを引き出せるかどうかは、相手との日頃の関係性次第です。「この人は何を言っても駄目だ」と思われぬよう、日々のコミュニケーションから相手の話をよく聞き、良好な関係性を築く必要があります。
また、リアクションやフィードバックをもらうためには、自らが常にギブする存在(与える側)でないといけません。
目の前の相手以外からも何かヒントはいただけると周囲にアンテナを張り、良好な関係性を築き、常に目の前の人にギブすることを意識したいと感じた1日でした。

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