【エルデンリング】狭間の地の武器ギャラリー29.~貪欲の毒牙~
こちらは、エルデンリングに登場するさまざまな武器デザインを紹介する記事です。
今回は火山館編、後編です。
「蛇」に焦点を当てて紹介します。
ネタバレにはご注意ください
溶岩刀
ゲルミアの溶岩を刃となした曲剣です。
火山館、蛇人たちの武具です。
「刀」とありますが、カテゴリは曲剣です。
片刃の剣という意味では刀でも間違いはないですね。
赤くどろりと融けた溶岩を、鋭い刃に成形する技術。
これは人の身には成し得ぬ、蛇人の技術のようですね。
鍔のない独特な柄は金色で、色とりどりの宝石が散りばめられています。
獲物を丸ごと飲み込む蛇は、過去作「ダークソウル」の頃から貪欲さの象徴として描かれていました。
それは今作でも変わらず、豪奢な柄の装飾はその暗示なんでしょうね。
専用戦技「溶岩撒き」はモーションこそ曲剣の汎用的な戦技「回転斬り」と同じですが、斬撃とともに周囲に溶岩をまき散らす効果があります。
やはり、この武器は何らかの魔術的な加工によって刀身の形を留めているだけで、本来は液状になっているみたいですね。
まき散らしすぎたら刀身がなくなっちゃうかも?
ちなみに、この武器は蛇人からのドロップで入手できます。
冷めきった黒い岩刀ではなく、ちゃんと赤熱しているものを狙いましょう。
溶岩鞭の燭台
ゲルミアの溶岩を用いた呪具です。
こちらも蛇人たちの得物です。
責問燭台といい、ロウソクの見た目が好きですね。火山館。
見た目だけでは何の武器か見当もつきませんが、名前のとおり鞭カテゴリに属する武器です。
固められた炎姿の溶岩、これが振るう時だけ長くしなり、鞭として使えるというわけです。
原理としては上記の「溶岩撒き」と似たような感じでしょうね。
ただし、こちらは液体までいかずに飴状止まりです。その分、より高度な溶岩の制御がなされていそうですね。
溶岩刀もそうですが、柄頭のあたりには曲がったトゲの意匠があります。蛇の毒牙がモチーフでしょうか。
内側に向かって曲がっているので、握りこんで刺さらないようにお気をつけて。
専用戦技「溶岩の海」は溶岩の鞭を大きく振り回し、一時、自分の回りに溶岩の海を生じる技です。
ボタンを長押しで入力している間は鞭を振り続け、周囲に溶岩が広がっていきます。
こんな量どこから湧いてきてるんだ。
蛇人の盾
丸く膨らんだ、赤銅色の小盾です。
蛇人たちが用います。
珍しく溶岩に関係のない装備です。
ただ、赤みがかった金属である銅でできているため、なんとなく炎を連想させる色味になっていますね。
真ん中に大口を開けた蛇を配した大胆なデザインです。
かわいいですね。
ところで、蛇って舌の先端が二又になっているんですよね。
これは蛇が匂いを感じるための器官、ヤコブソン器官に関係するそうです。
ヤコブソン器官は口の中にあり、蛇は舌を出し入れして空気を送ることで匂いを感知するんですね。
さらに、ヤコブソン器官は左右で分かれています。左右別々に匂いを送り、その方向を区別するために舌が二又になっているんですね。
ちなみに、人間の舌も実は二本の筋肉がくっついた構造になっています。
真ん中でちょん切れば、左右別々に動かせるようになるらしいですよ。スプリットタンっていうんですって。
盾の外周にも長い蛇がうねうねと這っています。
世界を取り巻いてなお自らの尾をくわえるほど巨大な蛇、世界蛇を彷彿とさせますね。
ライカードも「世界を喰らう蛇」を幻視したといいます。
目標が高くて大変よろしい。
小盾の中では炎カット率が高くなっています。
なんでも、溶岩で鍛えられたんですって。
……やっぱり溶岩、関係ありましたね。
ゲルミアの輝石杖
二又の先端に、赤い輝石を埋め込んだ杖です。
蛇人の魔術師が用います。
見るからに金属製の杖ですが、なんとカテゴリ内最軽量の重量2.5です。なぜ?
