地球の呼吸
夏至は、英語でsummer solstice。 sol(太陽) + stitium(立ち止まる)という意味です。
夏の太陽は、天空高く登って、いつまでも沈まない、まるで空に立ち尽くしているかのようです。 この時期、ありがたいことに、私たちは太陽の光をたくさん浴びることができます。
ドイツのシュタイナー(1861-)という思想家、教育家、工学士がおもしろいことを言っています。
地球は、宇宙に向かって呼吸を行っているというのです。
もしかしたら、私たちが呼吸でプラーナを動かすように。
シュタイナーは、地球の呼吸は、植物の生長に映し出されると言います。
「春に大地から植物を萌え出させる力、秋に植物をふたたび大地の中に引き込む力、緑の植物を枯れさせる力」のなかに。
以下、シュタイナーの言説を要約します。
シュタイナーは「キリスト意識」といったキリスト教的世界観で表現しますが、日本人にはわかりづらいので、東洋の季節感を補ってみますね。
冬至のころ、地球は息を吸いきっています。吸って、止息しているような状態です。
その後、春に向かってゆっくりゆっくり、息を吐き始めます。「地球が息を吐く」とは、地球のたましい(Seele, Soul)を宇宙へ放出してゆくことです。
春分を過ぎ、地球は息を吐きつづけます。
3月といえば、大地は雪を溶かし、二十四節気の「啓蟄」で冬ごもりの虫が這い出し、植物が芽生え、花が咲き始めます。樹木は新芽を吹き、人の体も、ため込んだエネルギーを放出し始めます。
この動きは、しずかに息を吐きつづける地球とリンクしているようです。
吐く息とともに、地球のたましいは宇宙へ放出され、
太陽や星々のエネルギーと溶け合います。
そうして、息を吐き尽くしたところが、夏至の世界です。
地球の表面には、宇宙のエネルギーそのものが映し出されています。
そこにしばらく静止し、北半球は、盛夏を迎えます。宇宙に大きく開かれている季節です。
9月、地球は息を吸い込み始めます。宇宙エネルギーと融合を果たした地球のたましいは、ふたたび地球へ還ってきます。
冬至、地球のたましいは完全に地球の内側に保たれます。
シュタイナーのいう地球の呼吸、イメージできそうですよね!
地球の呼吸と、自分の呼吸を、重ねてみましょう。
日常的に「これが自分だ」と思っていた枠がゆるみ
もしかしたらガラッとはずれて、
壮大な意識の中で、豊かな呼吸を体験できるかもしれません・・