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学び編 2 捨てるたびに 学ぶ

小満の頃 ひばりのさえずりに呼応して 師匠が 語りました

自然に 悠然と 無駄なく 身体が動く

瞬時に きつ然と 迷いなく 行動する

学ぶ者の強さは そこにある

その人の 動きが 技になる

その人の 営みが 型になる

学ぶ者の高みは そこにある

人の世には 学ぶ者と 学ばない者がいる

その違いが わかるかい

学ぶ者は 一見すると 静かで 派手さに欠ける
学ばない者は 一見すると 軽妙で 弁が立つ

それでも しばらくすると 学ぶ者が 際立ってくる

それは 技芸に真摯に取り組んで
工夫を 重ねているからさ

知ったかぶりの無精者は いつまでも技が身につかない

同じ技におぼれる怠け者は 粗野のままで進まない

派手で わきまえがない者は 無駄ばかり目立つ

捨てることができない者は 芸のつなぎも 上手くない


学ぶ者には そうした隙が 見当たらない

それは 技芸に真摯に取り組んで
独自に 挑んでいるからさ


学ぶ真似だけしてまったく学ばないのが一番いけない

学んだふりをする輩は 
たいがい同じような連中に囲まれてる

それは少しばかり教わると 
すべてを知ったつもりになる連中さ

教えられ育まれるという場に 慣れきっている連中は
学びは 上のものから 与えられると 勘違いしてる

学びが 学校で終わると思い違いし 
いつしか成長をやめる連中さ 

よく見てごらん 

学ぶ者は 自分の志で 学ぶ
学ぶ者は 学びを やめない
学ぶ者は 同じく 学ぶ者としか 結ばない

それは 技芸に真摯に取り組んで 
創発に 挑んでいるからさ 

友よ
人は どうやって 学ぶ
それを 考えたことがあるかい

学びは 円環

ひたすら 同じ流れを 繰り返す

識る ー 試す ー 体得する ー 捨てる

いつでも ぐるぐると 繰り返す

識る ー 試す ー 体得する ー 捨てる

そして 捨てた分だけ
 また識る
 また試す
 また体得する
 そして また捨てる

ひたすら 同じ流れを 繰り返す

識る

試す

体得する

捨てる


この周期ごとに 人は 新たに 学ぶ


故に 
捨てるたびに 
人は 新たに 型を得る


だから 知っただけの人は 学んでない

だから知ったことを すべて試さない人は学んでない

だから すべて試したうちで 
有効な技を見抜けない人は 学んでない

だから 有効な技を 体得できない人は 学んでない

だから 新たに体得した技を 
型の体系に組み込めない人は 学んでない

だから 型の体系として 
無駄になった部分を 指摘できない人は 学んでない

だから 無駄になった型を 
潔く捨てることが できない人は 学んでない

だから 捨てた型を 好きな時に復帰して 
組み合わせることができない人は 学んでない

だから 捨てた型の分だけ 
新しい要素を探してない人は 学んでない

だから この学びの円環を 
繰り返すことができてない人は 学んでない


人は いつまでも 学ぶことができる


識る ー 試す ー 体得する ー 捨てる

そして 捨てた分だけ
 また識る
 また試す
 また体得する
 そして また捨てる

ひたすら 同じ流れを 繰り返す

すると 技芸が 際立ってくる

すると 自然に 悠然と 無駄なく 身体が動く

すると 瞬時に きつ然と 迷いなく 行動する

そして 動きが 技になる

そして 営みが 型になる

これが 至芸の追求 というものだよ

そこで ひばりが舞鳴きを組み合わせて 蒼空を教えてくれました

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太田泉
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