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【業務効率化】建築/物流/医療の2024年問題を解決するAI/DXガイド


2024年問題でAIを活用した業務効率化が注目されている


建築・物流(運送業)・医療の三つの業界で、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が開始されます。

これにより、長時間労働の是正が期待されますが、同時に物流や地域医療などに支障が生じる可能性も指摘されています。

この問題を解決するために、業務効率化をする必要があり、多くの企業でAIを活用したDXが進められています。

以下の効果が期待できるため、AIの活用が注目されています。

  • 時間外労働問題の解消

  • 働き方改革の推進への貢献

  • 業務フローにおける属人化の回避

  • 人為的ミス減少による、業務効率の向上

業務効率化が進むAI活用領域と活用事例


AIの活用で以下のことを実現できます。

単純作業の削減

AIを活用することで、ルーチンワークやデータ入力などの繰り返しの作業を自動化でき、作業時間を大幅に短縮できます。単純労働が削減され、従業員はよりクリエイティブな仕事に集中できるようになり、働き方改革の推進にも効果的です。

例えば、AI-OCR(光学文字認識)を活用することで、書類保管スペースや管理コスト圧縮、データ入力業務の削減、検索性の向上や共同作業を実現できます。

【物流業界の業務効率化例】

物流業界では、需給予測や運送業務の車両手配でAIが活用されています。

AIを活用して商品の積み込みや配送を効率化し、ドライバーの労働時間を削減できます。

また、過去の物流倉庫データや、天気/ 季節などの外部データを活用することで、1週間の出荷量を予測する取り組みも行われています。

出荷先別の予測や、需給予測から人員配置を最適化するなど、物流2024年問題に向けたAI活用が行われています。

ChatBotによる顧客対応・問い合わせ対応

チャットボットはAIが活用される事例の一つです。

社外の場合、顧客からの問い合わせのうち、頻度が高く定型化されたものについては、チャットボットを導入することでオペレータの業務を削減できます。

AIの柔軟なカスタマイズ性により、自社の業務形態に適応し、短時間かつ低コストで業務効率化が期待されます。

【建築業界のChatBot活用例】

建築業界には多くの社内データがあり、社内ドキュメントを読み込んだ専用ChatBotの開発が増えています。

従来、ChatGPTの課題として「最新データ・社内データを読み込めない」という課題がありました。

社内データベースから事実を検索して、最新の正確な情報に基づいて大規模言語モデル(LLM)が回答を生成する「RAG(Retrieval-Augmented Generation)というAIフレームワークの導入が進んでいます。

これにより、建築業務における過去事例参照や社内情報の検索が可能になります。

従業員が必要な情報や手順を問い合わせる際に、待ち時間なしで迅速な回答が得られ、従業員のニーズにより適したサポートを提供することが可能となります。

開発により、様々なカスタマイズ機能を加えられる点で、専用ChaBotのニーズが高まっています。

物体検知による不良品検知

YOLOやR-CNNなどの物体検知に用いられるディープラーニング技術を導入することで、製造現場や建築現場の業務効率化が期待されます。

AIを製造業務に導入することで、作業者ごとの仕上がりムラを防ぎ、不良検知ツールによって品質の安定化が可能になります。

【医療/ 物流業界の検知AI活用例】

医療業界の画像データ・物流業界にある動画データは、物体検知技術の活用可能性が多くあります。

カルテやCTスキャン画像から癌検知モデルを構築するケースや、物流現場におけるリアルタイム検知を導入することで、医療/物流品質及び生産性の向上を見込めます。

但し、動画データによる異常検知モデル学習にはGPUリソースが必要で、コストがかかる点に注意しましょう。

AIを導入して業務効率化を図る際のポイント


業務効率化を目指すAI導入には、以下のポイントが重要です。

①目的の明確化
AIプロジェクトを社内で進める上で、以下3点が求められます。

・技術的開発可能性(フィジビリティ)
・業務フローの変化
・費用対効果(ROI)

その上で、企業内のどの領域にAIを適用するか、定量/定性目標や期間、および適用前後の費用対効果や投資回収期間を明確にする必要があります。これにより、業務における適用の効果を容易に把握することができます。

②データ量の把握
AIに必要な十分なデータ量を事前に把握することが重要です。

不十分なデータ量では、AIの学習結果が不正確になり、効果的な業務効率化が期待できません。
事前にデータ量を評価し、必要に応じて増やす準備を行うことが重要です。
AIモデルを開発する際には、予測したいデータ(目的変数)と、予測に寄与するデータ(説明変数)が必要です。

CSVやエクセルに構造化されたデータ、またはデータベースに情報蓄積されていることが望ましい状態です。

③適切な人材の確保
AIを活用するための適切な人材を確保することも重要です。

AIに関する知識だけでなく、業務に関する深い理解を持つ人材が必要です。
社内の人材を育成することが理想的ですが、それが難しい場合は外部の専門家に頼ることも考えられます。

これらのポイントを押さえることで、効果的な業務効率化を実現するAI導入が可能となります。

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執筆:Khanh Linh Tran 編集:平野 佑樹