妊娠・出産の情報収集のために読んでおきたい!「情報のトリセツ」
味方にも敵にもなる!? 「ネットの情報」
妊娠中、スマホの情報を見ずに過ごす女性はほとんどいないと言っても過言ではないでしょうか?
以前こちらの「妊婦さんの悩みについて話し合う」という企画の中で見えてきた、「妊娠中の女性は検索魔になりがち」という事象について、「お腹の中の赤ちゃんを”守りたい”という防衛本能からリスクを最大限少なくしようとする行動の一つである」と専門家の方からコメントをいただきました。
これはお腹に赤ちゃんを抱えるママたちが、一生懸命ママになるために頑張っているからこその行動なのですね。
妊娠・出産についてお医者さんや家族には聞きにくいこと・相談しづらいことなどをスマホで検索して気軽に知識を得たり、他の妊娠中の女性の体や心の状況を知ることで一緒に共感し、安心することで妊婦さん自身の不安やストレスを減らしたりできる点において、特に「ネットの情報」は妊婦さんにとって必要不可欠な存在。
一方で、様々な個人がSNSやブログで発信ができるようになった今だからこそ、「医学的に間違った情報」や「根拠のない情報」に惑わされたり、
「SNSで同じ週数のママと自分を比較して自分ができていないことに自己嫌悪したり、違うことに焦ったりしました。」
「それでさらに不安になって、検索して、悪循環に陥るみたいな・・・。」
など、その情報自体に非がなくてもその時の自分の受け取り方によってその情報が自分の気持ちをネガティブにしてしまう場合も。
特に現在はコロナの影響により母親学校などのイベントの中止で直接専門家に質問・相談できる機会が少なくなり、多くの妊婦さんが「情報」を必要としている今だからこそ、このような問題も起こりやすいようです。
メリット・デメリットのある「ネットの情報」ですが、妊婦さんはどのようなことに気をつけて情報収集を行っていけば良いのでしょうか?
ネットの情報とうまく付き合っていくために
今回も、この件についてこれまで多くの妊婦さんのケアを行ってきた、国際マタニティエステ協会 理事の谷さんにお話をお伺いしました。
「時間があれば、スマホを触ってしまう。これはたくさんの妊婦さんにみられる傾向です。
少し前の時代なら情報は本から得る事が主流だったので、必要以上の情報が入ってくる事も少なく、私が子育てをしてる時は赤ちゃんや子どもの家庭の医学の本を一、二冊買って、それで情報を得てました。あとは、母から聞く情報など。今の時代のように手軽に情報が入ってくる事がなかったのです。
常に身近にあるスマホは、隙間時間を埋めてくれるとても手軽で便利な物なのですが、逆に、直ぐに気になる事を調べられるので、情報過多で色んな情報に振り回されて不安になったり、どんどん自分で負のループに落ちていく事に繋がってるように思います。
そうならないために、私なりに妊婦さんたちに意識していただきたいポイントを3つにまとめてみました。」
① 妊娠中の体や心の傾向については専門家の情報を探す
まず、ネットの情報とうまくつきあっていく上でベースにあるのが「正しい情報であるかどうか」です。個人が気軽に発信できるようになった今、自分と性格やライフスタイルが合う人、同じ悩みを持つ人や先輩ママの体験談や経験談はとても役に立ちます。ですが、一つ注意していただきたいのは「自分の体や赤ちゃんの発育に関わることは必ず専門家の意見を参考にする」ということです。
妊娠・出産の中で多いのが、体のマイナートラブルについての悩みや食事の悩み、そしてこれから生まれてくる赤ちゃんの健康についての悩みです。これらについての解決策を提案する記事や体験談がネットにはたくさん転がっていますが、これらの情報については深く追求すれば個人差があり、その人の体調や状況によっても大きく異なります。よって、個人の体験談などについての情報は「この人の場合はそうだったんだな」くらいで受け取り、自分の状況と照らし合わせて判断・行動するのはやめましょう。母子の健康に関わることは、直接専門医に聞けるのがベストではありますが、インターネット上の記事であれば必ず専門家が発信する情報や監修する記事を参考にするようにしましょう。また、体に「痛み」や「不快感」などを感じる場合はネットだけの情報で対処せずに、必ず専門家に相談するようにしてください。
② 人は「ネガティブな情報」に共感がはしりやすい
これは妊婦さんに限ったことではありませんが、これまで私が妊婦さんの相談を受ける中で感じたことは、"人はネガティブな情報ほど共感しやすい" 傾向にあるということです。
妊娠・出産の心と体の状況は本当に人それぞれで、「つわりも軽く比較的楽しくマタニティーライフを楽しめた」という人もいれば、「本当に辛くて先のことを考えるのが苦痛」というところまで追い込まれるような人もいます。他の人に優しくできなかったり、旦那さんや家族と意見がぶつかったり、それを自分で責めてしまったり…ストレスがどこにでもある状況、とも言えます。そんな時にSNSで自分と同じ悩みをもつ人の発言を見つけると、思わず共感し、安心し、癒されたりもします。そのためネガティブな情報は拡散されやすく、たくさんの妊婦さんの目触れることも多いのですが、そのネガティブな情報に振り回されて前向きに物事を考えられなくなったり、常にそのネガティブな声ばかりを気にしてしまい、考え込んで、心がまいってしまう人も多いので要注意です。
もちろん、「ネガティブへの共感」を自分でコントロールすることは難しいのですが、「ネガティブな情報には心が反応しやすいんだ」、と意識しておくだけでも情報との向き合い方が変わってきます。
③自分の心の状態を知る
また、人はイライラしてる時、気分が落ちてる時に、普段気にならない事が、気になったり、心配症になったりします。
その時に、入ってくる情報は上手く受け取れれば良いのですが、心のバランスが崩れてる時に受け取る情報で、更に不安になったりします。
そのため、「今、自分の状態は少し心のバランスを崩してるなー」などと、『自分を理解すること』や『自分の心の状態に気づくこと』は、とても大事だと思います。それを知る事で、ストレスと上手く付き合い、自分で自分を甘やかしてあげてください。そうすれば、落ち着いて周りを見たり、冷静に判断ができるようになると思います。
女性は男性と違って、ホルモンに大きく影響を受けやすく、マタニティブルーやPMS(月経前症候群)は、ホルモンの影響が大きく関わっています。
私がそうだったのですが、生理前は、子育てで、普段なら許せる事が、許せなくなり強く怒ってしまったり子供や旦那様や家族に当たってしまったりと、何故かわならないけど、イライラしてました。 その時は、寝不足や、疲れが溜まってるからかな〜と思ってたのですが、それが、PMSでした。
今では、月に一度周期的にイライラする時は、そろそろ生理かな、、と思えるようになったので、上手く付き合えるようになりましたが、みなさんも、自分の身体を知る事、自分の身体と向き合う事、労る事が、とても大切だと思います。
=============================================
谷さん、どうもありがとうございました。
扱い方によってデメリットにもなりうるネットやSNSの情報ですが、やはり妊婦さんにとって欠かせない存在。自分とうまく向き合いながらも、上手に活用できると良いですね。