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【お別れの挨拶】非礼のツケは高くつく
コロナ対策や自粛生活からの生活様式を継続して外食を全く行なっていなかったのですが、この頃は時折、時間帯や場所を確認しながらお店で食事することを再開させてきつつあります。
大切なことは、ウイルスと上手く付き合う。
全てはトレードオフであり、
得られるベネフィットと起こり得るリスクなどを考えつつ行動するように変容させる必要性を感じてきました。
そのように今の状況においては、
「外食するとしたら、このお店に入るか」
と自らに問いながら気になるお店を観察するようになってきました。
初夏の頃だったでしょうか。
通勤途中の道に豚骨ラーメン店がオープンしました。
豚骨ラーメンは個人的に大好きです。
実はこのお店が開店した場所は、これまで開店したかと思うと撤退する、
と開いた店が長く続くことのない場所でした。
そこへようやっと借り手が現れたようで
「こんな状況下でオープンとはさぞ大変だなぁ、でも折角だから繁盛すればいいなぁ」
「今度のお店は続くといいなぁ」
と心の中で感じていました。
いつか自分自身も訪れることを期待しながら(いつもはお弁当を携えているので外で食べたりすることは、そういった理由からもなかなか無いのです)…。
お店が開店してまもない頃に、前を通りがかると、まだその日の営業開始直前の時刻だったでしょうか。
御祝いの多くの胡蝶蘭に囲まれた店先には数十人の列が出来ていました。
暑い最中に並んででも食べたくなるほど、楽しみにしていたお客さんが大勢いたのだな、と嬉しい気持ちになりました。
そしていずれタイミングが合えば行ってみたいな、という思いが強まりました。
やがて長雨が続きその後、暑い夏がやって来ました。
数ヶ月経過して…
このところ、店の前を通りがかるとその度に気になる光景があります。
店の窓際に飾られた開店祝いの胡蝶蘭の鉢植え。
そこには贈り主の札も挿さったまま。
しかし、
それらの胡蝶蘭が、なんとも無残に枯れてしまっているのです。
さらに幾週にも渡ってその惨状が放置されているのです。
営業は続いているのにも関わらずです。
気品高く佇む美しい胡蝶蘭であるが故、コントラストが大きくなりすぎるからか、哀れな姿ほど悲痛さが痛烈に胸に刺さってくるのです。
店内といえど絶えず夏の容赦ない日光に晒され続けていたのでしょう、水も注がれることもなく。
お店の方からすれば、
繁盛して猫の手も借りたいほどの忙しさに追われ、気掛かりながらも手が回らなかったのでしょうか。
きっとなんらかの御事情はおありでしょう。
ただお贈り下さった方がこのお花の姿をご覧なったらどのように思うでしょう。
現になんの繋がりのない私も非常に残念に感じているのです。
その想像力がないのならば、
たとえどんなにラーメンが美味しくても
私には気持ちよく暖簾をくぐろうという気にはなりません。
ですから私の外食活動復活リストのなかへは、今後もこのお店の名前が挙がることはないでしょう。
この大変な状況の折に、わざわざ祝って下さった方への非礼が、後で必ずや返って来てきっと後悔することに繋がるでしょう。
またこの場所が空き物件へと戻る日は、そう遠くないのかもしれません。
食べぬままではありましたが、さようなら。
おしまい
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投稿当初、結城 熊雄 (くまお)さんの募集企画に面白そうでしたので参加致しました。
その後、以下の記事にて御紹介いただきました。
企画終了しましたので、よろしければスキお願いいたします。
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