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JIS Q 9001 7.支援

JIS Q 9001の7章の解説です。


7.支援

QMSを運用するためには、それを運用するための基盤の整備が必要である。
本章では、その必要不可欠な基盤について規定しています。

7.1 資源

本項ではQMSの構築、運用、管理に必要な資源を規定しています。

7.1.1 一般

QMSの確立、実施、維持、継続的改善に必要な会社の内部、外部の資源を明確して、使えるようにしておくことを要求しています。

7.1.2 人々

本項ではQMSを効果的に実施するために必要な人々を明確にして、仕事ができるようにすることを要求しています。人々の力量については「7.2 力量」で要求される。

7.1.3 インフラストラクチャ

会社はプロセスを運用したり、製品やサービスが適切なレベルを維持できるように必要なものを準備する必要があります。
例えば、「建物」「備品」「設備」「ハードウェア」「ソフトウェア」などがあります。

7.1.4 プロセス運用に関する環境

プロセスの運用や製品やサービスを製造・提供するための適切な環境を準備する必要があります。環境の要因は大きく分けて次の3種類があります。

  • 「温度」「明るさ」「騒音」などの物理的要因

  • 「被差別的」「平穏」「非対立的」などの社会的要因

  • 「ストレス軽減」「心のケア」などの心的要因

7.1.5 監視及び測定のための資源

製品サービスが要求事項に適合しているか確認するために監視・測定するための資源の準備も必要となります。

7.5.1.1  一般
用意した資源が、正常な状態であるかを常に監視することを要求しています。設備は正常に動いているかなど。
これらの監視の結果は文書として残す必要があります。

7.5.1.2 測定のトレーサビリティ
測定する機器は、国家標準とトレーサブルであることを求めています。国家標準とトレーサブルであることを文書として残すことが必要です。
また、測定する機器は壊れないように適切な保護を実施する必要があります。

7.1.6 組織の知識

プロセスを運用したり、製品やサービスを要求事項に適合させるために費強な知識を明確にして、関係者が利用可能な状態にすることを要求しています。この知識は会社の内部と外部の両方が対象となります。

7.2 力量

7.1.2項では社員に必要な資源として提供することを要求していますが、本項では社員が必要な力量を持つことを要求しています。

具体的には、下記を要求しています。

  1. QMSに関係する社員に必要な力量を明確にすること

  2. 適切な教育、訓練または経験により社員が必要な力量を備えていること

  3. 2項で行った処置の有効性を確認すること(教育の理解度の確認など)

  4. 力量の証拠を、適切に文書化し保持すること

7.3 認識

本項では社員が下記の事項を認識(理解している)ことを要求しています。

  • 品質方針

  • 関連する品質目標

  • QMSの有効性に対する自らの貢献

  • QMSの要求事項に適合しないことの意味

これらの認識が不足していると、面倒などの理由によりQMSに従った仕事をしない社員が出てくるようになります。

7.4 コミュニケーション

会社はQMSに関連する内部と外部のコミュニケーションの「内容」「実施時期」「対象者」「方法」「実施者」を決定する必要があります。

参考までに、JIS Q 9001でコミュニケーションが要求されている項を示します。

  • 5.1.1 f) 有効な品質マネジメント及び品質マネジメントシステム要求事項への適合

  • 5.2.2 b) 品質方針

  • 5.3  責任と権限

  • 6.2.1 f) 品質目標

  • 8.2.1 顧客とのコミュニケーション

  • 8.4.3 外部提供者に対する情報

7.5 文書化した情報

QMSを運用するに当たり、様々な情報を文書化する必要があります。
本項では文書化に関する要求事項が記載されています。

7.5.1 一般

本項ではQMSに関して文書化が必要な情報が要求されていまうs.
その内容を下記です。

  • JIS Q 9001が要求する文書化した情報

  • QMSの有効性のために必要であると会社が決定した情報

JIS Q 9001で文書化した情報の維持や保持が要求されている下記となります。

維持

  • 4.3  品質マネジメントシステムの適用範囲

  • 4.4.2 プロセスの支援のための文書

  • 5.2.2 品質方針

  • 6.2  品質目標

  • 8.1  プロセスが計画通りに実施され、製品・サービスの要求事項への適合を実証するための記録

保持

  • 4.4.2  プロセスの支援とプロセスが計画通りに実施されたことの記録

  • 7.1.5.1 監視及び測定のための資源の目的と合致の証拠

  • 7.1.5.2 構成または検証に用いた基準

  • 7.2  力量の証拠

  • 8.1  プロセスが計画通りに実施され、製品・サービスの要求事項への適合を実証するための記録

  • 8.2.3.2 顧客要求事項のレビュー結果

  • 8.3.3 設計・開発へのインプット

  • 8.3.4 設計・開発の管理活動

  • 8.3.5 設計・開発のアウトプット

  • 8.3.6 設計・開発の変更

  • 8.4.1 外部提供者の評価、パフォーマンスの監視及び再評価の結果

  • 8.5.2 トレーサビリティを可能とする文書化した情報

  • 8.5.3 顧客もしくは外部適用者の翔裕物の紛失など

  • 8.5.6 変更のレビュー結果、変更を許可した人など

  • 8.6  製品及びサービスのリリース

  • 8.7.2 不適合なプロセスアウトプットへの処置など

  • 9.1.1 パフォーマンス評価の結果

  • 9.2.2 監査プログラムの実施、結果

  • 9.3.3 マネジメントレビューの結果

  • 10.2.2 不適合への処置と是正処置の結果

利用可能な状態にする

  • 5.2.2 品質方針

  • 8.3.2 設計・開発の要求事項を満たしている確認

  • 8.5.1 製品及びおサービスの特徴、実施する活動及び達成する結果など

7.5.2 作成及び更新

本項では文書の作成および更新に必要な事項が記載されています。
文書に必要な事項は下記です。

  • 適切な識別および記述(タイトル、日付、作成者、参照番号など)

  • 適切な形式(言語、版、図表など)および媒体(紙、電子媒体など)

  • 適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承認

7.5.3 文書化した情報の管理

7.5.3.1

本項では文書の管理方法に関する要求が記載されています。
要求事項は下記です。

  • 文書は必要なときに、必要なところで、入手でき利用できる状態である

  • 文書が保護されている(許可なく変更できない、紛失しないなど)

7.5.3.2

本項では文書管理に当たる行動に関する要求が記載されています。
要求事項は下記です。

  • 配布、アクセス、検査及び利用

  • 読みやすさが保たれることを含む、保管及びお保存

  • 変更の管理(版の管理)

  • 保持及び廃棄

必要ならば、外部から入手した文書も識別し、管理する必要があります。
また、製品・サービスの適合の証拠文書はデータが意図しない変更(上書き保存されるなど)されないようにする必要があります。

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