良寛さんみたいになりたくて
「良寛さん」とは江戸時代後期(1758-1831)の曹洞宗の僧侶。
歌人や書家としても知られる尊いお方であるが、あえて
「良寛さん」
と呼ばせて頂きたいと思う。
良寛さんの3つの好きなもの
良寛さんの好んだ3つとは、
子供、手毬、おはじき
であったという。
子供と遊ぶ良寛さん
越後の雪深い冬が終わり春がやって来ると、良寛さんを見つけた子供達が群がる。
イタズラやからかったりする子どもに対しても決して腹を立てたりしない良寛さん。
全力で子供と遊ぶ
子供達とかくれんぼをしている時、良寛さんは田んぼに隠れ、上手く隠れすぎたために結局、子供は探し出すことが出来なかった。
翌朝、農夫が田んぼにいる良寛さんを見かけて声を掛けると、
「静かに!そんな大声を出せば、子供達に見つかってしまうではないか」
といったというエピソードがある。
葬式ごっこをして子供達と遊んだ際、死んだふりをしていた良寛さんを子供達は弔って喜ぶ。
ある時、死んだふりをしている良寛さんの鼻を子供がつまんで、息が出来ずに生き返った。
というエピソードも。
常に子供目線
良寛さんはいつも子供達に優しく接した。
包容力がありながら目線は子供に合わせ、無心になって一緒に遊んだ。
ボランティアではない
現代において、ボランティア活動の精神を学べないかと、良寛さんゆかりの寺へ足を運ぶ方があるらしい。しかし良寛さんのことを知るにつれて、想像していたボランティア活動とは繋がらないらしい。
その理由は良寛さんが、
子供のために「遊んであげている」という自己犠牲の精神では無く、常に同じ目線で「子供の仲間に入れて貰って、遊んで貰っている」という姿勢であったからのようだ。
愛に生きた良寛さん
物乞いの人には自らの着物を与えて、自らが風邪をひきそうになったり。
泥棒が夜に忍び込んできた折には、寝返りをうって布団を差し出したり。
権威や権力にも名誉にも興味のなかった良寛さんは、ひたすらに愛に生きた。
今の先行きが不安に満ちた世の中だから、良寛さんの生き方から今こそ得られることがあるのではないかと思ったりもした。
庶民に愛され、さらには異性にもモテたという良寛さん。
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良寛さんとの出逢い
独身の頃、キッカケは忘れたが良寛さんについて興味を持ち、本などを読んだ。
その時、子供との接し方に感銘を受けた。
私の子供達との関わり
実は自慢ではないが、我が子が生まれる前から、歩いていると小学生に声をかけられたり、おもむろに生き物を渡されたり、
姪っ子甥っ子など子供と触れ合うと、延々と遊ぶ。相手から気に入って貰えるのだ。
そんな光景を見るにつれ、何か(フェロモン?体臭??)分泌でもしているのだろうかと、自他共に不思議がっていた。
我が子と共にその友達と公園などで遊んでいると取り囲まれて子供2, 3人がしがみついたり背中に乗ったまま歩くこともしばしば。
腹拵えしていると「早く遊ぼうよ」とリーバイスのトレードマークのように両側あるいはそれ以上の方向から引っ張られるジーンズのような始末。
BBQなどで数家族で集まっても、他のパパママは日頃話せないオトナ同士の語らいをしている。
しかしながら私はほぼ僅かに食べる時間以外はずっとひたすらに子供達と遊んでいる。
酒も飲まないので酔って子供に対して危なっかしいことにもならないのだ。
あらためて良寛さんの本を読み返していて、幾許かは真似事のようなことをさせていただいていたのだろうか?と思わされた。
気をつけていることは、
上からオトナの論理を押し付けるコトは基本的にしない。
話す時は目線の高さを合わせて子供達の希望を現実的な範囲で最大限叶える。
遊びが始まったら、安全は守りつつ、あとは一緒になってとことん遊ぶ。時間など気にしない。制限時間は、他の大人が私達を呼び止めるまでだ。
こんなオトナと遊びたいな、というか、遊んでやってもいいな、と思ってもらえればただそれだけで嬉しい。
最後に
良寛さんみたいにオトナの異性にはモテないにしても、それよりも無邪気な子供達にモテるという方が純粋で真価を評価してもらっている気がする。
もとよりそんなことを考えているより、ただ単純に楽しく、遊んで貰っているだけなのだから。
私は精神年齢がまだ子供なのかもしれない。
でもいいじゃない。そんなオトナが、変わったオトナが1人くらいいたって。
子供達のキラキラした目を見て、一緒にはしゃぎ回る遊びより楽しい遊びってあるかしら。
金払って得られるわけじゃないからね、子供は指名するだけでニコニコして近寄ってくれたりしない。オトナよりシビアだからね。
あとね、その間はね他のオトナ達が寛げるんですって。よかったじゃないの。
良寛さん、お教えを本当にありがとうございました。
おしまい
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参考資料: 良寛の四季 (岩波現代文庫)
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