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見えてたけど|_ ̄;))見えなかったもの

人生において
あまり遭遇するべきではない出来事のお話

もう記憶は風化してもいいと思うのですが
多分忘れないだろうなと思うことがありました


季節は秋も深まり
夕方になると肌寒い乾いた風が吹き抜ける日

中学生のあたしは学校までの道のりを自転車で通学していました
山や川が近く
たくさんの稲刈りを終えた田んぼからは
あちこちで稲を干している風景
遠くで稲の枯れた切屑を焼く狼煙のような燻った煙が立ちのぼり
風に吹かれてコチラまで焼けた匂いが鼻を突く


いつものように
自転車でそろそろ薄暗くなりそうな時間帯に帰宅するわたし
5時になると町内放送からいつもの音楽が流れてくる
外で遊んでいる子供たちや田んぼや畑で作業している人たちに5時になりましたよそろそろお家に帰りましょうね。の音楽

その音楽が流れてしばらくしたあと、
いつもの坂道を上がる前に大きな曲がり角があった

すると、遠くから一台の車がこちらに向けて走ってくる
私は別に気にも止める気もなくさりげなく過ぎ去ろうとした瞬間
いきなりその車は急ブレーキをかけて立ち止まりました
運転手の人が慌てて降り、あぜ道に背を向け
しばらく立ちすくむ

そして、私が通り過ぎる瞬間にゆっくりと振り返ったのです。

顔は笑ってた?ような気がする、、

え⁈

そう、出たんです『変質者』とやらが。


そこは悲鳴を上げるべきシーンだったのかもしれない

しかし、当時のあたしは何が起こったのか??一瞬検討が付かず
(ん?何アレ)みたいな感覚

そして後から思えば
あー!友達が言ってたのはコレかー!
と納得した

学校で噂になってたんです

(女子は1人で帰るな)
(白い3ナンバーのバンには気をつけろ)
(見つけたらダッシュで逃げろ)
(引きずり込まれたら叫べ!)

実際、友人は同じ場面に遭遇してめちゃくちゃ怖い目に遭ったみたいです
帰って親に速攻で言ったら学校に通報したみたい

まさか自分が⁈
まさかねー

そのまさかが実際起こった

しかし
中学生になったあたしはこの頃から視力がグンと落ち、勉強する時しかメガネを掛けていなかったのです

だからメガネをかけていないと遠くが全く見えません
しかも夕方の時間帯
更に見えません

後からじわじわと怖さが襲って来ました

後に噂が広がって分かった事なのですが
実は地元の人間で
その人物の素性がどうやら親が偉いさんのお仕事
裕福な家庭に育った地主の息子さん
警察に連絡するでもなく
まぁ若い人のやったことだから。みたいな集結を迎えたのです

毎年、春と秋になると自然発生していた変質者問題

女子は1人で帰るなと言われても
帰る方向あんまり人がいない地域
しかも部活とかやってると時間帯合わなかったりで
どうしても1人帰宅になってしまう

今はうちの地域、少子化問題もありスクールバスが出てるらしく
1人で帰る学生さんは見なくなりました

きっとその変質者さん

あたしがワー!とかキャー!って言うのを期待?してたのかも?

しかしあたしの普段の地声は低く
話すとくぐもった声

ぱっとしない地味学生にそんな事して楽しかったのでしょうか?
あ、とりあえず女の人だったら誰でも良かった系?

その日、家に帰って親に
何か変な人おったわーだけ言ったような、、
うちの親も大してあんま反応無かったな

今はネットが広がってから監視下で何かあったらすぐ拡散されるけど
あたしの子供時代
何気なく無事に過ごしてきたことだけでも奇跡だったのかな?

田舎だからとか都会だからとか
垣根なく色んな犯罪あるので
ホント自分の身は守らないとですね


見てくれてーありがとうって言っちゃうの☺︎

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