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ごま油を使用する理由
今回作ったヨモギクリームでは、まずヨモギエキスを抽出するために太白胡麻油を使用しましたが、オリーブオイルやホホバオイルではだめなのでしょうか?
いいえ、オリーブオイルやホホバオイルから抽出して作ってもOKです。
(ミツロウにはプロポリスなどでおなじみの抗菌作用が含まれている為、太古の昔から現在まで美容や医療品として使われています。そしてオイルを乳化する成分があります。)
ではなぜ太白胡麻油でヨモギオイルを作ったのか。その理由をご説明していきたいと思います。
ごま油(セサミオイル)の歴史
セサミ・胡麻は、アフリカ原産といわれ、紀元前1100年ころからエジプトやインドで食用や薬用として栽培されてきました。
エジプトの女王クレオパトラがボディオイルとして愛用し、インドの生命医学・アーユルヴェーダでは、油薬のベースオイルといえばセサミのことを指し、中国最古の薬物書『神農本草経』には不老長寿の薬として、そして日本には奈良時代に中国から仏教の隆盛とともに寺院や朝廷など上流階級の食用、燈明への利用を主として普及したとされています。
昔から「若返りのオイル」とも言われ、世界各地で人々の美と健康のために使用されている歴史の古いオイルです。
インドのアーユルヴェーダでも使用されるセサミオイル
前述のとおり、アーユルヴェーダで使うベースオイルは胡麻油であり、マッサージをしたり、口腔うがい、鼻うがいなどでも使用します。
胡麻油には体を温める効果や毒出しの効果が望めると言われています。
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ごま油の効果・効能
①抗酸化作用
②保湿
③女性ホルモンの調整
④デトックス
⑤アンチエイジング
食用として摂取するのはもちろん、美容オイルとしても万能オイルとして認められています。
ごま油の成分
どんな成分が上記のような優秀な効能を引き出しているのでしょうか。
・オレイン酸(約60%)※オメガ9(n-9)系脂肪酸
心臓障害を防ぐ善玉コレステロールの値はそのままに、 悪玉コレステロールの値を低下させる働きがあるといわれています。
・リノール酸(約23%)※オメガ6(n-6)系脂肪酸
血中コレステロール値を低下させ血管の硬化を防止します。
・α-リノレン酸(約10%)※オメガ3(n-3)系脂肪酸
アレルギー性疾患を改善し、脳細胞を活性化する一方、血液をサラサラにし、 動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・高血圧などの予防に効果があると言われています。
・セサミンK
ごまの成分としてお馴染みのセサミンには強力な抗酸化作用があります。 活性酸素や悪玉コレステロールの増加を抑える働きや、肝機能を高める作用もあります。
・セレン
活性酸素の生成を抑る働きがあります。 ビタミンEと共に摂取することで相乗効果があらわれますが、ごまはどちらも含んでいるため非常に効果的です。 活性酸素を抑えるので、がんの発症リスクを減らす作用もあると言われています。
・ビタミンE
抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。 日本人の摂取するビタミンE(トコフェノール)の約30%は植物油から摂取している現状です。
今回クリームを作るのに使用したごま油
今回使用したのは手軽にどこでも手に入る、マルホンの太白胡麻油です。
450mL入りで1000円程度で手に入り、余ればお料理にも使えるのでおすすめです。
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ごま油の種類
ごま油には「焙煎(茶色のもの」「生しぼり(透明なもの)」の2種類が主に販売されています。
どちらもお近くのスーパーマーケットで購入できますが、肌に塗布するために使用する場合は、必ず透明な「太白胡麻油」を購入してください。
そして、肌に塗布する目的として使う場合は購入した太白胡麻油を直接使うのではなく、100°の温度で一度熱を加えてから使用することをお勧めします。
キュアリングといって、油の酸化を防ぐための行為で、加熱処理することにより、浸透率もアップします。
<キュアリングの方法(簡単)>
①太白胡麻油を鍋に移し、100度程度の熱を加える
②自然に冷めるのを待ってキュアリングは完了
※ガラス瓶に入っている太白胡麻油なら、容器ごと湯せんで温めてもOK。
いかがでしたか?胡麻油のすばらしさが分かっていただけたのではないでしょうか。
手に入りやすいのも魅力の一つなので是非、ご自身で作ってみてください。