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14ひきのさむいふゆ(14匹シリーズ 第4回/全12回)

【はじめに】

シリーズ4作目。
ネズミたちに冬がやって参りました。
個人的には読み始めた初期の1,2冊目であり、懐かしい思い出があります。

【解説】
1.リビングにて

外は吹雪いており、ネズミたちの家の窓からは明かりが見えます。
部屋の中は暖色系の色使いで、外と対照的に暖かい様子が伝わってくるようです。
リビングにはストーブがあり、その上にはヤカンが乗せられており、シュルシュルと湯気が立っています。
おじいちゃんといっくんは竹を切ったり、削ったりしています。
一方、おとうさんや子供達はテーブルでそれぞれ紙にコンパスで円を描いたり、色を塗ったり、ハサミで切り抜いたりしています。

外に干せないがために、室内には洗濯物が干されいる光景も生活感があって微笑ましい。

引き続きおじいさんは竹を炙って曲げ始めました。
いっくんは木の板をノコギリで切っています。

テーブルのみんなは、様々な色で塗られた先程の紙によって円錐形をつくっています。

2.厨房にて

おばあさんを中心に、なにやらあんこを皮で包む作業を分担して行っています。
お母さんは竈の火を吹いています。
とっくんは通称「とっくんトラック」という木で造られたプルトイを引っ張って現れました。トラックの荷台には竹の端材が載っています。

つくっていたのはお饅頭だったようで、ちょうど蒸し上がったようです。

ここでとっくんトラックに乗せられているのは、くんちゃんの大切なお人形に替わっていることが面白い点です。ストーリーには全く関係ないのですが、細かいこのような遊びがたまりません。

3.そり造り

お父さん達が先程の竹や木の板をネジや釘で組み立てて、そりらしきものを造っています。
そこへとっくんが、とっくんトラックを引っ張りながら再び登場。
ここでは、2台には皿に乗ってまだ湯気の立つ蒸したてのお饅頭が一個載せられています。
一足先にもらったのですね。

4.テーブルでの工作

テーブルでは、赤、青、緑、黄色の円錐が9つずつ並べられていたようです。でも1つ足りないとなっちゃんが気づいたようです。
それもそのはず、とっくんトラックの上にその1つの円錐が載っているのですから。
そしてトラックの所有者とっくんは、テーブルに座りお饅頭を頬張っています。さっきまでトラックに積まれていたお饅頭ですよね。

5.リビングに全員集合!

テーブルには、ボードゲームの盤らしきものが出来上がっています。
ほぼ今回の主主役級なアイテムのとっくんトラックには円錐が5つも載せられ、とっくんが遊んでいる最中です。食べかけの半分のお饅頭をテーブルには残したままです。
さあ、お饅頭が運ばれてきました。
おなじみお騒がせのろっくんは、頭の上まで大皿を持ち上げ、そこへ載せたお饅頭を運んでいる途中、その一個を落としてしまいます。
きづいたごうくんが駆け寄っています。

さて、みんな席に座ってお饅頭を食べています。
とっくんは1人、皿に2個、そして両手に1つずつと4個もお饅頭をキープしています。そんなに食べられるのでしょうか?と思わず気になってしまいます。
ちなみにここではとっくんトラックは、色鉛筆立てとサイコロが載せられています。

さて、みんなでつくっていた円錐と盤は「とんがりぼうしゲーム」なるゲームであったようです。チームに分かれて遊んでいます。

これはすごろくのようなもので、14ひきのすごろくの上装版だとすごろくの裏面にこのとんがりぼうしゲームも併せて描かれています。

仲良しのごうくんとなっちゃんは同じチームです。

一方、とっくんは4個のお饅頭を完食することなくテーブルに突っ伏して眠ってしまいました。

くんちゃんは、お人形に御猪口のようなもので何かを飲ませているようです。

ゲームが賑わっているところですが、くんちゃんはお人形を専用の布団に寝かしつけています。

どうやら雪がやんだようです。

6.そり遊び

雪で完全に埋まってしまっていた玄関から雪をかきだして、防寒した14ひきはそりを持って家から出てきました。
さて、そり滑り大会です。

アップダウンのあるコースを滑走していき、コースアウトしたり、転んだり。

ここでもごうくんとなっちゃんは一緒にそりに乗っています。

最後のページは、夜、降っている雪を玄関先から手を繋いでいるみているはっくんととっくんのシーンで終わります。

次の扉にはなんとそりに乗ってロープをつかんでいるくんちゃんのお人形が座っています。
なんだか寝静まった部屋にで、乗ってみたかったんだね、と思わされます。
まるでトイストーリーのようです。

【読み聞かせ】

今回の主役はなんといってもとっくんトラックととっくんでしょう。
前述のように一切本編には触れられていないのですが、
子供が気づき、興味がとっくんへ向くと、面白みが増します。
室内の暖かさと屋外の寒さのギャップが伝わるような読み方が出来ると楽しいかなと思います。

【(独断の)対象年齢】

1歳半から

【書誌情報】

14ひきのさむいふゆ
いわむら かずお
童心社

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