先端は二又になっています。蛇の舌がモチーフでしょうか。
埋め込まれた赤い輝石は、例のごとく溶岩に由来していそうです。
この杖をドロップする蛇人の魔術師は1体しかいません。
それも、火山館の一番奥にいます。
卵の殻をかぶっているのが特徴的です。
玉座のような椅子に鎮座しているあたり、ある程度高位の役職だったんでしょうね。
となると、卵は冠のようなものでしょうか。
この杖は、ゲルミアの溶岩の魔術を強化します。
溶岩魔術の紋章は、蛇と化したライカードが描かれているんですね。
溶岩の魔術は知力だけでなく、信仰によっても威力が上昇します。
この杖自体にも信仰補正がありますし、溶岩刀や溶岩鞭の燭台も信仰で炎攻撃力が上がります。
彼らは一体何を信奉していたんでしょうか。
蛇骨の刀
蛇の骨を模したという異形の刀です。
火山館からの依頼をこなすと報酬としてもらえます。
骨……はあくまで「模した」だけで、蛇の骨の実物ってわけじゃないんですね。
たしかに蛇の骨なんて節だらけのイメージです。こんなに長い刀なんて作れませんよね。
でも、普通の金属にも見えません。いちおう何かの骨素材なんでしょうか。
目を引くのは峰にびっしりと生えそろった逆棘です。
蛇のあばら骨のイメージでしょうか。
先のあたりには緑色の毒液が塗られており、相手に猛毒を与えます。
この猛毒はほかの毒と違い、秒間のダメージが大きい代わりに持続時間が短いという特殊なものです。
この毒液はおそらく本物の蛇の毒なんでしょうね。
鍔はかなり特殊です。だ円形のいわゆる普通の刀の鍔ではなく、蛇が絡みついたような意匠です。
レイピアのスウェプトヒルトに通ずるものがありますね。
よく見ると、ちゃんと蛇の頭もあります。
ぷくっとしていてかわいいですね。
鞘は黒い蛇革です。
落ち着いた色合いながら細かなウロコ模様のケレン味が効いています。若草色の紐もグッドですね。
この革は刀身に塗られた毒液の主のものなんでしょうか。
……にしても、あんなトゲトゲの刀、よくすんなり納刀できますね。
ちなみに、強攻撃モーションは固有のもので、素早い二連撃を放ちます。
固定戦技も「二連斬り」ですね。
毒蛾は二度舞う、毒蛇は二度咬む、といった感じでしょうか。
蛇弓
二匹の毒蛇を象った異形の弓です。
廃棄洞窟で入手できます。
廃棄洞窟はケイリッドの洞窟ですが、火山館に由来する人さらいの乙女人形が多数廃棄されています。
ケイリッドを治めていたラダーンはライカードと兄弟でしたから、プレゼントとして贈られていたのかもしれませんね。
二匹の蛇が象られているということですが、この距離だと少し見づらいですね。
こっちのほうが見やすいですね。めちゃくちゃに絡み合っています。
目とか口とかもしっかり彩色してあって、意外とリアルですね。
長弓にしては小型で、重量も3.5とカテゴリ内最軽量です。
また、攻撃力はそこそこの代わりに、矢に毒性を付与する効果を持っています。
これは別に弓に毒が塗ってあるわけではなく、異教の呪術によって毒を付けるらしいです。なんてバイオな呪術なんだ。
実際、神秘によって毒の蓄積値が増加するので、呪術的な毒なんでしょうね。
……余談ですが、この弓で出血矢や睡眠矢を射る場合、毒以外の蓄積値にも神秘補正がかかるそうです。
状態異常用の弓として活躍できるかもしれませんね。
蛇弓とセットで用いられる矢がこの毒飛蛇です。
どくひじゃ? どくひだ? なんて読むんでしょうか。
