【日記】本を読み始めた。

 本日まで資格取得の勉強をしていて、それがついに終わった。解放感に打ちひしがれて、嫁と一日中遊んでいた。明日から仕事がある。そんなことはどうでもいいくらい解放された感じがある。本も読んだ。飯も食った。
 遠山啓『無限と連続』という本を、柄谷行人の案内で読んだ。軽く触れていたくらいのものだった。だいたいは、すでにどこかで読んで知っていた内容だった。特に無限の濃度についてや、トポロジーなんかは、もう嫌というほど誰かの解説を見たり読んだりした。要するに、エキゾチックでいったん理解すればわかりやすいのだ。問題は、たとえば群論について語り始めた時に、われわれはどうしても細かい証明などは省きたくなってくる。しかし、数学者自身は、そこを省いたら終わりなので、必要であれば多少理解しにくい証明も載せるし、どうしても省く必要のある場合にはその道筋を説明したうえで省いている。この古い岩波新書の解説書は、数学者としてのプロの意識と入門書としての面白さとの間で引き裂かれているように感じた。
 資格勉強をしている間は、自分に読書を禁じていた。それはかなりしんどいものだった。

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