【エルデンリング】狭間の地の武器ギャラリー28.~弓引く者たち~
こちらは、エルデンリングに登場するさまざまな武器デザインを紹介する記事です。
今回は火山館編、前編です。
館に集う人々に特に焦点を当てて紹介します。
ネタバレにはご注意ください
獣紋のヒーターシールド
金属製の中盾です。
なんか、「今回の記事で紹介する!」とメモがあったので紹介します。
今となっては理由が思い出せませんが……おそらく、戦学びのボロ家近くで入手できる点からだったと思います。
ベルナールとの関連を見た感じですね。
彼の鎧にも獣が象られていたりしますしね。
ヒーターシールド系列の中ではガード強度が高く、序盤で入手できる割に使いやすい性能です。
もちろん、物理カット率も100%。安心ですね。
この盾のフレーバーテキストにも、「戦学び」らしいことが記されています。
し、沁みる~
馬紋のウッドシールド
縦に長い、木製の中盾です。
パッチが販売しています。
ウッドシールド系列では唯一「戦技なし」の盾です。
魔力カット率が高めなのも特徴ですね。
馬の紋章。これはおそらく、過去作「ダークソウル3」のセルフパロディと思われます。
「パッチ」というキャラクターは2008年発売のソフト「アーマードコア フォーアンサー」での登場を皮切りに、歴代のフロムソフトウェア作品にたびたび姿を見せています。
「ダークソウル3」にも「不屈のパッチ」として登場し、そんな彼の販売する指輪が「馬脚の指輪」というものでした。
パッチといえば騙し討ち、背後からの蹴り落としですよね。
この指輪は、そんな彼の代名詞ともいえる技を強化するものでした。
「馬脚をあらわす」とは、隠していた本性、悪事が明らかになることのたとえです。
その「馬脚」と、馬の後ろ蹴り。ダブルミーニングでもって、パッチという男の性質を見事に表したアイテムだったんですね。
……の、セルフパロディ。
かなり遠回りになりましたが、そういうことなんじゃないかと思います。
これからもパッチの活躍に乞うご期待!
名家の大盾
豪奢な装飾の施された大盾です。
アルター高原の世捨て商人が販売しています。
「名家の子息たちが用いるもの」とのことです。
商人も販売しているあたり、高級である以外には特にいわれも無いようですが……
1人、作中でこれを装備している人物がいます。
後に火山館の一員となる男、ディアロス・ホスローです。
ホスロー家は「名門」と称されるだけあり、こんな立派な盾をあつらえるだけの財力もあったんでしょうね。
頑強な守りを誇るこの盾は、しかし時に嘲笑の的となりました。
曰く、盾は大き過ぎる、使うものは臆病者だと。
臆病者。
それはディアロスにとって、単なる誹り以上の意味を持っていたでしょうね。
名門、ホスロー。「血潮で物語る」との家訓は、まさにその家がどんな名門であったのかをこれ以上ないほど雄弁に物語っています。
そんな家に生まれた二人の兄弟が、ユーノとディアロスでした。
兄ユーノは寡黙ながら才に優れ、そんな彼に弟は尊敬と憧れを抱いていました。
「いつか私も、血潮で物語るホスローになるのだ」と。
現実はどうでしょう。残酷なものです。
兄との対比に常に晒される彼は無能の烙印を押され、輝いた眼で雄弁に語る夢は、「口先ばかりの意気地なし」。
右手に武器、左手に盾。大いに結構なものです。
何よりも実戦的ではありませんか。
しかし、彼の生まれ、育った環境が、その姿を「臆病者」たらしめました。
優しい心、高潔な精神。
ただ力のみ及ばぬがゆえ、己を守るための盾は、翻って自らを苛む十字架と成り果てたのでした。
……彼についてはもう少し語りたいのですが、もうそろそろ何の記事かわからなくなってきそうなのでこの辺にしておきます。
臆病上等、強固な守りで手堅い戦をしましょう。
ホスローの花弁
名門ホスローに伝わる、工芸品のような得物です。
ユーノ・ホスローはこれを二刀(?)で用います。
銀鉄で作った花弁の刃を、鎖のようにつなげた武器です。
荒くれ者が鎖を武器に振り回すシーン、時々見かけますが言ってることはそれと同じですね。
柄や護拳の部分は赤い宝石で装飾されています。
この石はホスローの鎧にも使われていますが、血潮のイメージなんでしょうか。
金属や宝石を使っているだけあって、重量はカテゴリ内最大の3.5あります。
とはいえ、じゅうぶん取り回しやすい軽さですね。
折り重なった刃のような見た目とは裏腹に、攻撃属性は打撃です。
この刃は出血効果として反映されています。
その家訓よろしく、血潮で物語っていきましょう。
ホスローは殺しの家系であろうことは想像がつきますが、それにしては宝石や花の装飾など、華美な印象ですよね。
流血を是とする考え方からも、暗殺稼業というわけではなさそうです。痕跡が残っちゃいますもんね。
処刑人……はマレー家ですし、意外と正体不明……?
