誤りが寧ろ理解を定着させる〜ドラクエと化石発掘〜
いつしかルーティンに
リモートワークの日には、幼稚園から帰った子と散歩に出掛けたりすることも増えました。
その道中、子供はコンビニに寄りたがり、いつしか勝手に「ルーティン化」しているようです。
子供の目的は「おやつ」であり、あわよくば飲み物までもゲットしたいのが魂胆。
私はというと、棚の品揃えから商品のムーブメントや新製品探しが出来るのでまぁwin-winといえばそうかもしれない。
その日、子供が希望したのは『キャラパキ 発掘恐竜』
というチョコレート菓子。
本商品は、中に入っている板のチョコレートの中にホワイトチョコレートで恐竜がかたどられています。
食べ方としては周囲のチョコをポキポキと折りながら食べて、恐竜の形に上手くホワイトチョコを残す。これを発掘というわけですね。
素敵な発想ですね、実に。
手で作る「型抜き」のようなものです。
「型抜き屋さん」といえば縁日の風物詩で、上手く完成させると景品やところによっては現金が貰えるとあって祭りのたび盛況でした。なかなか上手くやれずに苦労したものです。
北欧の企業か
閑話休題。
この日発掘された恐竜は、『ランフォリンクス』でした。
翼竜の一種のようですが、翼竜といえば「プテラノドン」一択というほど、恐竜に疎い私としては初めて聴く単語でした。
ランフォリンクス…。
北欧系のお洒落高機能家電メーカーと言われてもしっくり来ます。
あるいはMacのガジェットを扱うサードパーティというのでも悪くありませんね。
私が恐竜に疎い理由は、以前も述べましたがリアリティに欠ける点でした。
もちろん、進化の観点から生物を研究する方針で調べていくと、系統樹上には恐竜も登場してくるので、どちらかというとロマンを感じる夢のある世界だと今は理解出来ます。
とはいえ、幼少からの知識が基盤にないので、好奇心優先とはいかず、お仕事チックになってしまうことが子供時代の恐竜好きとはチョット違う。
ランフォリンクス
しかしここで出逢ったが何かの縁。「このチャンスを活かさねば」とばかりに、家にある子供の恐竜図鑑を拡げました。
ランフォリンクス【くちばし状の鼻】大きくて、先細りした鼻面をしています。前方につき出てカーブした歯は、両あごの歯が交差するようになっていました。つばさの筋肉のつく胸骨が発達し、飛ぶのは得意だったでしょう。 〜小学館の図鑑NEO 恐竜〜
するとランフォリンクスは、翼竜のなかでも長い尻尾が特徴であることを知りました。
あの名作ゲームのモンスター
ググっていると、ドラゴンクエストに「プテラノドン」というモンスターが登場していたことを思いおこされました。
実はこのドラクエのプテラノドンは、長い尻尾があるのです。
しかし図鑑などでみると私の知るのは一択であった翼竜「プテラノドン」は、長い尻尾がありません。さらに頭にトサカなようなものがあります。
『小学館の図鑑NEO 恐竜』によりますと、翼竜には大きくランフォリンクス類とプテロダクティルス類の2つのグループに分けられるそうです。ランフォリンクス類は、長い尾を持ち、三畳紀からジュラ紀まで生きており、プテロダクティルス類は、尾が短いタイプで、ジュラ紀後期から白亜紀後期まで生きていたそうです。2つのグループはそもそも生息していた時代が違うのですね。
プテラノドンは、プテロダクティルス類に含まれますので、ランフォリンクスとはグループが異なることになります。
恐竜博士は気づいていたか
当時でも巷の少年少女恐竜博士はこの相違に気づいたハズです。
あいにく私の周囲にはそれを話題にする恐竜博士はいなかったのか、或いは私自身にそのネタ自体を聴き入れて理解出来るようなレセプター(受容体)が当時から無かったからなのかもしれません。
いずれにしても今更ながらに私は、驚愕の事実を知ったわけであります。
しかし私は別に、「ドラゴンクエストよ、モンスター開発にはしっかりとした科学的根拠を担保せよ」などと申すつもりは毛頭ございません。
おわりに
間違う経験がある方が、エピソードとして鮮明に残るので、結果として記憶に残りやすいことがあります。
今回、ドラクエの一件によって、ランフォリンクスは尾が長く、プテラノドンは短いという決定的な違いを知ることが出来、それはおそらくもう忘れることもないでしょう。
子供の「おやつ」から始まった私自身の無知。それをそのままにするのでなく即座に調べたことによって新たな世界が開けたのだと、せめて自分自身で賞賛しておこうと思います。
おしまい
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