【エルデンリング】狭間の地の武器ギャラリー33.~再誕~
こちらは、エルデンリングに登場するさまざまな武器デザインを紹介する記事です。
今回は、ソールの城砦と、霊廟に関する武器を紹介します。
ネタバレにはご注意ください
失地騎士の大剣
古い意匠が刻まれた、上質な大剣です。
失地騎士の得物です。
幅広の剣身が窄まることなく先端までのびていて、やや武骨な印象です。
遠心力が強くかかるので高威力な分、重さの割には筋力を必要とするつくりですね。
刻まれた2本の溝(フラー)は装飾と補強を兼ねたものでしょうか。
失地騎士は、何らかの理由、あるいは咎で故郷を失くした騎士だといいます。
そしてその多くが辺境へと送られたそうで、ゲーム中ではストームヴィル城、大竜餐教会、ファルム・アズラ、そしてソールの城砦でその姿が見られます。
嵐の王の配下ということは、彼らの故郷はもしかしてファルム・アズラなんでしょうか。
そうなると「咎」というのも竜餐が関係ありそうです。
なんとなく彼らの足取りが見えてきましたね。ファルム・アズラ編で紹介しても良かったかもしれません。
ただ、ゲーム本編での様子を見るとやはりソール編で正解かな、と思っています。
両手持ちのモーションは特殊なもので、手首を返すキビキビした動きが特徴のドイツ剣術風になります。
これは騎士大剣と同じものです。ということは失地騎士は君主軍に剣術指南を行っていたのかも? 妄想が広がりますね。
鞘にも印象的な意匠が施されています。
散りばめられた花のような形の鋲。なんとなく規則的、かつ左右非対称……何を表すものなんでしょうか。
なんとなく星座のようにも見えますね。
失地騎士の斧槍
古い意匠が刻まれた、上質な斧槍です。
失地騎士の得物、そのもう一方です。
キレイな形のハルバードですね。
三日月状の斧刃にカッチリとした槍の穂先、斧の反対側には波打った嘴状の爪がついています。
それに黄色の房飾りまで。儀礼用として使ってもまったく遜色なさそうです。
現実でも透かし彫りなどの装飾がなされたものが儀礼用として用いられる例があるようです。
ファルム・アズラも神殿のようですし、かつてはそこで儀式が執り行われていたのかもしれません。
弱攻撃で突き、強攻撃で薙ぎ払いを行います。
突きを主体としながらも斧による斬撃も取り入れた、ハルバードらしい戦い方と言えますね。
そういえば、君主軍の騎士が持つパルチザンも槍でありながら薙ぎ払いも可能な武器です。
やはりこの二者のつながりは少なからずありそうですね。
……ちなみに、嘴部分は使いません。
出血効果とかありそうなのに、もったいないですね。
ストームヴィルの手前、城に向かう隧道(マルギットと戦うところ)には斧刃を除いた「失地騎士の槍」ともいうべきものが突き立てられています。
かつてはこの槍の使い手もいたんでしょうか。
残念ながら今は事切れてしまっているようです。
失地騎士の盾
縦に長さのある、金属製の中盾です。
剣を持った失地騎士が装備していることがあります。
まるで大盾のようなサイズ感ですがカテゴリとしては中盾です。
大柄な失地騎士が扱うにはこれくらいないと身を守れないわけですね。
模様は4つの区画に分かれています。これはクォータリングというやつでしょうか。
かつて戦士たちは自らの盾に様々なデザインで装飾を行い、それが戦場での彼らの識別になりました。
西洋においてはその発展形として自らの家の紋章に盾を描くようになっていきます。
そして、婚姻や戦争、侵略の結果として二家の紋章を統合するとき、マーシャリングという処理を行います。
クォータリングはその一種です。
盾を十字に区切って4つに分け、それぞれに各家の紋章を配置するという手法です。
二家の場合、左上と右下が夫側あるいはより優位な家系となるようです。
……以上を踏まえたうえで改めてデザインを見てみると、どうやらこの盾はどこかの二勢力が統合されたことを意味しているようです。
狭間の事情を考えれば婚姻ではなくて戦争による統合でしょうね。
では、どことどこの統合なのか?
かなり抽象的な紋様なので、人それぞれの考察があると思います。
私には、左上が植物の蔓、右上が翼を広げた生き物、つまり飛竜のように見えました。
これは竜王率いる失地騎士軍が黄金樹勢力に取り込まれたことを意味しているんじゃないでしょうか?
