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映画記録

「セント・オブ・ウーマン / 夢の香り」(1992)

監督:マーティン・ブレスト


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名門男子校に通う1人の青年は、校内で級友のいたずらを目撃し、校長から犯人について問いただされるも奨学生の身分危うく立ちつくしていた。そんな折、盲目の退役軍人(フランク)の家事世話係としてアルバイトをすることに。
気難しい主人に戸惑うも次第にニューヨークまで彼の旅路につきそう内に彼らに心をひらきあう絆が生まれてゆく。

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感想。ネットフリックスで鑑賞。
なんで知らなかったかというくらい名作でした。


フランクはアルパチーノのぶっきらぼうで人間味のある演技が光っていたしチャーリーは純朴な青年でフランクにつかず離れずの距離をとっていて、それがフランクにとって付き合いやすい人間だったのかもしれない。


ふわっとした映画かと思いきや中盤になっていくにつれ、フランクという人の本筋が見えてくる。

出逢った当初こそ、心を開かなかったフランク。
チャーリーと取っ組みあいをしているシーンでうっすら涙ぐみながらも、怒号するフランクに涙が誘われる。

作中の言葉の数々は彼がずっといだきつづけてきた思想だ。

チャーリーと出会うことがなければ彼の思想は胸の奥にしまわれたままだっただろう。


老人と若者など立場の違う人が交流するストーリーは描かれることが多い。

盲目という障害をもつ設定でありながら、チャーリーという若者と極端に対比させることなく、人同士の絆、人のやさしさに焦点をあてていてどっちかに思い入れをし過ぎることなくみることができる。

感動したいとかではなくて、

なんとなく見たくなったとき、なんとなく見てみると、

きっとその時も何かしら心があったかくなる映画だなと思った。

タイトルについて。

「夢の香り」ー。意味深なタイトルだなと思ったけれどどこか死にきれないまま生きている、フランクの桃源郷のようなものだろうな。




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