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小説・短編

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創作物をまとめています。短編小説のようなものです。
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#小説

紅茶とビスコ

紅茶とビスコ2枚といういつもの朝食を、窓の外を眺めながらとる。先日、菜月に言われたことが頭をよぎった。
「智の癖がうつっちゃって、今でも紅茶飲む時はクッキー添えるんだけど」
蜂蜜色の髪と、耳元でくるくると揺れるピアス。
「友達にさ、イギリス人なの?って言われたよ。覚えてる?私も智にそう言ったの。」
覚えてる、とその時智は答えた。
「俺の部屋に初めて菜月が来た時ね。」
「ちゃんとカップを温めてから紅

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制服を着ていたあの頃

制服を着ていたあの頃

なんでこんなに懐かしいと思うのか分からない。
手放しで良い思い出だと言えるほど、たのしい時間では無かったし、窮屈だった。
戻りたいかと言われると、勘弁してくれと思うし、一方で、もう一度あの小さな世界に閉じ込められたいとも思う。

水槽の中の熱帯魚だったのだ。
自分をとり囲む半径五メートルの教室が世界のすべてだと思っていた。
だれかが書いた机の落書きとか、体育館の床すれすれについた小窓から漏れ聞こえ

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夏の昼下がり

夏の昼下がり

よく晴れた夏の昼下がり。果奈は黙々とらっきょうの薄皮をむいていた。
義母から菜園でとれたものをたくさんもらったので、下処理をして漬けようと思ったのだ。爪が短いので思うように進まない。外はうだるように熱く、クーラーが苦手な果奈はいつも体のすぐそばに扇風機を置く。

不意に、外の空気が変わった気がした。相変わらず太陽はぎらぎらと辺りを照り付けているが、なんとなくしんとしている。そういえば蝉の声も聞こえ

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