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“フェイク” (2007, by Mr.Children)(#34)
言ってしまえば僕らなんて似せて作ったマガイモノです〜♪
“フェイク”はそんな歌い出しから始まる2007年1月にリリースされたMr.Children 30枚目のシングル曲です。
ところで、最近『コンフィデンスマンJP プリンセス編』をDVDで観ました。
この映画はシンガポールの大富豪レイモンド・フーが亡くなり、彼の遺言に基づき、フー家の総主として非嫡子の“ミシェル・フー”を向かい入れ、財産を引き継ごうとしますが、なかなか本物が見つからない、そこから話が始まります。
その中で長澤まさみさん扮するダー子が関水渚さん扮するコックリに向かっていう台詞が印象的でした。
ちなみにコックリがミシェル・フーに、ダー子がその母親になりすまし、フー家に近づきます。
不安がるコックリにダー子はいいます。
「本物も偽物もない。信じればそれが真実」
これは映画ポスターのキャッチコピーにもなっている台詞です。
この映画を観た後、思い出したのが“フェイク”の歌の世界観でした。
騙す方だけでなく、騙されたー、そう感じたとき、ヒトは自らを“偽物”とし卑下するのです。
あるいは“本当の自分は何か”、それを見栄や虚勢を張りながら問いながら自身に“偽物”を覚えるといいます。
だとしたら、世界には本物の方が少ないー、と。
そうかもしれません。
確かにどれだけ“本当に”必要なものだけを売買し、“本当に”必要な人だけに時間を割き、過ごしているでしょうか。
今のコロナ禍を“不要不急”以外で過ごしながら、むしろその方が息苦しかったり、違和感が覚えたりしているのではないでしょうか。
それは結局本物より、信じられるものが少ないとも言えます。
そして、そんな世界にいることを教えられます。
ただそんな世界の中に浸っていて何を見つけられるのでしょうか。
偽物です。
しかしもしそんな世界でも信じない限り、残念ながら本物にすら手が届かないのです。
本物も偽物もない状態、そこにあるものこそ真実なのです。
そして真実こそ本物に近い存在なのです。
最後に、大正昭和の劇作家倉田百三の言葉を紹介して締めます。
信じて騙されるのは、
誠のものを疑うよりどれ程まさっているだろう。
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