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【 noteで学ぶ 世界の名画とアート思考 】 「モネの『睡蓮』シリーズが教えてくれる、視覚の限界と芸術の革新」

= こんな人におすすめの記事です =

「 “ アート ”や“ アート思考 ” ってどうやら大事そうなんだけど、アートの見方もそもそも何なのかも、全然わからない。…でも、我が子に“ アート教育 ”はさせたい! 」

これ、僕の欲求です(苦笑)。
でも、あるある、ですよね?

ですが、なかなかどこを調べたらいいか分からないし、これらの情報にたどり着けないことがしばしば。

…ということで、このnoteでは、『 世界の名画とアート思考 』を週に1つずつお届けしております。皆様の一助になれたら嬉しいです!

なお、『 他にもこんな展覧会がおススメですよ! 』というものがありましたら、ぜひコメント欄で教えてください。教えてくださった方に、1コメントにつき100円をnoteのサポート機能でプレゼント!


= そもそもアート思考って? =

色々と言われてはいますが、

「 過去の状況を理解し、その中にある問題点や疑問を発見し、これまでに無い新しい価値観や方法を提案する思考法 」

と僕は理解しています。ここを意識しての名画を観察すると、“ あ!この名画はこういう観点でアート思考を取り入れているんだ! ”と理解しやすくなるので、おススメでございます。


= 今週の名画:睡蓮 =

はじめに
モネの『睡蓮』シリーズは、単なる風景画の枠を超え、視覚の可能性と芸術の革新を追求した作品です。この連作は、1899年から1926年にかけて制作され、彼の庭にある睡蓮の池をテーマにしています。シリーズ全体を通して、モネは自然光の微妙な変化を捉え、観る者に時間と空間を超えた美の世界を提供しています。

クロード・モネ
クロード・モネは1840年、フランスのパリで生まれました。彼は幼少期をノルマンディー地方で過ごし、その風景が彼の芸術的な感覚を育みました。

モネは、早くから絵を描くことに興味を示し、地元の美術学校で学びながら、風景画に関心を持つようになります。1859年、パリに戻り、シャルル・グレールのアトリエで学び、後にピエール=オーギュスト・ルノワールやアルフレッド・シスレーなど、後に印象派として知られるアーティストたちと交流を深めます。モネは1870年代に印象派を代表する画家として知られるようになり、その後も生涯を通じて、自然の光と色彩にこだわり続けました。

革新的なアプローチ:視覚の再解釈
モネは、従来の固定された構図や明確な輪郭を放棄し、視覚的な印象と感覚を前面に押し出しました。彼の『睡蓮』シリーズは、風景を静的なものではなく、絶えず変化する現象として描いています。このアプローチは、後の抽象絵画や現代美術の発展に大きな影響を与えました。視覚の限界を超え、観る者に新たな視覚体験を提示することが、モネの目指した芸術の革新でした。

自然と人工の融合:ジヴェルニーの庭
モネは、フランスのジヴェルニーにある自身の邸宅でこの作品群を制作しました。彼の庭は、自然と人工の調和を追求した空間であり、『睡蓮』シリーズの背景となった場所です。池に浮かぶ睡蓮の花々は、静けさと自然の美を象徴し、観る者を穏やかな瞑想の世界へと誘います。この庭での制作過程は、モネにとって一種の自己表現であり、自然との対話を通じて彼自身の感性を深めていきました。

技術的挑戦:光と色彩の魔術
モネは、光と色彩の微妙な変化を捉えるために、独自のタッチと色彩感覚を駆使しました。『睡蓮』シリーズにおける彼の筆触は軽やかで、色彩は鮮やかでありながら、繊細に重ねられています。これにより、自然の光と風景を捉えた独特の印象を観る者に与えます。特に、異なる時間帯や季節による光と影の変化を描き出す技術は、モネの絵画における革新性を象徴しています。

経済的背景:モネを支えたパトロンたち
クロード・モネの主な収入源は、彼の作品を購入するパトロンやコレクターからの支援でした。特に、画商のポール・デュラン=リュエルはモネの主要な支援者であり、彼の作品を広める役割を果たしました。モネは当初、経済的に厳しい状況に置かれていましたが、次第にその作品が高く評価され、後年には安定した生活を送ることができました。このような経済的支援がなければ、『睡蓮』シリーズのような壮大なプロジェクトは実現しなかったかもしれません。

同時代の芸術:他の巨匠たちとの比較
モネの『睡蓮』シリーズが制作されていた同時期、ジョアン・ミロの『鳥のカフェ』やパブロ・ピカソの『レダと白鳥』など、20世紀初頭の芸術的革新が進行していました。これらの作品はいずれも異なるアプローチで視覚の可能性を探求しており、モネの作品と共に、視覚的な実験の一端を担っていました。彼らが挑んだのは、視覚の枠組みを広げ、新しい芸術表現を模索することでした。

おわりに
クロード・モネの『睡蓮』シリーズは、視覚の限界を超えた芸術の革新を象徴する作品です。彼の独自のアプローチは、後の芸術運動や現代美術に大きな影響を与えました。プロのアーティストやクリエイターとして、私たちはモネの革新的な視点を学び、現代に生かすことで、新しい表現の可能性を模索することができるでしょう。モネの『睡蓮』が私たちに教えてくれるのは、常に変化し続ける視覚の世界と、それを捉える新しい方法を見つけることの重要性です。

この絵を観られる場所
オルセー美術館(Musée d'Orsay)
住所: 1 Rue de la Légion d'Honneur, 75007 Paris, France
電話番号: +33 1 40 49 48 14
最寄駅: RER C線の「Musée d'Orsay」駅

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* 引用

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= あとがき =

noteをご覧いただきありがとうございます。

会社員の傍ら、上海で塗り絵本作家になりました、KENTA AOKIと申します。日本・中国を拠点に、個展をしたり、アジアやアフリカの子供たちと塗り絵イベントを行ったり、塗り絵本を出版したり、そういった作家活動を行っております。

作家活動を進める中で、美大卒でもない、若輩者の私は、“ アート ”に関して日々色々なことを学び、そのうえでアート作品を創るようにしております。というのも、“ 美大卒でもない ”というのが結構コンプレックスなんです。

ただ、そんなことを続けていく中で分かってきたのは、

「 アートを学ぶ方法って色々あって、美大の知識は勉強したらつけられるかも!? 」
「 アートって実は科学的かつ論理的で、むしろ理系向きかも!? 」
「 アートを届けるには、ビジネスの知識も必要なんだな 」

でした。

学べば学ぶほど、アーティストだけが“ アート ”を学ぶ・理解するのは非常にもったいないなと思ったのと同時に、もっともっと“ アート思考 ”を応用すると、おもしろいものやサービスが生まれるんじゃないかと思いました。

日々本を読み、実戦しながら、学んでいる僕がこれらを伝えていくことで、よりリアリティを持って、学びが共有できたら嬉しく思います。僕と同じ境遇にある方々に届き、共感頂けたら更に嬉しいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


P.S.

2024年9月4日〜9月9日、新宿伊勢丹の催事の一角で、アートイベントを行います。ぜひお越しいただきたく、よろしくお願いします!

頂戴いたしましたサポートは、インドネシアやタイの子供たちに塗り絵本を送るための活動資金に活用させていただきたいと思っております。 何卒よろしくお願い申し上げます。