ギーザの車輪
責問官ギーザが用いた責め具です。
彼を倒すことで入手できます。
もはや何の武器なのか分からないくらい奇抜な見た目ですが、特大武器に分類されます。
そりゃそうか。
大きな車輪に目が行きがちですが柄の方もなかなか奇抜で、蛇が絡み合ったような彫刻がされています。
火山館なので、いちおう蛇モチーフを入れておいたんですね。
大きな車輪に大小交互に連なった刃は、全部で16枚。
その一つ一つが鋸状、というかもはや櫛に見えるくらいギザギザ(ギーザだけに)に加工されています。
血糊が……すごいですね……。
強攻撃では、実際に車輪が回転します。
この時、ギザギザを押し付けるような方向で回っていきます。
独特な刃の形状は出血を誘い、また回転刃の攻撃は短い間に多段ヒットします。
鈍重な振りでありながら手数による出血の蓄積を効率的に行える、よく考えられた武器なんですね。
火山館はこれをよほど気に入ったか、後に人さらいの乙女人形にも象徴的武器として実装しています。
人さらうだけならこんな凶器必要か?
ところで、ギーザの役職である責問官とはどういう役割だったんでしょうか。
責問とは、責め立てて白状させること、あるいは単に拷問することを意味します。
警察をもっと残酷にしたような感じですね。
ふつう、拷問といったら相手を肉体的、精神的に痛めつけて情報を得るのが目的です。
なので、拷問に使う道具は「いかに致命傷を避けて最大の痛みを与えるか」とか「見た目はかなり凶悪だけど実際には見せるだけで使わない」とかそういったつくりをするはずです。
ギーザは普通に殺してきます。
でも、これは責問の失敗を意味しません。
狭間の地には黄金律があるので、殺しても生き返るんですね。
なので、何度も何度も惨たらしく殺して、心をどこまでも追い詰めていく、と、かなりドギツイ拷問が成立するわけです。
……「黄金樹に弓引く者」とか言っておきながら、黄金律を誰よりも活用している疑惑が浮上してきましたね。
ギーザ……。
専用戦技「車輪回転」は、地面を擦った勢いで車輪を高速回転させる技です。
ボタン長押しで、回転する車輪を敵に押しつけることができます。
動力はどうなってるんだ。
この動きには過去作「Bloodborne」に登場する武器「回転ノコギリ」のセルフオマージュが見て取れます。
当時は「ピザカッター」だの「芝刈り機」だの言われて大変恐れられたものです。
狭間の地でもこれを振り回して、邪魔者たちをバッタバッタと伐採していきましょう。
……もちろん、拷問に使っても良いですよ。
責問燭台
火山館の裏側で、貴族たちを傷めつけた責め具です。
火山館は地の底の責問所、その奥で入手できます。
燭台なので、槍カテゴリの中では比較的短めです。
そのくせ重量は7.5と重め。実戦を想定したつくりはしていないみたいですね。
手元を照らしてくれますが、松明やポールトーチに比べると明かりは暗めです。ロウソクですもんね。
見た目の通り、炎攻撃力を持ちます。
また、三又部分には「かえし」もついており、相手を出血させることができます。
これなら、ギーザの車輪よりはマトモな責問ができそうですね。
なんか2人とも楽しそうですね。
ちなみに、この武器はボス個体の乙女人形を倒すことで入手できます。
いずれはこれも人形の装備として実装する予定だったんでしょうか。
燻りの盾
ゲルミア火山で作られたという盾です。
火山館、溶岩地帯の遺体から入手できます。
モノにもよりますが、溶岩の温度はざっくり1000℃くらいと言われています。
