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合格発表の日のコンビーフカレーはひたすら温かかった

大学受験はほぼ一発勝負でした

 今になって思うと、大学受験は私にとって、人生で一番チャレンジしたときだと思うのです。

 それまでは、なかなかに抑圧された人生を送っていて、働いてお金や専門性を身に着けて、この環境を出たいと思っていました。

あとがなくなった大学入試

 そして受験の日。3校受験していて、すべり止めだった大学には合格していたのですが、本命の後に受けたもう1校の方は「あ、こりゃ駄目だわ」と思うような出来栄えでして。

 要はすべり止め→本命→チャレンジと3日連続で受けたら、チャレンジの方で完全に体力切れを起こしたんですね。

 つまり、後がない。

本命は幸いにして手ごたえはかなりあったのだけれど、
それでも自分にとってはギリギリのラインだった
人生の岐路に立たされた感じ

合格発表の日。合格の女神は舞い降りた

 で、大学入試の合格発表の日。当時はWebでの発表なんてなかったわけですが、結果としては合格したわけです。

 当時覚えているのは、ひたすら呆然としていたことです。

なんというか、疲れてて、呆然としてて、喜びや悲しみがあふれる世界の中で
大学の近くにあった玉川上水の近くを歩き回っていました
完全に不審者

 で、さすがに本命の発表の日くらいは母親も気になったらしく、勤務先に電話してくるように言われてたんですよね。

 携帯なんてなかったから、近くの公衆電話でかけたのですが「よかったわね。とりあえず帰っていらっしゃい」と、いつになく優しい声に、やっと現実に帰りました。

その日の夕食は、コンビーフカレー

 そして、記憶はそこでワープして、自宅に戻ります。どうやって返ってきたのか覚えてないの(笑)

 で、自宅に帰るといつものことで両親は仕事でいなかったので、犬の散歩や家事などをして、しばらくすると母親が帰ってきたわけですが。

 「よかったわね。今日はカレーよ」と。

 出来上がったカレーを見て、ちょっとびっくりしました。
 肉も具もあまり見えなかったから。
 結局コンビーフと玉ねぎ、ジャガイモとニンジンがちょっとずつ入ったカレーだったわけですが。

 でもぐったりしていたから、いつものカレーより温かくて、食べやすくて。ほっとしたのを覚えています。

カレーっていうとこんなイメージじゃないですか。
しかも大学合格とかだから、もうちょっと良いものだと思っていた

 で、後で聞いたんですけれど、受験当日ぐったりしていた私の様子を見て「あ、こりゃ駄目だわ」って思っていたらしいんですよね。

 なので、あまりお祝いモードにしておくとダメだった時に気まずいし、温かいもので、食べやすくて、かつ仕事が忙しかったんでありもののコンビーフ缶でカレーにしたと。

 いい話だと思ったら、不合格だった時対策じゃねえか。

 といういらん落ちになるわけですが、そしてその後私は情シスという全然関係ない道に行くわけですが。。。

 あの日のカレーのことは、きっと忘れないと思います。



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