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馬と過ごす3日間のプログラム |うまとまう<秋編> 2024年10月26日(土)~28日(月)

馬と人の出会いは、いつも一回限り、片時もとどまることのない、響き合い。ともにいる時空で、互いをリスペクトし、互いが慈しみ絡むことによってのみ起こる動きの軌跡、それを<舞い>と呼び、<Dance>と呼ぶ。

馬と人がともに暮らしてきた文化が今も続く岩手県遠野市、それを今の暮らしにつなげる試みを重ねてきたクイーンズメドウで、身体と空間の響き合いに感覚を開きながら、馬と舞うように過ごす「うまとまう」プログラムを開催します。

遠野盆地に広がる田畑は秋仕舞いをして冬支度を始める頃、5月末から標高千メートルの高原で群れで暮らした馬たちが、里に降りてきて、人と過ごし始める「山下げ」の季節です。

高原の草も冷たい風に身を縮めるようになり、馬たちも冬毛に切り替え始めます。人里では、柵の修理、水飲み場の確認、干し草の確保をしたりして、馬たちが冬を過ごすための場所を整え、馬たちを迎えに行きます。

高原で馬にロープをつけて歩き出すと、それまでともに暮らしてきた群れとの絆を惜しむように嘶くことがあります。馬が全身を震わせながら出す声は、そばでロープを持つ人の耳など吹き飛ばす威力がありヒリヒリとするような高音域、嵐の中で足を踏ん張るように思わず力が入り、その瞬間、心身のモードのスイッチが切り替わります。

人は高原に背を向け眼差しを前に向け、ロープを手に呼吸を整えながら緩やかな下り道をしばらく歩く。そのうちに、馬もだんだんと人といることに意識を合わせて、この先にまだ青い草が残っている草原のことを思い出すのでしょうか、人と歩いていたことの記憶が戻ってくるのでしょうか、馬だけで過ごした群れの記憶が遠のいていくように、人と歩みが同調し始めます。

高原から人里に戻った時には、まるでずっとそこにいたかのように馬たちは場にすっと馴染みます。人は、馬のいる風景の懐かしさにしばし浸りながら、少し遅れて、馬との暮らしのリズムを思い出し、のそのそとぎこちなく身体が動き始め、手に持っていたロープを定位置に戻し、日常の作業を始めるのです。また始まるな、という、少しくすぐったいような嬉しさと冬をともに過ごすことへの覚悟で胸がキュッと固くなるような感覚も湧き上がってきます。

約5ヶ月ほどの放牧期間が互いに良いリセットになり、少し改まった気持ちで、繰り返しのようで同じではない、これまでとは違う新しい馬と人の暮らしの景色を見ることができるかもしれない、そんな期待や願いを育んでいく‥このような節目となる「山下げ」のプロセスを、みなさんとともに祝福しながら過ごす場を開きたいと思っています。

馬と舞うように、馬のいる空間で身体の響きあいを味わう時間へ。
メンバー一同、みなさんのご参加を心からお待ちしています。


*本プログラムは季節ごとに4回開催予定です。
 ぜひご予定をご検討くださいませ。

秋編:2024年10月26日~28日(土~月曜)
冬編:2025年2月15日~17日(土~月曜)
春編:2025年4月12日~15日(土~月曜)
初夏の高原編:2025年6月7日~9日(土~月曜)


プログラム詳細

日  程:2024年10月26日 (土) ~ 28日 (月) 2泊3日
*オリエンテーションを10月19日 (土) の夜にオンラインにて開催
*リフレクションを11月4日 (月・祝) の夜にオンラインにて開催

開催場所:クイーンズメドウ・カントリーハウス
*岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14-122

