クロノトリガーのラスボス戦BGMの話【6/20追記】
これについて手短に、真摯に考えたい。
(ツイートの文法がめちゃくちゃなのはご愛嬌てことで。)
ラスボス戦の曲順が本来は逆だった?
クロノトリガーといえば不朽の名作であることはもちろん数々の名曲揃いの殿堂入りポケモンみたいな存在(?)なのだけど、「ラスボス戦」で使用される楽曲において、どうしてもこの件が気になって気になって。
ソースはこれ。
一応コメント欄があるけど恐れ多くて聞けないし、ていうか反応すらないかもしれないしで、聞けずじまい。でもきっとどこかしらのインタビューだか対談みたいなものでそういう発言があったんやろなぁ。そう思って中古屋を回っているときに攻略本を探してみたりとかしてるんだけど、クロノトリガー関連ってほんっとにどこにも無いんだよね。Amazonで売ってるアルティマニア買っちゃおうかなぁ…。上記のことが載ってる保証はないけど。もう普通に読みたい。(※こちらの件について最後に追記あり)
そんなことはさておき、この真偽も分からぬ一文のお陰で私は「ラスボス戦BGMの在り方」みたいなものをすんごい考えさせられた。
改めて整理すると、本来は第2形態で「ラストバトル」、第3形態で「世界変革の時」が使われるはずだった。それが植松ノビヨの「入れ替えようや」の一言で逆になりましたっつーことらしい。(※第1形態は「ラヴォスのテーマ」)
「世界変革の時」は語彙力皆無でまとめると、「リズム感最高!激熱!ラスボス戦キター!カッコイイ!メインテーマも入ってる!」というザ・盛り沢山な感じ。対して「ラストバトル」は、「不気味…怪しい…遠い宇宙っぽい…渋い…叫び声怖い…でもちょっとワクワクする…」こんな感じ。
どちらも全然違った雰囲気で、面白い。
なのでプレイヤーの感覚としては「うおおおかっけえええ!いくぜえええ!」からの「おお…どこやここぉ…なんやこいつぅ…」という風になる。
私としてはこれは非常にしっくりくる流れで、何故かというと植松ノビヨ作品では決して珍しいことではないからだ。FF7のラスボスを思い出してみよ!あれはジェノバ戦・リバースセフィロス戦・そして最終形態のセーファセフィロス戦で成り立っているが、前者の2曲はアゲアゲなのに対し、かの有名なラスボス戦「片翼の天使」はどうか。デン・デン♪ドン・ドン♪あれ、テンポ遅くね?もちろんこれはこれで超良い。FF7はこれが良いんだ。最後にあえて失速させることで、ラスボスの規模や強さ、緊迫感や絶望感が生み出されている。ような気がする。
本来のパターンで実際に聴き比べてみる
話を戻すがクロノトリガーでは「植松氏の意向により」逆になったということだから、きっと「光田氏(または他開発スタッフかも分からん)の意向」で本来の曲順は存在したのだと思う。光田氏が実際のラスボス戦の状況に合わせて楽曲を制作していたのだろうとか考えると…勝手に杞憂してしまう私がいる。いやマジでこの辺実際はどうだったのか、制作の背景が知りたくて知りたくて仕方がないのだがそう思っているのは私だけなのだろうか。真偽はどうあれ、とりあえず今はそのていにさせてもらいます。
では、その本来のパターンで想像してみようと思う。
まず先に「ラストバトル」を聴いてみる。
うん…やっぱり怪しさ満点だ。サイズも悪事の規模もデカすぎるラヴォスとそれに立ち向かう主人公たちの恐怖が表現されている感じ。意外と合ってるなぁ。ついに本性を現したか!みたいなドキドキ感がある。でも、まだ本性出し切っているわけじゃないんだよな。そう思うと「世界変革の時」に替わったのも理解できる。
戦闘シーンを思い出しながら2周ほど聴いたのでイメトレはバッチリ。続いて「世界変革の時」を聴く。
