相手意識の深化
相手意識とは、文章や会話などの受け手がどのような人であるかを気にすること。その意識を、言葉が届く範囲によって、四段階に深めるよう提案します。無意識にこなすよりも、意識した方が楽になります。
・言葉が届かない相手へは、信頼と期待を寄せて放っておきます。
・書き言葉が届く相手には、事実が伝わることを願います。
言葉の内面的な意味は、時代や場所が支えています。その時代や場所を知らない読者に伝わる意味は、言葉の外部、文字通りの表面的な意味に絞られます。だから、書き手は、納得する事実の説明に集中すべきです。
・話し言葉が届く相手とは、意見が伝わるよう心掛けます。
時間や場所を共有する相手に届く肉声が未熟な言葉遣いであっても、膨大な量の情報が流通しています。言葉の意味が真逆だったりするのだが、嘘をついているのではありません。言葉が合図でしかないのです。
・言葉が個人の内面に及ぼす影響は甚大です。
たとえば、算数の分数を英語で表す場合、分子を先に記しますが、日本語では、分母を先に記します。(「one over three」「三分の一」)
数を書く順番が逆なだけに見えますが、考え方が違います。英語では分子が分母と「対峙」するように考え、日本語では分母が分子を「受容」するように考えます。英語の生活者に確認してみて下さい。
英語の生活者は「われわれ対やつら」とか「人間対自然」などと考える習慣が身についています。英語が個人の内面に及ぼす影響です。
悪意があって、対立構造を助長しているのではありません。
英語が男性性を喚起して自己対峙するように導き、それによって、探究でき、説明でき、信頼できるようにしているのです。
・・・スピリチュアルな探究はつづく。