集  合:2024年10月26日 (土) 13時15分 JR遠野駅 改札前
解  散:2024年10月28日 (月) 14時50分 JR遠野駅 改札前

参加料金  :  172,000円 (早期申込割引 162,000円)
*1室1名でご利用いただきます
*参加料金には集合から解散までの一切の費用を含みます
*早期申込割引は9月25日(水)までの申込いただいた方へ適用します
*ご友人・お知合いと2名での申込のみ 2名同室料金 お一人 122,000円 にてご案内します (早期申込割引との併用はいたしかねます)
*参加者4名にて開催・6名にて締切ります
*キャンセルチャージは開催日20日前から発生します

スケジュール

オリエンテーション (オンライン) /10月19日 (土)
└ 19時30分 開始予定 … 準備するもの、集う人の自己紹介など

DAY1/10月26日 (土)
└ 13時15分 JR遠野駅 集合
└ 13時45分 クイーンズメドウ到着、施設周辺の散策
└ 14時30分 高原へ、馬とのセッション
└ 17時30分 夕食
└ 19時 振り返り<コトバの交感>
└ 20時 思い思いに過ごす時間

DAY2/10月27日 (日)
└ 8時 かるめの朝食、馬とのふれあい
└ 9時30分 高原へ
└ 10時 高原から里へ、<山下げ>
  * 13キロ、体調や体力に合わせて徒歩と車の組み合わせ
  * トイレ送迎あり
└ 11時 ランチ、地元のお母さんの煮締めとおにぎり
└ 14時 クイーンズメドウ到着
└ 15時 お茶とお菓子、休憩(お昼寝)
└ 17時30分 夕食
└ 19時 振り返り<コトバの交感>
└ 20時 思い思いに過ごす時間

DAY3/10月28日 (月)
└ 7時 かるめの朝食
└ 8時 フィールド周辺の森の散策、馬のケア(ブラッシングなど)
└ 10時 食事
└ 11時 馬とのセッション
└ 13時 お茶とお菓子、 振り返り<コトバの交感>
└ 14時20分 クイーンズメドウ出発

リフレクション (オンライン) /11月4日 (月・祝)
└ 19時30分 開始予定 … 余韻を愉しむ、 振り返り<コトバの交感>


クイーンズメドウ・カントリーハウス

1999年より、岩手県遠野市北部に位置する附馬牛 (つきもうし) にて、森を拠点とした活動を始めました。遠野へ移住したメンバーと、関東から通うメンバーとで森に関わり続け、現在に至ります。中世以降、馬産の地で在り続けた遠野。その土地で改めて馬と暮らし、小さな田畑を営みながら、自然と人の関わり、産業や経済の在り方を探究し続け、再構築していくことを目指しています。

馬との関わり

馬と人との関わりは、およそ5千年前からあると言われています。馬との出会いにより人間の文明は飛躍的に発展し、遠野に限らず、つい最近まで私たちの暮らしの中心には、馬という存在が当たり前にあったのです。一方で、どの地域においても、このふたつの動物の歴史は、「馬の有用性を人間がいかに引き出すか」という時間の連続でもありました。私たちは、馬の野生をコントロールするというこれまでの方法を一度手放し、新たに馬と関わる方法を模索し続けています。

「もっとフェアな関係に、もっと相互理解が深まった関係に、もっと道具に頼らない関係に、もっと彼らの生態に合った飼い方に、などなど、様々な面で、世界中の至るところでそのような試みが行われています。もしかすると、いまやっと、馬の側から見た暗黒時代が少しずつ終わりを告げつつあるのかもしれません。」

住まいマガジン びお <遠野便り> 馬たちとの暮らしから教わること』より

滞在する施設や持ち物について

施設には5つのゲストルームが用意されており、各部屋にベッド・バスルーム・お手洗いがついております。シャンプー・コンディショナー・ボディーソープ・ドライヤー、タオル一式は部屋ごとにご用意ありますが、歯ブラシ・シェーバー・洗顔関係のアメニティー・スリッパ・寝巻き類のご用意はございませんので、必要なものをご持参ください。アメニティーは、松山樹脂さんの「M-mark series」を使用しております。場合によっては髪の軋みが気になる方もいらっしゃいます。髪の軋みなどご心配な方は、普段お使いのものをお持ちください。