失地騎士の武器の中でこれだけが「古い意匠」の記述がありませんが、この盾だけ後に作られたとすれば辻褄が合います。
じゃあやっぱりファルム・アズラ編で書けばよかったじゃん!
い、いやいや、ちゃんと後でご説明しますから! 落ち着いて!
宿将の軍旗
古めかしい斧槍に、ボロボロの赤い軍旗を巻き付けた得物です。
宿将オニールから入手できます。
金色の輝きは古いながらも厳かな雰囲気があります。
左右非対称なので分かりづらいですが、両刃斧に槍がついているかなり珍しいタイプの武器ですね。
両刃斧は君主の象徴……と、ここから妄想をつなげることもできそうですがゴチャゴチャしちゃうので今回はやめておきます。
「オニールってエオニアのあいつでしょ?
ケイリッドじゃん! ソールの正反対じゃん!
こいつ記事をサボってる間におかしくなったのか?」
ち、違うんです。
たしかにオニールはエオニアの沼にいるので赤獅子軍とする見方もあるようですが、私はソール側だと思っています。
おそらく彼はマレニアとの連合でケイリッドまで進軍していたんじゃないでしょうか。
貴腐騎士と敵対しない、ソールの城砦には聖樹の秘割符が保管されているなど、根拠となるものもいくつか見られます。
ちなみに、流刑兵を召喚することからゴドリック勢力と考える方もいるそうです。
たしかに彼らはストームヴィルの印象が強いですが、個人的には彼らもまたソールの出であると考えているので、その点からみてもオニールはソール側の人物だと思います。
二アールと防具同じですしね。
ついでに、失地騎士と宿将の関係についてもここで述べておこうかと思います。
ポイントは防具です。
改めて見比べるとわかりますが、共通点が結構ありますよね。
肩の角だったり、足先の構造はほとんど同じです。
白い毛皮も共通のデザインですね。
っていうか、「失地の軍勢を率いる」ってテキストに書いてありました。
まあニアールも召喚してるしそうですよね。
専用戦技「軍旗の下に」は軍旗を掲げ、勇ましく号令をかける技です。
士気を向上させるのか、自らと周囲の味方の攻撃力、防御力が上がります。
旗に描かれている紋章はなんでしょうか。
失地騎士の盾の紋章にも似ている気がしますが……。
実際の戦いにおいても、軍旗は部隊拠点の場所を示すほか、戦士たちの精神的な支えとなっていたそうです。
それはもはや神聖視とすら言えるほどで、旗を守るために戦場で命を落とす者も少なくなかったそうです。
すごい。
宿将の義足
刃の仕込まれた義足を、拳にはめ、武器として振るうものです。
ニアールはたしか右足だけだったんですが、両手持ちだともう1つサービスしてくれます。
「なんで義足を手に?」当然の疑問は一旦置いといて、デザインを見ていきましょう。
これは下腿義足というものです。膝より下を切断した場合に使うものですね。
持ち手となっているカップ状の部分はソケットといって、元々はここが脚とくっついていました。ニアールは外側から布を巻いて固定していたようですね。
あんな極寒の地で鉄製の義足をつけるなんて、黄金律がなければ確実に凍傷で壊死してますね。
刃の腹は泡のような模様にボコボコとへこんでいます。
これはおそらく槌目、ハンマートーンなどと呼ばれる加工ですね。
その名の通りハンマーで表面を打ち付け、打痕を残すことで模様を作る技法で、主には装飾目的で施されるもののようです。
一応実用的な面を考えてみると、刺突の際に肉との接触面積が少なくなって引き抜きやすくなるかも?
