2000年代最高傑作「殺人の追憶」は何度観ても完璧だった。

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WOWOWでやっていたので久しぶりに(5回目)録画して観ましたが、、、

やっぱりヤバい!ヤバすぎる!

何度も観ているのに、後半「やべー」「すげー」と幾度も言葉が漏れました。

冒頭からラストまで本当に全シーンが凄い。画作り、音楽、演技、全てが完璧。後半の畳みかけ方はもう神業。

ポン・ジュノ監督の2作目にしての天才ぶりは正直、「パラサイト 半地下の家族」を超えて映画的醍醐味、ダイナミズムの極致に達していると思います。

思えば2004年に劇場で観た時は映画学校の学生でしたが、観終わって凄すぎてしばらく立てなかった。

今回観終わった後、放心してしばしこの16年の月日をしみじみと考えてしまった。

ポン・ジュノの美学は16年前に既に極致に達していたと思います。

この映画を観ている方も観ていない方も、是非ヘッドフォンで音量を大き目にして(できればiPhoneなどでなく大き目のテレビで)近めで没入して観てほしい。


ファーストショットからラストシーンまで一瞬の緩みもなく、ユーモアをふんだんに織り交ぜているのに緊張感が途切れない。

犯人が捕まっていない事件(2019年に真犯人が見つかりましたが、いかにポン・ジュノ監督の事件の詳細を捉えていたか再認識されたようです)を映画化したポンジュノの度胸と、阪本順治監督に「黒澤明の孫が韓国で生まれた」と悔しいことを言われたように、まさに黒澤映画を彷彿とさせる(あの雨!雨!雨!の数々の雨シーンから後半の豪雨のドラマティックなこと!)まさに映画ロマンたっぷりのダイナミックな画作りと音楽。ユーモア醸し出す空気感と一気に凍りつく緊張を強いられる振り幅、巧妙に張り巡らせた伏線とストーリーに全く無駄がありません。

そしてなんといってもソンガンホとキムサンギョンの真逆バディの生々しい人間臭さがたまらない。やがて二人の狂気、性格が逆転していくところも見事。前半の小道具、台詞の端々まで張り巡らされた伏線がことごとく回収されていく。

後半に見えない犯人が潜む美しい田園風景を探り歩くスローモーション、ソンガンホのいきなりドロップキック、夜中に冷たい雨が降ると赤い服の女性が襲われる、次々と容疑者をあげながら、最終的な決め手に辿りつかず、執念と悔しさで、極限まで追い込まれた刑事達の感情のうねりと鬼気迫る面構え、そして戦慄のクライマックス。

はぁ、溜息しか出ない、、ということで思わず、2020年の今、振り返る、私の極私的2000年代(2000年~2009年)MYベスト70を発表します!

もちろんこの作品が第一位ですが、個人的に思い入れ強すぎる「天使のくれた時間」を今回、逆転しました😭

皆さま、何作観ていますか?
傑作揃いの70作どうぞ~!

2000年代 MY外国映画ベスト70
https://note.com/qone0205/n/n4020c736a5b0

世界に愛を届けるシネマエッセイストのクワン Q-Oneです。皆さまにとって、心に火が灯るような、ほっこりするような、ドキドキするような、勇気が出るような、そんな様々な色のシネマエッセイをこれからもお届けします。今年中に出版を目指しています。どうぞ末長くよろしくお願いします✨☺️✨