太すぎるうえにねじれたシャフト、無い矢羽、先端には矢じりではなく蛇の顎と、かなり攻めたデザインですね。
言わずもがな、先端には毒(猛毒ではない)が塗られており、蛇弓で射ることで真価を発揮します。
この弓矢は専ら暗殺で用いられ、使い手は「姿なき蛇」と呼ばれているんだとか。
か、かっこいい……
やっぱり、王都の要人とかを殺していたんでしょうか。
ちなみに、飛蛇、トビヘビというのは実在します。
南アジアや東南アジアの森、樹上で生活をする蛇です。
肋骨をひろげ、胴体をS字にくねらせながら滑空し、木から木へと飛び移るんだとか。
毒は持っているものの、弱い毒なんだそうです。
蛇神の曲刀
古い蛇神の象られた曲刀です。
古遺跡断崖で入手できます。
鎌首をもたげて大口を開けた蛇の形をしていますね。
柄にもとぐろを巻いた蛇の意匠が見て取れます。
これはゲルミアの失われた信仰、その祭具だといいます。
ライカードは失われた蛇信仰を再興させたということでしょうか。
よく似た形の剣が現実にもあります。
インド北部あたりの地域で用いられた、ラム・ダオというものです。
こちらも儀礼用の刀剣で、なんと生贄の儀式に使われたそうです。
斧のように分厚い刀身は、生贄を一撃で仕留めるためのものなんだとか。
こ、こわ~……
この蛇神の曲刀も生贄の祭具であり、敵を倒すことで体力を回復する効果を持ちます。
蛇神さまが喜んでるんですね。
分厚い見た目のとおり、曲剣にしては珍しく筋力補正が高めです。
一思いに生贄を捧げてやりましょう。
世界喰らいの王笏
世界を喰らわんとする大蛇の王笏です。
背律者ベルナールの得物です。
数多の手に支えられた球体の世界。それに巻き付き、頭から喰らわんとする大蛇の姿。
それは、同じく大蛇に喰われたライカードが臨死に垣間見た、未来の幻視だといいます。
食べられるときは「これで世界とったるぞ!」と意気込み十分だったわけですね。
冒涜の君主がいつか掲げるはずのそれは、今はベルナールに託されています。
彼もまた王たる資質を備えた英雄でしたが、そんな彼を信頼してのことでしょうか。
もしかしたらライカードは心のどこかで、自分はもう君主になれないと思っていたのかも……?
炎攻撃力を持ち、信仰によって補正がかかります。
火山館の蛇人たち、彼らはゲルミアの地に古くから息づき、そして忘れられた大蛇の神を信仰していたんですね。
専用戦技「世界喰らい」は魔力を込めた王笏を地に据え、周囲すべての敵から体力を奪う技です。
体力の吸収という性質が、蛇の貪欲さを物語っていますね。
赤い波動は炎で、やはり信仰で威力が上がります。
この力を得ることで、ライカードは黄金樹を焼こうとしていたんでしょうか。
冒涜の聖剣
冒涜の君主、ライカードの聖剣です。
彼の追憶から入手できます。
なんていうかもう、ぐちゃぐちゃ。
それに尽きますね。
うごめいているのは、蛇となったライカードが喰らった英雄たち、その亡骸です。
人が持てるサイズになって、亡骸も小人サイズになってしまいました。
もはや剣と一体化しているんですね。
名前とは裏腹に聖性を持っているわけではないですが、信仰によって炎攻撃力が強化されます。
また、敵を倒すことで体力を回復するのも、蛇となった彼の性質を反映していますね。
火山館にあるライカードの肖像画には、「家族」がこびりつく前の剣が描かれています。
元の刀身は黄金のようですが、じつは黄金樹に由来するものだったのかも?
