【決定版】BtoBマーケティングにおける効果の出た広告運用方法
こんにちは。ラクスル株式会社の中野(@qtaro_marketing)です。
普段は運用型テレビCM「ノバセル」のマーケティングを担当しています。いわゆるBtoB領域のマーケティングが専門です。先日下記ツイートをしたところ予想以上の反響をいただきました。
BtoBマーケティングと言っても様々な領域がありますがWeb広告に関しては切っても切り離せない分野と考えています。しかしながら、Web広告は広告代理店に任せきり、インハウス(内製)では運用できない、わからないという声をいただくことが多いです。
今回はBtoBマーケティングにおける効果的なWeb広告の運用Tipsについて実際の運用経験に基づいて書きます。もし読んでみて参考になった場合はツイートにてシェアいただけると嬉しいです!
【このnoteがおすすめな方】
・BtoBマーケティングの担当になりたての方
・BtoB商材の広告運用担当者
・BtoB領域でのWeb広告運用の勝ち筋を知りたい方
BtoBにおいてWeb広告運用をする際に考えるべきこと
Web広告を初めてみようと思った時に第一に考えて欲しいことは「コンバージョンポイント」をどこに置くのかです。ECのようにすぐ購買できる場合はシンプルに商品訴求をすればいいですがBtoBの場合一般的に即購買、導入ではなく足が長い場合が多いです。
【AIDMAの法則】
Attention(注意)→ Interest(興味)→ Desire(欲望)→ Memory(記憶) →Action(行動)
例えばの流れだとタクシー広告で認知し、Web広告が見てLPを訪問し資料請求する。その後営業と話し、比較検討し導入すると言った流れです。
BtoBでのコンバージョンポイントは「資料請求」「無料トライアル」「セミナー」「事例DL」「ホワイトペーパーDL」の中から設計することがほとんどです。これらを検討度合に分けて設定します。
資料請求は想像以上にハードルが高いのでまずは「セミナー」「無料トライアル」「事例」を接点にするなど工夫することが大事です。
コンバージョンポイントを決めたら次は目標CPAを決めましょう。一般的にSaaS業界だとLTV>CAC = 3:1なんてことが言われています。サービスのLTVをベースに逆算するといいでしょう。
CPA(リード獲得単価)だけを意識していると実は赤字垂れ流しだったなんてことがあるのでマーケ、営業と擦り合わせを常にすることをおすすめします。
運用初期に関してはCPA目標を本来の1.5枚程度として考え、運用していくうちにCPAを下げていくことを意識しています。
BtoBマーケにおけるWeb広告メディアの選び方
Web広告を始めたい!と言ってもWeb広告には様々な種類があります。BtoBマーケ領域におけると一般的には下記になります。
・Yahoo!
・YouTube
多すぎる!と思ったと思います。まずBtoBでWeb広告を始めるのであれば「Facebook広告」一択です。もちろん、Facebook以外もやることは重要ですがメイン媒体はFacebookだけで考えて大丈夫です。
優先度的にはFacebook > Google(指名検索) > Google(カテゴリワード) > その他と考えていただいていいと思っています。
【最低限やるべきこと】
・Facebook広告
・Google広告(指名検索)
Facebook広告の話をする前にFacebookの媒体属性を整理します。
・LINE、Twitterに比べ利用者の年齢層は高い
・ビジネスSNSとして利用される傾向にある
・実名のためデモグラ信憑性が高くターゲティング精度が高い
・メッセンジャーをビジネスチャットとして活用することが多い(特にスタートアップ)
つまりそんな媒体特徴を持つFacebook広告はビジネス層に比較的近い層を細かくターゲティングできることが特徴となっています。
ちなみにFacebookでターゲティングできる項目の一部としては年齢、性別、地域、言語、利用者層、学歴、職歴、役職、業界、趣味関心、ビジネス業界、Facebookでの行動履歴などなど多岐に渡ります。
BtoBであれば一般的にそのサービスのターゲット部署、役職、地域、年齢などでデモグラをまずは作って運用することも多いでしょう。
今回は実際に運用をしていて成功した運用方法を紹介します。
BtoBにおけるWeb広告運用の成功パターン
今回はWeb広告の中でも「Facebook広告」に成功パターンについて紹介します。どの媒体でも共通ですがWeb広告運用においての一番のポイントは「多くのコンバージョンを発生させ、機械学習を最適化させること」です。とはいえ各企業によって予算が全く違い、予算によって運用方法が異なるのも事実です。予算が多い場合、少ない場合のベストプラティクスを紹介します。