この盾に使われているものはある程度黒く冷え固まっているようですが、それでもかなり、というか、とてつもない温度のはずです。
よく持てますね。
武器として使えば、炎属性の攻撃を与えることができます。
赤く燻るその溶岩は、ずっと冷めることがないそうです。
火山岩の蛇人は溶岩の武器を使っていますが、彼らには独自の溶岩加工技術があるみたいですね。
その熱気により、装備することで冷気に耐性を持つことができます。
実際には、頑健の耐性値が上昇している、という処理になるので、出血耐性も上がっています。
傷も即座に焼いて止血してくれる、ということでしょうか。
壺大砲
爆発にて大ボルトを撃ち出す、壺の大砲です。
ゲルミア火山、火山の洞窟で入手できます。
こちらは火山館の武器……ではなく、火山館攻略戦で使われる予定だった武器のようです。
火山館攻略戦の記録は火山の九合目、剣の石碑に残されています。
なんだかずいぶんとすごい戦いだったみたいですが、結局これを扱える者はいなかったようです。残念。
バリスタカテゴリは手持ちバリスタとこれの2つだけ。
なので相場がわかりませんが、素焼きの壺だけあって手持ちバリスタよりもかなり重いです。
重量15.0は特大剣のツヴァイヘンダーとほぼ同じですね。
外見を見ているぶんにはかなり単純な構造ですが、いったいどうやってバリスタボルトを撃ち出しているんでしょうか。
「大砲」というからには火薬を使っているんでしょうね。
さいわい、ゲルミア火山には火山石がありますから材料には困らないでしょう。
火薬やボルトは後ろ側の丸いフタから装填できそうです。
……ただ、撃ち出すのがバリスタボルトというのが問題です。
大きな口径に対して細身なボルトだと、爆発の勢いが横から漏れてしまって推進力にならないんじゃないでしょうか。
……うるせぇ!!!
ごちゃごちゃ細けぇ理屈並べやがって!
壺大砲はな、オツムで撃つんじゃねぇ……
浪漫で撃つんだよ!!!
死体漁りの曲剣
ノコギリの刃を持つ曲剣です。
ゲルミア火山の遺体から入手できます。
火山館とは特に関係なさそうですが、火山つながりで紹介します。
ボロボロに刃こぼれした血まみれの曲剣、といった様相ですね。
命とは、かくも禍々しいものか。
戦場跡をうろつき、死体を漁る者たちの得物ということです。
おそらく、この剣自体も戦場跡の死体からはぎ取ったんでしょうね。
これだけボロボロでも、重量は3.5と意外に重め。
もともとはグロスメッサーばりの大型曲剣だったのかもしれません。
ゴツゴツとした刀身にかつての切れ味はないものの、代わりに出血効果を獲得しました。
二刀流で振るえば、素早い攻撃とも相まって相手をあっという間に失血死させることができます。
漁るための死体は自分で作っちゃいましょう。
よく見ると、柄は女神像になっています。
惨たらしい死体漁りの道具も、その初めには清らかな祈りが込められていたんですね。
その願いは輝かしい勝利か、それとも無事の帰りか……。
いずれにせよ確かなのは、それらはもはや色褪せ、血と錆と死臭に埋もれ、見る影もなく踏みにじられてしまった、ということです。
なんとも哀れなことです。
……でも、そういうのって結構そそられますよね。
聖なるもの、清らかなものが汚されてしまう……というのは、ある種のフェティシズムを孕んでいるように思います。
今回は以上となります。火山館を取り巻く人々に関係する武器を紹介しました。
次回は火山館後編、君主ライカードやその「家族」、蛇人に関係する武器を紹介します。
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