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ランチメイト症候群とは(#41)
みなさん「ランチメイト症候群」という言葉を御存知でしょうか?
昼食時間に一緒に食べる相手がいないことに恐怖を覚えるといったものの総称です。
2018年には『ランチメイト症候群』という題名の短編フィルムが公開されたそうです。
※写真引用:FilmMarksより
個人的にその存在を初めて知ったのは2013年、米倉涼子主演ドラマ『35歳の高校生』で昼食の弁当をトイレで食べるというシーンからでした。
いじめられっ子役の広瀬アリスの隣の個室に入り、仕切り越しに並んで弁当を食べるというシーンがあり、
「おいおい、入口なのか出口なのかわかったものじゃないな」
と感じたものの、食べる場所として考えたこともなかったので不思議な感覚でした。
しかしながら、いじめられっ子の当人にとっては食べることより「食べる場所」が重要なのです。
よくよく考えてみたら、似たような光景を目にします。
人目に付きにくい場所、たとえばドラマなどではよく公園のベンチなどで一人弁当を食べるシーンを見掛けますが、あれも似たような心境ではないでしょうか。
しかし、現実のお昼時の公園はほぼ満員状態だったり、そもそも公園や一人になれる場所が少なかったりします。
それらを踏まえても「一人になりたい」需要は結構高いのかもしれません。
コロナ禍で別の一面を見せるかたちとなりましたが、チェーンラーメン店の一蘭にある「仕切り板」や「一人○○」を代表する食事処は上昇傾向にあるように感じます。
ただ学校に限定されると、無断で校外へ出ること自体校則違反であることが多く、そんな苦肉の策として「便所飯」なるものが生まれたのかもしれません。
確かに「一人で食べているところをみられる」のとは別に「一人で食べたい」という時間はあります。
そしてお昼時間が決まっているとどこも騒々しく、そうした時間に辟易した経験がある人も多いのではないでしょうか。
ただ今回気になったのは、そうした「トイレで昼食を食べる」までの精神的なものではなく、むしろ食事を済ます場所として「トイレが選ばれた」という点です。
それは当人にとってトイレが選択肢に入るほど追い込まれていたのかもしれませんし、トイレが選択肢に入るほど抵抗感がなかったかもしれません。
そうではなく、トイレしか選択肢がなかったのかもしれません。
つまり当人でない限り、真相は藪の中、ただトイレがそうした場所に選ばれた事実はトイレという場所が発展していけばこそ、その当人の潜在的意識すら高められるのかもしれません。
過去にこんな記事を書きましたが、発想は近しいような気がします。
この記事の中でPAのトイレについてご紹介させて頂きましたが、大事なのは用途だけでなく、場所としての居心地なのかもしれません。
その居心地のよさの向上も「便所飯」なるものを生み出した背景かもしれませんが、それでもなんだか特筆すべき感慨深さがあります。
ふと舞い降りてきたかのように「便所飯」について書き連ねてみましたが、いかがでしょうか。
そう書きつつもオススメするわけでも、実践したいわけでもないので悪しからず御理解ください。
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