【クオンツ】入社前/後のギャップ
デリバティブクオンツになる前となった後に感じたギャップなどをまとめました.
数学使わない
クオンツは紙と鉛筆を持って伊藤の公式ぶん回しているのを想像する人も多いかと思うが,現実にはそのようなクオンツはほとんどいない.日系の金融機関でのクオンツの役割は,新規のモデル開発というよりもモデルの改良や商品の拡充をするための役割を担うことが多い.(つまり,モデルを改良や商品拡充に伴うライブラリ等の改修業務である.)もちろん,ロジック書の修正や数値検証という場面では数式に触れる場面は出てくるが,数学をゴリゴリ使っていることを想像している人にとっては,思ったほど使わないという印象を持つだろう.もちろん新規のモデル開発を担っている人もいるが,日系の金融機関であってもロンドンの部門などが行っていることが多いと聞く.
いわゆるサラリーマン業務の有無
クオンツが開発したモデルや,それを実装したシステムのユーザはフロントのトレーダーなどである.つまり,トレーダーの要望に応じてモデルライブラリやシステム開発を行うのがクオンツの役割である.限られた予算の中でどのような案件を担うかという場面では,クオンツも交じって落としどころを話し合うことが常であり,クオンツ観点で実現できることやリソースの制約等をお金を出してくれる人が納得いくように説明する必要がある.クオンツといえど数式やコードと向き合っているだけではなく,ユーザとの交渉する場面も意外とある.