まず配信方法に関してですが主に下記に分類可能です。
・ブロード配信(全配信)
▼特別ターゲティングをせず、広く配信し機械学習を最適化する。
・デモグラ配信
▼ユーザーデモグラをターゲティングし配信する。
・カスタマーリスト拡張類似配信
▼自社で保有しているリストを拡張して配信する。
・リターゲティング配信
▼特定ページを踏んだユーザーを追いかける。
【予算が多い場合】
予算が多い場合、多くのコンバージョンを取り機械学習を進めやすいです。その場合のおすすめの配信方法、コンバージョンポイントは下記です。
・ブロード配信(全配信)
▼セミナー、事例資料などライトコンバージョン。
・カスタマーリスト拡張類似配信
▼資料請求、セミナー
・リターゲティング配信
▼資料請求
まずブロード配信でセミナー、事例資料等のユーザーに負担がかからないライトコンバージョンを集めていきます。配信対象が広いため「資料請求」などのユーザー意欲の強いコンバージョンは取りづらいです。
カスタマーリスト拡張類似配信はパーセンテージで配信範囲の拡張が可能です。基本的に1%で大丈夫です。配信範囲を広めたいという観点からいきなり5%などにするのは大変危険なのでやめましょう。カスタマーリストですが受注企業のリスト(受注額の高い)、案件化リスト、ターゲットリードなどを組み合わせて作ることを推奨します。メールアドレスのみのリストでも問題ないです。
リターゲティングは言わずもがなですが自社に興味がなければクリックしないためしっかりと配信しておきましょう。
【予算が少ない場合】
ほとんどの場合、Web広告を始める際は少額からスタートとなることが多いと思います。その際のおすすめの配信方法を紹介します。
・カスタマーリスト拡張類似配信
▼資料請求、セミナー、事例資料
・リターゲティング配信
▼資料請求、セミナー
メインとなるのはカスタマーリスト拡張配信です。元々展示会などのオフラインマーケティングに力を入れていた企業ならチャンスです。
オフラインリストの中で役職者、ターゲットを整理し拡張するだけでかなり有益なオーディエンスリストとなります。
まず自社のターゲットに近い層に配信して集中的にコンバージョン数を増やして最適化することがおすすめです。
予算によって配信戦略は変えるべきですが両軸で言えることは元々保有している「カスタマーリスト」をいかに有効活用するかがポイントになります。
BtoBでWeb広告を始める際のチェックリスト
ここまで広告の配信方法について紹介してきましたが、ここではWeb広告を始める前に絶対に外せないことを書きます。
・コンバージョンの定義をすること
・ファーストビューに必ずCTAを入れること
・資料ダウンロードフォームは全ページに設置すること
・フォームダウンロードされたらインサイドセールスでフォローする体制を作ること
・Facebookピクセルをサイトに設置すること
・コンバージョン用途にあったランディングページ(LP)を用意すること
・複数パターンのクリエイティブを作ること
・複数パターンのメインテキストを用意すること
Web広告を始める前に必ず「そのページはユーザーがコンバージョンできますか?」と問いかけてみてください。コンバージョンが取りたいあまり複数のコンバージョンポイントがページ上にごちゃごちゃしてないかなどなど。
まずはWebページを整える!それからWeb広告の順番です。本体サイトを改修するのに工数がかかる場合はまず広告用のランディングページ(LP)を複数作りABテストを回すといいでしょう。
まとめ
今回はBtoBマーケティングで実際に効果の出た広告運用方法を紹介しました。リードを獲得することだけがゴールではないですがリードがないと始まらないためWeb広告で成果が出ていない、これから始める方はぜひ参考にしていただけると幸いです。
Web広告はあくまで顕在層を刈り取る手法なので獲得ユーザー数はいずれ頭打ちになります。
Web広告で頭打ちになってきており、潜在層へターゲットを広げていきたい際はぜひノバセルにお問い合わせください。Web広告に関しても気軽に相談いただけますと幸いです!
問い合わせはTwitterでも歓迎です!
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・CTR(Click through rate) ... クリック率
・CPA(Cost per Acquisition) ... 顧客獲得単価
・LTV(Life Time Value) ... 顧客生涯価値
・CAC(Customer Acquisition Cost) ... 顧客獲得費用
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