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【STORY5】地獄がはじまった
寝たらよくなるかと思い、信じて寝ました。
朝、大丈夫かも。
大丈夫大丈夫と言い聞かせ、出勤。
駅に向かう階段で足が震え始めました。
意味がわからない。
仕事が嫌なわけでもない。
今帰ってひとりにもなれない。
病院にはもう行けない。怖い。
わけがわからない、すべてが怖い。
必死な思いで出勤し、先輩、上司に説明しました。
ひとりでいれないなら職場に来ればいいし、
話していて落ち着くなら話していればいいし、
仕事減らすし、一旦実家に帰ってもいいしと。
なんて恵まれていたことかと思います。
お姉ちゃんのように守ってくれる先輩と、
お父さんのように守ってくれる上司が
融通を利かせてくれました。
仕事が嫌なわけじゃない。
人間関係が嫌なわけじゃない。
東京が嫌なのか?
なにしろ
意味がわからない。なんなの。なんで?
こんな状態で数日出勤したものの
仕事にもならず、何をしてもどこに行っても、
睡眠中以外恐怖感に襲われるのです。
何度も何度もネット検索し、
そのたびに脳が収縮していく感覚がありました。
どんどん自分を追い込んでいきました。
結局頼りにするのは親でした。
泣きながら父親に電話しました。
ひとりで実家に帰ることもできず、
母親がすぐに迎えにきてくれました。
それから会社へ戻れることはありませんでした。
つづく