うおおお…最後っぽい!!あれ?めっちゃテンション上がってきた!最後感がとにかくすごい。これで戦いはすべて終わるんだッ!全員で魂をぶつけるぞ!という高揚感もすさまじい。めちゃくちゃラスボスやん。だた「ラストバトル」の方が絶望感は圧倒的。こちらはむしろ希望の光が見えるような曲なので、ノビヨは多分それを逆手に取ったのではないか?と感じた。でも、最後感がすごく合っている気がする。最後感ってなんだ。
聴く順番が違うだけでここまで印象が変わるのか〜。すごいなぁ〜…。「いや言うてること大して変わっとらんやろw」とツッコミを入れたそこの私。印象を言葉で表現するのって難しくてついただの感想になっちゃうんだよ。曲の「感想」と「印象」は違うんだよねぇ。んなこたどうでもいいんだよ!(逆ギレ)
しかしどっちも良いなぁ。ノビヨバージョンで聴くと「うんうん、やっぱこれだよね」ってなるのが、ミツダバージョンで聴くと「いやいや、こっちでしょ!」ってなるんだよね。これ、既プレイじゃない人にも聴き比べてみてほしいかも。私はノビヨバージョンを既に体験してしまったからか、どうしてもノビヨバージョンが頭から離れない。でも、ミツダバージョンもすごい好きなのよ。やっぱりテンション上がる曲が最後にくる方が、「王道ッ!」って感じはあるよね。ただどちらの曲も違った良さがあって一概には言えないし、何より戦闘中の画面の要素(敵のモーションやら背景やら何やら?)とか他にも様々な部分を考慮したうえで決定されたのだろうから、なるべくしてなったこのクロノトリガーがある。そこはもちろん承知しておきたいところ。
あぁこれ………ひとり戦争始まるかもしれん。きのこたけのこ戦争ばりのやつが。
結論:植松伸夫最強!光田康典最強!
どうしよう。結局、文字に書き出してみてもどっちが良いのかまったくもって分からないし何もまとまりゃしない。どうしてノビヨはノビヨバージョンにしたのか。とにかくその心をご本人に問いたい。もしくはそのような記事があるのであればマジで教えてくれ…買わせてくれ~。
そして光田氏はその指示を聞いて一体どんな心境だったのだろうか。クロノトリガーの制作現場において音楽の発注がどのような流れで行われていたのかは分からないけども、光田氏の意向というものがもし本当に存在していたのならばぜひ彼の「こうしたかった」話も聞かせてほしすぎる。
とにかくこの問題は私ひとりでは到底解決できることではないので、ゲーム音楽評論家みたいな人、出てきてくれ。よろしく!「どっちにしろカッコいいんだからどっちだっていいじゃ~ん!」はナシね。その通りすぎて何も言えなくなるから。本当にその通りなのよ。実際にやっていて「イイ!」だったらもうそれでイイわけ。なのに…なのに!あの記事の何気ない一文のせいでッ!おれはッ……!!おれは………ッッッ!!!!!!!(みんゲーさんいつもお世話になっております)
でも、これから先新しいRPGをやるときはより一層ゲーム音楽の背景を考えながらプレイできる気がする。作曲家の方々のすばらしさに改めて気付かされただけで何の結論にも至らなかったが、そういった今後のゲーム人生を少しでも豊かにできそうな何かを得られた。それでええんや。
思いつくままにババーッと書いてしまったので変な日本語があったらすみません。珍しく短いですが読んでいただいた方はどうもありがとうございます。
ノビヨバージョン・ミツダバージョン戦争しましょう。
【追記】本当に戦争していたのは…!?
聞いてください。なんと、心優しい有識者のお方がTwitterで今回の件のソースを教えてくださったのです。本当に本当にありがとうございます!記事を書いて、ファンの方に届いて本当に良かった!
