再び介護講習の事から派生した考えがカルメンに及ぶ
講師の方は、介護保険制度ができる前から働いていらっしゃるので、制度や、モラルがちゃんとする前の、大変だった頃のお話をしてくださいます。
昨日のお話は、褥瘡(床ずれ)の事。ベッドが普及する前は、床ずれのできやすい布団が一般的でした。皮膚を再生するための膿から出る匂いに苦戦されたそうです。
床ずれは、教科書では少なくても2時間に一度は姿勢を変える事になっていて、介護職のプロとしては床ずれは決して作ってはいけないという心得があるそうです。
という事は、利用者さんを常に気遣わなくてはいけないという事です。
と、ふとわたしはオペラの「カルメン」の事を思いました。
カルメンは流浪の民、ジプシーの女性です。有名なアリアのお陰で、彼女の大体のイメージは、恋に自由な人、のイメージがあると思います。
でもなぜ、彼女はものすごく尊厳が重力のように重くみえるのだろう。
あのキャラクターにとって大事な事は、その褥瘡の「匂い」を知っているかどうかだと新たに思いました。
原作の小説の最後に、作者は、一人の身寄りのないジプシーの最期の場面を描いています。(たしか)。
そこで、その死にゆく人のベッドのシーツは、とても清潔で真っ白だったと表現されていました。
カルメンは介護の先生のように、助けが必要な人の世話を、当然のようにしていたと思います。忖度無しで。
あの有名な、ハバネラのリズムが、どこからともなく、私の頭に流れてきました。
あの音楽は、こういう裏付けがあるのではないかとという、自分なりの解釈を見つける事ができました。
そんな事を授業中に考えていた昨日でした。