授業での学びが日常と結ばれた。〜おじいさんとの出来事から〜
先日、ある出来事が。
私の家の玄関前で動けなくなっているおじいさんがいました。
私は外出していて帰ってきた時に家の前に人影があり、暗くてよく見えないものの、服も黒っぽくて何かしている様子で、怖くて一度コンビニに行き数分して戻りました。
しかし、まだその姿はありました。なので勇気を出して素通りして部屋に入る決意をしました。近づくとおじいさんが立てなくなっていました。大丈夫ですか?と2度声はかけたものの大丈夫です。と言われ、一旦部屋に入りました。ただ、コンビニに行く前からあそこにいたので心配になり、知らない人という不安もありながらも親と連絡をとりながらもう一度お爺さんの元へ行きました。
どうやら足を挫いて立てなくなっていました。もともと押し車を使われており、足が悪い中挫いたみたいでなかなか立てずにいました。押し車は座れるタイプだったのでそこに座ってもらって家まで送るとか、ご家族に電話するとか色々考えたのですが家は遠いらしく、電話も家に置いてきていて身寄りもないとのことだったので、警察に電話して助けてもらうことにしました。
事情を説明するとすぐ向かいますと言われ、お爺さんと待っていました。どうやらその方は市政だよりを配っていた途中だったらしく、今まで誰が配っているとか知らなかったので、こんな足悪い中配ってくれてたのかと当たり前の中の当たり前じゃないことに気づきました。ただ、なかなか警察は到着せず、その間お爺さんは迷惑かけまいと頑張って立とうとしては跪いてを繰り返していました。手助けしようとしても身長も力もない自分には持ち上げることも支えることもうまくできませんでした。こういう時の無力さって、なんか悔しい。筋トレしよ。
結局電話してから25分経った頃に警察は到着しました。8分くらいでくると思っていたのでなんか実際こんな感じなんだって知りました。(都会なところなので近くに交番いくつかあります。)
その後結局救急車呼ぼうかってなって後は警察にお任せしました。
1時間の出来事ではあったものの、なんだかこの後のお爺さんはどんな生活を送るのか想像していました。
あんな足悪くて一人暮らしで、お風呂とか入れているのかな。
便りを配っているということは市役所の人とは繋がりあるかのかな?
孤立はしていないかな?
普通こんなところまで考えないですよね。
ただ私は社会福祉学科ということもありいろいろな事例に授業で触れてきました。
その中で1人暮らし高齢者の孤立の問題や引きこもり、それに対するさまざまな支援について学びました。
今の政府は少子化対策より高齢者支援に力を入れているとは言いますが、
制度はあるものの実際使えているのかな。
このお爺さんは身寄りもなく、体も思うように動かくなってきている状態で年金で1人で暮らしているのかな。お節介だし、どんな暮らしをしているかは想像しかできませんが、ふと今まで学んできたことと実際の現状を考えるいい機会になりました。
こういうことがきっかけで支援の対象者が支援を受けられるといいな、これを治療で終わらせずに社会福祉士と出会えるといいな。いやおじいさんは今の生活を望んでいるかもしれない。それでも制度を知らなくて利用できていない人や、制度を使うまではないが生活に不安があるといったグレーゾーンの方の支援もこういった小さなきっかけで行き届くといいなと思った。
数日後、家の前に紙袋が下がっていました。
「先日は足を悪い所ごめいわくをおかけしてすみませんでした」
筆ペンで書かれた紙袋、中にはキャラメルが。
とても嬉しかった。
人助けなんて言えるほどのことできなかったし、何かもらえるとかなんて考えてもなかった。
自分でキャラメル買うよりも、友達からもらうよりもなぜかとても嬉しかった。
それは多分、そのキャラメルはお爺さんが歩けるようになった知らせでもあったから。
お爺さんがここまで来る手段はおそらく徒歩しかなくて、
わざわざキャラメルを届けにきてくれたって考えると元気になってよかったと思った。
ただ、1つ悔しいのは、すみませんでしたと言わせてしまったこと。別にお爺さんが私に対して悪いことをしたわけじゃないのに謝らせちゃった。
助かったありがとうって言ってもらえる対応をしたかった。
申し訳なく感じさせてしまった。
内心めんどくさいって思ってしまってたのかもな。
そういうのって伝わるよね。
もっと世間話して不安解消させるとか自分にできることもあったよなぁなんてね。
でも、気づくこともできました。
私は申し訳なくされるより感謝された方が嬉しいということがわかったので、これから自分が助けられる場面では申し訳ない、ではなくありがとうって感謝の気持ちを伝えようと思います!
高齢になると足腰弱るから歩いた方がいいと思っていたけど、少しのアクシデントで動けなくなる危険も潜んでいることを知れました。どうか、これからもお爺さんが怪我なく健康に生活できますように。毎月の市政だよりを楽しみに待とうと思います^^