ということで早速該当品を中古で購入。偉大なるその品とは、なんと「CHRONO ORCHESTRA」というクロノ・トリガー&クロノ・クロスのオフィシャルコンサートのパンフレットだった。コンサートのパンフ、確かに作曲家のインタビュー載ってること多いよね、うんうん。完全に盲点だったな。
クロノ・クロスに関しては未プレイ故ネタバレは避けたいのでなるべくそのページを飛ばしながら、まずは光田氏のインタビューページにかじりつく。作曲者本人が当時の若さや挑戦を思い出しながら語る、まぶしく貴重な言葉の数々。光田氏や周囲のクリエイターたちの人柄が良く分かる素晴らしいインタビューになっている。やっぱり、大好きな作品がつくられた背景をこうして知ることができるのは何とも言い難い楽しさがあるよね。今の時代とは全然違った制作環境のリアルな実話も興味深くて、羨ましさすら感じさせられる。
そんな感じでもはや目的を忘れて文章に没頭していたら、その瞬間は突然に訪れた。「――当時はスタッフ同士で言い合いをすることもよくあったんでしょうか。」光田氏がシナリオライターの加藤氏に怒ったというエピソードを懐かしんだ流れでの質問である。
そして、それに対する光田氏の回答がこちら。
な・・・!?と、時田さんんんんん!?!?!?!?
時田さん何してはるんですか!?!?!?!?
いや、もちろん知っておりますよ。時田さんと言えば、ライブアライブ制作ののちクロノトリガーチームに参加した、非常に芯の強く情熱あるパワフルなお方。ゲーム制作の傍ら今でも劇団の活動を行っている、芝居をこよなく愛するスーパーゲームクリエイター!ライブアライブリメイクですっかりハマってしまい、コラボカフェの一日店長イベントに奇跡的に当選し直接お話することも叶った私にとっては、もう坂口さんに次ぐ人生のヒーローとも言える存在なのです。
そんな時田氏が植松氏と言い争いとは…。ちょっと想像したら面白くて変な反応になってしまった。しかしこれを読んだ瞬間の私の顔、すんごい面白いニヤけ具合だったと思う。それほどこのお二方って意外と表にこうしたお話が出ることがほとんどないのよ。強いて言えばFF4が一番しっくりくるなぁと思っていたけど、まさかクロノトリガーの裏話でこんなのが聞けるなんて、最高すぎる。しかも結構な言い争いだったようで、それを側から見ていた(?)光田氏の回答がまた面白くて。ぜひ全文を読んでその空気を感じてほしいと思う内容だった。
というようなワケで、私の予想は大外れ。実際にノビヨバージョンと対立していたのはミツダではなくトキタだったということになる。しかもTwitterでは、どちらかというとそもそも光田氏自身が「逆の方が良いかも」と思っていた、なんて話をまた別のイベントで耳にしたという人物もいた。
でもね、私は時田氏が制作にいてくれて本当に良かったと、今回改めて心の底から思えたのですよ。
例えば光田氏や植松氏のようなコンポーザーの方々は作品への関わり方が分かりやすくて、サントラを買っちゃえばこの曲はこの人が書いたんだ、というのがひと目で確認できる。でも正直な話、シナリオライターさんだったりプログラマーさんだったりってどこを誰がどう作っているのかを具体的に知る術って、それこそこういったインタビューなんかで掘り下げられているのを調べる他ないじゃないですか。だからこうして「時田さんはここでこんな風に携わっているんだ」と明確に分かる制作サイドの発言っていうのが本当に貴重で、ただただありがたい。彼らは見えないところにも常に魂をかけてゲームを作っている。それを感じ取ることで、こちらもより作品を愛し続けられるのだと改めて実感できた。
そういえば、よく考えたらノビヨと時田さんはプロレス好きという共通点もあったな。私がまた無知なだけで、世には割といろいろ出ているのかもしれない…。今度はこのお二方の対談やインタビューを掘り出すという目標ができてしまった。
以上、追記でした。
引き続き、ノビヨバージョン・トキタバージョン戦争のお相手をお待ちしております。
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