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宇宙を持ち出せば大抵のことは解決する【絵本さんぽ】

素敵な絵本に出逢いました。

『どんなにきみがすきだかあててごらん』 

あらすじ

登場するのはチビウサギとデカウサギ。

そのチビウサギとデカウサギが、互いに相手をどれだけ好きかを伝え合います。

はじめは互いに手を広げて大きさを表現したり、精一杯背伸びをして表現したり。

そして伝えるスケールは次第に大きくなります。

例えば

「きみのこと、このみちをずっといって、かわにとどくくらい、すきだよ」チビウサギは、さけんだ。

に対して

「ぼくは、きみのこと、かわをわたって、おかをこえたぐらい、すきだよ」とデカウサギ。

このように互いに譲らず応酬し合います。


規模が宇宙へと…

すると

「ぼく、おつきさまにとどくぐらいきみがすき」

とチビウサギがいいます。

それに対して、

「それは、とおくだ」

「それは、とても とても とおくだ」

とデカウサギはこたえます。

今までのような応酬は続きません。

最後にデカウサギは、チビウサギを寝かせてキスをすると、耳元でこう囁きます。

「ぼくは、きみのこと、おつきさままでいって かえってくるくらい、すきだよ」

といって話は終わります。


2人は一体?

チビウサギとデカウサギの関係性はわかりません。友達なのか、兄弟なのか、親子なのか。

ただ相手を愛おしく思い合う仲であることは明白です。

とにかく愛溢れる物語です。


気が遠くなるような

月まで届くという距離を持ち出されて、ある種茫然とするデカウサギの様が好きです。

かつて人類も到達したことのある月ではありますが、我々にとって月とは気軽に行ける場所では未だなく、やはり「とても遠く」な場所です。


好きなエピソード

以前どこかで読んだのだったか、聴いたのだったかした話ですが、家事・育児に追われ仕事も大変でイライラが募る妻へと、夫が宇宙の話の本を贈ったところ、没頭して読んで気持ちが落ち着いて、家庭平和に至ったというエピソードがありました。


ミクロからマクロへ

いまは見えないターゲット『ウイルス』に神経を尖らせて過ごす長期戦となっていますよね。

肉眼では見えないミクロの世界。

そこへ辟易とするなか、一転、宇宙に目を向けるとひとときだけでも気が緩むような心持ちになります。


おわりに

イヤな気持ち、憤る気持ち、不安な気持ち…

そんな思いに支配されそうな時、

秋空に浮かぶ月や星空に目を向けてみては如何でしょう。

吹っ切れるかも、どうでもよくなるかも、あるいは少しズラして考えることが出来るかもしれませんよ。


おしまい


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pirokichi
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