講演の仕事に備えての雑記
そろそろ真面目に仕事しないとな。
今月、母校で「報道が排除するもの」を題目に、北朝鮮を絡めて約1時間話す。オンライン授業だ。松本ハウスのハウス加賀谷さんに色々オンラインの話し方のアドバイスをもらった。
ところでコロナがぼくたちから奪った一番大きなものはなにか。それは体験ではないか。イザベラ・バードがいた19世紀と違い、今は体験を補う以上の文献と、ネットの検索を活用することで、ぼくたちはある程度、知ったかぶりを決め込むことが出来る(ような気がする)。その反面体験の機会を相当喪失していることに気づかねばならない。
例えば海外旅行なんて今や、とんでもないぜいたくだ。格安航空券なんてもう出回らないのではないだろうか。
そんな今こそ体験をする。発信する。バードの時代への回帰が必要ではないか。
Beforeコロナという時代は、もしかするともう、昔話になってしまうのかも知れない。これからぼくたちは外を出る時にはマスクを必ずすることが当たり前になってしまう。終電まで痛飲し、高歌放吟したのももはや…。
バブルのころはさぁ、タクシー止めるのにみんな1万円札を振っていたんだぜ。就職活動なんてすぐ内定が出て、研修でハワイ旅行に行ったなんてバブル世代のおっさんの話を氷河期世代のぼくらが聞くように。Beforeコロナの話を若者は聞くのだろう。
北朝鮮も同じだ。実質上のナンバー2である、第一書記というポストが出来て、金日成、金正日両氏の名前が大きく減らされたという。指導者から党へ、国の指導体制が変わる転換点にあるかも知れない。
ぼくが見た04年の北朝鮮。未だ苦難の行軍の香りがここかしこにあった平壌の風景もガラッと変わっている。いつか平壌のカフェで、エスプレッソを飲みながら2004年の平壌の話をしたら、女性接待員は「そんな昔の話、どうでもいいじゃないですか」と鼻白むのかも知れない。
しれっとそんな苦しい時代のことは忘れ、いつか平壌にもスターバックスとマクドナルドが出来るのだろう。今の体制ががらりと変わり、いわゆる普通の国に近づくのかも知れない。一方でぼくたち趣味者を強烈に引き付けた、独特の魅力と引力は弱まり、ぼくは北朝鮮への関心を失うのだろう。
でも誰かがあの時の空気を伝えなければならない。伝え続けなければいけない。平壌の街が漂う独特な空気。常に横にある緊張感。あの時代に北朝鮮の地を踏んだ数少ない日本人として。
という話をすればいいのかな、と考えている。
■ 北のHow to その113
最近面白く聞いているのが、80年代の在日コリアンの話。ビーバップハイスクールの時代です。あの頃イケイケドンドンだった在日の人たちの体験談は飽きません。
在日の世界がこれだけ面白いのだから、ソ連がまだ元気だったころの北朝鮮のイケイケドンドンぶりも聞いてみたい。
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