お越しいただく季節は、時間帯によっては気温が一桁台になり、朝露が凍ることもあります。フリース素材のアウターに長袖のインナー、少し厚手の靴下などをお持ちいただくと安心です。また、滞在中は森での時間が多いです。土や雨などで汚れてもよい格好をご持参ください。長靴や手袋があると重宝しますが、施設にお貸し出しできるものもいくつか用意してあります。必要な場合は、事前にお知らせください。お荷物を事前にご郵送いただくことも可能です。以下の住所宛にて、開催日の前日までに届くようにご郵送ください。

〒028-0661 岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14-122
 クイーンズメドウ・カントリーハウス宛/0198-64-2882

施設のあるエリアは、電波が入らない場所があります。特にSoftBank系統の電波は基地局がなく入りません。施設内にはFreeWi-Fiが用意されていおり、ご自由にお使いいただけますので、ご安心ください。

お食事について

今回ご一緒いただく料理人 山崎 彩子さんは、青森県弘前市で料理とお菓子のお店「ゆぱんき」を経営15年され、現在、2024年に岩手県紫波町へ移住されました。今回のプログラム内では、プラントベースのお料理をご用意いただく予定です。彩子さんは、2023年からクイーンズメドウにて、さまざまなプログラムで料理を担当いただき、フィールド作業にも関わっていただいています。アレルギーや苦手な食材がある方は事前にご連絡ください。

朝は軽く各自でお取りいただけるものをご用意して、10時と17時に運営メンバーと皆さんで集って食事の時間を過ごします。暮らすように過ごしていただくために、食器を並べたり、片付けたり、ということも大切に皆さんと分かち合うスタイルです。

お茶、コーヒー、お菓子をご用意しています。その他のお飲み物 (アルコール類)、また嗜好品などは各自でお持ちくださるようお願いします。

参加された方々のご感想

一緒に時間を共有する、特に目的に沿って行動するわけでもなく、でも皆を感じている空間というか。人間の枠組みから出ることが馬たちにとっては簡単で、馬たちに手を引かれるように私たち参加者も、ホストの方々と一緒にそこにいられる群れになったなと感じます。
人の善性を引き出すには人間以外の存在感も適度に必要なのでは?と思う今日この頃で、私にも何かを慈しみ大事にしたいと思う感覚があるのだなと、遠野の自然の中に生きる馬や生き物を通して思いました。しかしそれもまた、森や山や水を守り、人と付き合える自然を作れるように手入れしてきた遠野の人々あってのことなのだなと。
クイーンズメドウが主催するこの取り組みがギフトのように驚きと暖かさを与えてくれるものだと感じています。馬の鼻息のこそばゆさ、木漏れ日あふれる林、草原の匂い、皆さんと食べたご飯の味、静かで騒がしい里山の音、何もかもが心に残る、不思議な三日間でした。

2024年6月のワークショップに参加いただいた方から

お申込先

ワークショップへの参加を希望される方は、以下のアドレスまでメールにてお申込ください。

contact@qmch.jp

メールには、次の内容をご記載ください。
・お名前 (ふりがな)
・ご住所
・ご連絡先 (メールアドレス)
・ご連絡先 (携帯電話)
・事前に共有すべきこと (食材のアレルギーなど)
・ご参加にあたり一言

*メールでお申込後 参加費をお振込いただいき申込完了となります
*参加費のお振込先はメールにてお知らせします


プログラム運営

コーディネート:徳吉 敏江
馬とのセッションガイド:徳吉 英一郎
プログラムサポート:松井 真平 + 田瀬 順三
料理人:山崎 彩子
クロスポリネート:今井 航大朗

クイーンズメドウ・カントリーハウス(農業法人 株式会社ノース)