魔法にかかってみる
最近、通勤経路の途中にあった書店が消え、書店へ立ち寄ることが特別になってきました。
書店への道のり
他の書店へ行くためには、通勤経路とは異なる方向へ歩かねばなりません。
たとえそれがプラス数分であってもトータルの所要時間を考えると立ち寄りにくいのです。
ですから大型書店に立ち寄れるのは定期的に通う通勤以外の駅近くであったり、あとは家族でショッピングモールなどへ向かった際に、そのなかに含まれている書店へ向かうことになります。そしてそれが私にとってささやかな楽しみです。
電子か紙か、それが問題だ
引越しに伴い大規模な断捨離を行なったばかりで、本はなるだけ図書館で借りて、必要箇所だけをメモしたりコピーしたりしていますし、購入する際には場所をとらない電子書籍にするようにしています。
そして紙の本はAmazonやフリマサイトでとても安い場合などに限って買うようになり、従来までの衝動買いや一期一会だから的なオトナ買いはすっかり影を潜めました。
とはいえ、その時特有のシチュエーションというものはあるもので、どうしても心が惹かれることがあるのも事実です。
格下扱いしていたが…
私が書店で大切にしているのが『ワクワク感』です。
いかに新たに出逢った書籍がその著者や世界を感じさせてくれ、なんなら購入まで至らしめてくれるか。
こんな経験が出来たらそれは本望です。
いえ、むしろ体験させられたいのです。
近所にあるまだ営業しているとある書店は、スーパーを主とする商業施設のなかに入っているのですが、なんとも一言でいうならば『暗い』と表現されるような書店です。
思いつくポイントを挙げてみると、
・陳列の仕方がイマイチでワクワクしない
・照明の明るさが暗い
・店員が総じて覇気がない
・店員の暗めな対応
・心躍らぬPOP
・探してる書籍が在庫として無い→出逢わなさ
といったところになります。
ですからこの書店は相対的に手持ちの書店リストでは格下扱いとなり、「期待薄」な存在だったのです。
引越しを控えたある日
引越しを控えて、日々の片付けや断捨離に奔走している最中、スーパーへ立ち寄る用がありながらも、たしかあれは時間調整のためだったでしょうか、件の『暗い』書店へと立ち寄ってみました。
自室の片付けに頭を抱えていたとき、そのイマイチな本屋の定期的にかわる特集棚に並べられていた1冊の本が目にとまりました。
『こんまり』こと近藤麻理恵さんの書かれた超有名な本ですね。
著者自身はワイドショーなど情報番組のなかの片付けに関するコーナーで拝見したことがある程度で、有名な著作があるということくらいは知っていましたが、未だ読んだことはありませんでした。
その日はその本に惹かれるかのような体験でした。
いまの私は読んだほうがいいのかも。というまさしくタイトル名ではないですが、『魔法』にかかったような感覚でした。
歩くパワースポット
別の日でしたが、またしてもイマイチの『暗い』本屋を訪れた日。
またもや特集棚の前を通りかかると、
『歩くパワースポット』という意味不明ながら気になるワードの記された1冊が目にとまりました。
そもそも書店のその特集棚は何というテーマだったのでしょう。それは定かではありませんが、
表紙には『湘南乃風』とも書かれておりました。
『湘南乃風』は流石にヒット曲くらいは知っておりますが、メンバーの名前はほとんど存じておらず、このSHOCK EYEさんも知りませんでした。
しかしこの本にまず記されていたのは、どうやらこの方の画像をスマホ待受にすると良いことが起こるという聞いただけではポカンとなる話でした。
がしかし、
こういうのは不思議なもので、
この日の、今、このシチュエーション、というときであったからゆえ、目についたのです。
おそらく普段だと気にも留めない、存在にも気づかないことでしょう。
仮に気づいても非科学的だとかいって通り過ぎるだけであったと思います。
それなのにこのときは、なんか引っかかったのです。
そして
以上2冊の本ですが、ならばその場で購入したのか。
以前までですと、本との出逢いは一期一会であるから、その場で買うべし。
という信念で過ごして参りましたが、
今は違います。
Amazonの中古やフリマサイトなどで探しました。
2冊とも、メルカリにて300円という値付け出来る最低価格にて販売されていました。
そしてメルカリ上で両者とも購入しました。
私自身本は新品にこだわっていないので、かなり得しました。
ただ念のため申しておくと、2冊とも価値がないものであるということを伝えたいのではありません。
あくまで発行年、販売部数など含めて受容と供給のバランスにおける現状での価格にすぎません。
価格と本の中身の価値が対応するわけでは無いです。
読んだ
両方とも面白かったですね。
こんまりさんの著書では断捨離に勢いがつきました。
ときめきを大切にして判断出来ました。
SHOCK EYEさんの話も興味深いです。
待受云々の話は置いておくにしても、
著者の日々の生活で心掛けていることなどを拝見するに、
幸運や出逢いを引き寄せていく思考・行動パターンが形成されていった軌跡なようなものが感じられる気がしました。
どちらも読んでいて心が軽くなるようなそんな体験でした。
どちらにも共通するのは、日々の生活でのノイズを抑えて健やかに過ごす方法を提示してくれていることだと個人的には理解しました。
最後に詫びる
『つまらない、イマイチ』と申した本屋でしたが、
ふらり立ち寄ると
個人的に大きめな影響を受けるキッカケを与えてくれる場所となっていました。
よって、もっと謙虚に書店、本に向き合って行きたいと思います。
するとさらなる出逢いが訪れるようなそんな気がしています。
おしまい
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