ポケモンの択はモンティ・ホール問題になるのか
こんにちは。最近ネタがなかったため素直にゲーム自体を楽しんでいたぴらんです。Twitterで面白そうなネタを受信したため久し振りの投稿になります。
要約
ポケモン対戦における択とモンティ・ホール問題について比較し、違いについて解説しました。また違いの原因になってる要素について考察し、モンティ・ホール問題っぽい問題が生じるとすればどのような択の時かを考察しました。
はじめに
先日Twitterで面白そうな問題が話題になりました。
ポケモン対戦で生じる交換択がモンティ・ホール問題と関係あるかも?!という数学好きかつポケモン好きにはたまらない話題です!
結論からいうと最初のツイートではモンティ・ホール問題とは異なる構造になっているのですが、少し条件に修正を加えるとモンティ・ホール問題のように出来ることがわかります。今回の記事ではポケモンに詳しい人と数学に詳しい人どちらにも伝わるようにモンティ・ホール問題と今回の交換択について軽く解説を挟んだ後、モンティ・ホール問題とはどのように違うのか?どうすればモンティ・ホール問題ぽくなるのか考えていきたいと思います。
モンティ・ホール問題とは
事後確率といわれるものに関する有名な例題で、正解を述べるとドアを変更しない場合正解率は1/3に対し、ドアを変更すると正解率が2/3になってしまうためドアを変更した方がオトクになるという問題です。
ここで注意しなければならないのは「選択肢を選ぶ→ヒント→選択肢を変える」という順番だけみて「ヒントを見た後に選択肢を変えればいいんだな」と思ってしまうのは危険だということです。この問題はヒントの出し方がかなり特殊で、最初に選んだ扉と選ばなかった扉のうち選ばなかった扉の方だけ当たりやすくなるようにヒントを出しています。「扉を選ぶ→選ばなかった扉にヒント→ヒントが出て当たりやすくなった扉を選ぶ」の結果として「ヒントを見た後に選択肢を変える」がオトクになってるだけなので、ヒントの出し方次第でなんでもかんでも選択肢変えればいいぞとはならないことに注意が必要です。
また、今回の問題との比較を考える上で重要な差異として、扉を開けたあとも正解の扉の位置は変わっていないことには注意しておく必要があります。
ヤギの扉を一つ開けるのはあくまでヒントであって、最初に車を隠した場所を聞いている問題が最後まで続いています。
今回の交換択についての解説
ポケモンにはこだわりメガネ、こだわりスカーフ、こだわりハチマキというアイテムがあり、これらを持つとめっちゃ強くなる代わりに同じ技しか出せなくなります。また、守るという技もあり使ったターンの攻撃を無効化します。
そのためこだわり持ちの攻撃を守るで一度無効化すると次ターンに使われる技がわかるのでその技に強いポケモンに交換する、というのが定石として成立しています。また、それをさらに読んで拘り側が攻撃せずに交代する、という選択肢を取る場合もありえます。
この時、拘り側の行動を見ると1T目:攻撃→2T目:交代と相手の守るをみたことにより行動を変えており、これがモンティ・ホール問題の「扉を一つ開けたことにより選択肢を変える」に似ているのではないかというわけです。
元ネタの議論↓
二つの問題の違い
モンティ・ホール問題の章で解説したようにモンティ・ホール問題=「ヒントを見た後に行動を変える」ではありません。同じような構造になっているかどうか詳しくみる必要があります。
二つの問題の重大な違いとしてポケモンの場合は守るを選んだ後でも相手は交代するか攻撃するかを変えることが出来るということがあります。つまり拘り側がどのような行動をとれば正解になるかは2ターン目では新たに設定されなおすことになります。
一方モンティ・ホール問題では正解の場所は最初から変わっていません。
比喩的な言い回しになりますが、モンティホール問題は最初の問題に対してヒントを与えただけでその結果として選択肢を変えるのがオトクになったのに対して、ポケモンの技選択の択は一度第一問を取り消した上で正解が逆になるような第二問を出しているような状況になっており、「選択肢を変える」というのが同じでもそのプロセスはかなり違うことがわかります。
以下作ったはいいけどあまりわかりやすくならなかったかもしれない図。供養。
モンティ・ホール問題ぽくするには?
ではモンティ・ホール問題にはならないのでしょうか?二つの問題で重要な違いは相手が技や交代するかどうかを守るの後も変更できた点でした。つまり守るの後も変更できないような違いが原因になっている択ならモンティ・ホール問題っぽくなるはずです!
ポケモンにおいて対戦中に変更できない要素としてポケモンの型があります。持ち物や覚えている4つの技は対戦中に変更できないため型が原因になっている読み合いではモンティ・ホール問題ぽくなりえます。
相手が型Aだったらこっちはaという行動をとる、型Bだったらこっちはbという行動をとる、型Cだったらこっちはcという行動をとるという状況において相手が守るすることにより型Aではないという事がわかったとします。
この時初手でaを選んでいたら守るによりaではないことがわかるため2T目では行動をbかcに変えるのが正解になります。
モンティ・ホール問題と完全に対応させるには「選ばなかった選択肢のうち片方の型ではないことがわかる」というヒントの出し方が必要なため完全にモンティ・ホール問題になったわけではありませんが、少しはモンティ・ホール問題に近づいたかと思います。
まとめ
相手の技読みや交換読みの択ではターン毎に相手が択を選びなおすためモンティ・ホール問題にはなりません。一方で型読みによって生じる択は相手が対戦中に型を変更できないためモンティ・ホール問題と似た構造になり、相手の技を見てから選びなおすと勝率が上がるということがありえるといえます。
引用・参考文献
Wikipedia モンティ・ホール問題
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C
終わりに
いかがでしたか?「選択肢を途中で変える」といった結果は一緒でも中身はだいぶモンティ・ホール問題とは違ってくることが伝わっていれば嬉しいです。
また、後半ではモンティ・ホール問題っぽくなる条件についても考えてみました。完全に同じ問題にこそなりませんでしたが、型読みの択ならだいぶ近いものになるんじゃないかと思います。
議論は歓迎です。数学方面、ポケモン方面どっちの方の有識者でも(有識者じゃなくても)何かあったら棍棒もって@pyran19までご連絡ください。
ではまた~~