映画『おみおくりの作法』に出会う
ロンドンで孤独死をした人々を弔う仕事をしている公務員の冴えない中年男性の物語。4年くらい前、まだ、阿部サダヲ主演でリメイクされる前にwowowで観ました。リメイク版ではエンターテイメント性が高くなっていますが(まぁ、阿部サダヲさんですから)、オリジナル版はもっと淡々としています。だからこそ、感動のエンディングとなるわけですが。
イギリスが舞台なので、最初は画面が暗くて湿気が伝わってくるような雰囲気が続きます。暗い地味な映画だなぁと観てたのですが。
主人公(20年前の小日向文世さんっぽい)は、孤独死した人々の遺品を片付け、その死に真摯に向き合い、それぞれの宗教の形式に則ったお葬式をあげて弔います。そうして、淡々と誠実に仕事をしていたのですが、その非効率で経費のかかるやり方は、現代の生産性や効率化を求める時代には合わないと、解雇されることになります。
そんな時、自分のアパートの向かい(窓が真向かい)に住んでいた老人が亡くなり、死後のおみおくりをすることになります。そして、その事案によって彼が少しずつ変わっていきます。
解雇通告はされているけれど、新しい出会いがあり、ちょっと楽しい人生になって来たと思ったら・・・・・・。
えーっつ、そんなぁ・・・。
と、思ったら、彼の仕事が、ささやかな人生が報われたと感じるエンディングが待っていました。
もう、号泣しました。
このエンディング、日本っぽいなぁと思ったんですけど、こういう感じは海外の人にもあるんですね。
はたから見れば何の面白みもないような人生に、こんなことが待っていたのだと、悲しいけれど幸せな気持ちにもなりました。