「冒涜」とは、それを大蛇に喰らわせて力を奪うことだったのかもしれませんね。
専用戦技は「略奪の炎」です。
剣を掲げて冒涜の炎を燃やし……
叩きつけとともに前方へ放ちます。
炎を敵に当てることで、その体力を奪います。まさに略奪。
炎のエフェクトは「世界喰らい」と同じですね。
これが蛇神の「聖性」の証ということでしょうか。
指輪指
重い指輪を幾つもつけた、大指の槌です。
ゲルミアの英雄墓に眠っています。
指輪をはめた指、だから指輪指。
そのまま千切ったみたいで、骨がそのままついてます。
ちょうどよく柄になってくれてますね。
話によれば、ユビムシの祖から切り取ったそうです。
これがユビムシ。
機敏な動きと重い一撃に苦労した方も多いんじゃないでしょうか。
……でも、「ユビムシの祖」とは?
巨人たちの山嶺には大きな個体が生息していますが……。
と、ここで、知人がこんなことを言っていたのを思い出しました。
「ユビムシってライカードの手みたいだよね~」
いやいやそんなまさか……。
あっ本当だ!!!
色褪せた多指にたくさんの指輪、完全に一致しています。
指輪指にあった認印指輪のようなものもありますね。
思えば、ゲルミア火山にカーリアの城館、巨人たちの山嶺……。
カーリア王家に関係のある場所にはユビムシがいました。
もしかするとユビムシの祖っていうのはライカードのことなのかもしれません。
この指輪指も古い冒涜の遺産といいますし。
……え? 王都ローデイル? い、忌み捨ての地下?
あ、あぁ、そういえばそんなところにもいましたね、ユビムシ……。
余談ですが、敵対状態にないユビムシには指輪がありません。
こちらを見つけると瞬時に指輪が現れます。
なんででしょうね。
専用戦技は「爪弾き」です。
指を曲げて構えると……。
ドン!!!
なんと指が巨大化します。
そのまま弾みをつけて、
バチンと弾き飛ばします。
なんて豪快なんだ。
でも、指先ってたしか筋肉が存在しないんですよね。
どうやって指を曲げてるんでしょうか。
大蛇狩り
大剣でもあり槍でもある武器です。
いわゆる剣槍というやつですね。
その巨大な穂先からもわかるように、重量は12.0と大槍カテゴリでは最大です。
また、最大強化では筋力補正もAにまで上がります。
なぜか必要能力値も存在しないので、筋力キャラ大助かりですね。
……なんちゃって。
とぼけるのはここまでにしましょう。
この槍はその昔、不死の大蛇を狩ったとされる槍です。
つまり、どっちかといえば火山館よりも黄金樹に近い武器なんでしょうか。
ライカードが自らを蛇に喰らわせたとき、その心もまた下卑きった貪欲に喰らわれました。
騎士たちは、彼らの主がもはや主でなくなったことを悟って、蛇を殺すための武器を探し求めたんですね。
騎士たちの望みは叶いました。
この武器は大蛇、神喰らいの大蛇やライカードと対峙した際に真の力を発揮します。
現れた巨大な光の刃は渦巻く風を伴い、敵の巨体を貫きます。
強固な鱗をものともしないその威力は、まさに大蛇を狩るための武器といって差し支えないでしょう。
専用戦技の名前も「大蛇狩り」。
大きく力を溜めて……
渾身の突きを放ちます。
光とともに渦巻く防風は知を抉らんばかりです。
追加入力で、さらに突き上げへと派生します。
かなりの威力で、ライカードを確実に怯ませることができます。
ただし、溜め時間が長いのと、怯んでからしばらくの間は再度怯むことがない点は注意。
冷静に敵の動きを見極めて、全力で穿ちましょう。
今回は以上となります。火山館の中核、蛇に関係する武器を紹介しました。
次回は大型の盾と、松明について紹介します。
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