あとはハンマーで叩くことで金属自体の強度も上がりますね。
刃はスライドして格納できるようになっており、普段はしまわれているようです。
実際に義足として接地しているのは丸い柄の部分ということですね。
専用戦技「嵐蹴撃」は義足の刃を地に突き立て、嵐を生じる技です。
……が、真価はその後の派生攻撃でしょう。
強攻撃で刃に雷を纏って跳躍し、
地面に叩きつけて落雷を生じます。
狭間の地において雷というのは竜の力。
やっぱりファルム・アズラとの関係は何かありそうです。
蝕のショーテル
ソールの城砦に所蔵される宝剣です。
「伝説の武器」として日蝕教会に安置されています。
ショーテルの名前の通り、相手の盾を貫通して攻撃できます。
半円弧の刀身と炎のような峰の装飾は、蝕まれ、色を失くした太陽を象ったものだといいます。
城砦のいたるところに掲げられているその紋章は、教会の名前にもあるように日蝕(日食)を意味しているようですね。
日食は、太陽と地球の間に月が重なることで太陽が欠けて見える現象のこと。
月が完全に重なる皆既日食ではまるで太陽が黒く色を失ったように見え、コロナと呼ばれるガスの放射も観測できます。
そしてソールにおいては、色を失った太陽は絶望的畏敬の対象なんだそうです。
「絶望的」っていうと彼らにとってはあまり好ましくないもののように思えますが……
一方で、太陽が蝕まれることを望んでいるような言動も見られます。
ただいずれにせよ信仰の対象であることは間違いなさそうです。
聖攻撃力も持ってますしね。
専用戦技「死のフレア」は、色を失くした太陽に、死王子の炎を宿す技です。
追加入力で斬り下ろしとともに炎を爆発させます。
フレアというのは太陽表面で時々起こる爆発現象のことです。大規模なものだと地球でも通信障害などが起こることも。
宿された炎には死の力が宿り、褪せ人に死の状態異常を与えます。
これは死王子の炎。ゴッドウィンのものであるといいます。
この黒黄色の炎、ミエロスの剣などのエフェクトと似ています。
いうなればこれはゴッドウィンの怨念とでもいうべきものなんでしょうか。
蝕紋のヒーターシールド
金属製の中盾です。
啜り泣きの半島、歩く霊廟さまよう、霊廟ヶ原で入手できます。
蝕まれた太陽の紋章。なんだか上から見たメンダコみたいでかわいいですね。
ソールでは畏敬の対象ということでしたが、この盾によると魂無きデミゴッドが眠る、さまよう霊廟の象徴でもあるそうです。
歩く霊廟は各地にありますが、ソールの城砦前にもありますね。
魂無きデミゴッドとはゴッドウィンのことのようです。
ソールの民は歩く霊廟を通してゴッドウィンを信仰していたということでしょうか。
そしてゴッドウィンはミケラの友人でもあると。
ゴッドウィン、ミケラ、ストームヴィル、ファルム・アズラ……。
ちょっとソール色んなところと関係持ちすぎじゃないですか!?
ちなみに、ヒーターシールドの中では雷カット率が高めです。
古竜フォルサクスに打ち勝ったゴッドウィンの逸話に由来するものでしょうか。
蝕紋の大盾
蝕の太陽が描かれた、金属の大盾です。
歩く霊廟を守る霊廟騎士が装備しています。
この紋章はソールに描かれていたものそのまんまですね。
蝕まれた太陽……から何かが垂れ落ちているように見えるのはなんなんでしょうか。
もしかすると過去作『ダークソウル3』に登場した「輪の騎士」のオマージュかもしれません。
形状はカッコウの大盾とまったく同じですね。
重さも、必要筋力も一緒です。ってことは材質もたぶん一緒ですね。
なにか関係があるんでしょうか。一応、リエーニエにも歩く霊廟はありますが……。
あっちもなかなかの魔力カット率を誇りますが、こちらはなんとその上を行きます。ガード強度も勝っていて、得意分野をより得意にした感じですね。
この盾によれば、色を失くした太陽は魂無きデミゴッドの守護星であるとのことです。
畏敬の対象、デミゴッドの象徴、守護星……。
なんだか別名がたくさんありますね。
ともあれ、守護星は身に着けたものを運命の死から遠ざけるといい、状態異常耐性が上がります。
ただ、抗死の耐性値だけは上がりません。運命の死はどうした。
翼の鎌
白き翼を象った聖鎌です。
霊廟ヶ原の廃墟に安置されています。
どのくくりにするかメチャクチャ悩んだ武器のひとつです。
霊廟ヶ原の廃墟にあったので、とりあえずこの記事に入れてみました。
一目見て、コンセプトがはっきりとわかりますね。
天使の翼をかたどった刃です。鎌という性質上左右非対称にはなっていますが、逆に外連味があっていいかも。
真っ白な刃は何でできているんでしょうか。質感からして金属ではなさそうです。
もしかして石製?
他の例に漏れず、鎌なので出血効果を持ちます。翼も柔らかそうに見えて端っこがギザギザしているので、傷口はかなりひどいものになりそうですね。
より具体的に言えば、これは白き翼を持つ乙女たちの翼、とのことです。
彼女らは異教において優しき死の使いなのだといいます。
同じ存在の記述はこの武器の他には作中のどこにもなく、まったくの謎の存在です。「死」のつながりでゴッドウィン関連にこじつけることも不可能ではないかもしれませんが……。
ひとつ言えるとすれば、その特徴は私たちのイメージする天使にほど近いものだろう、ということですね。
専用戦技「天使の翼」は跳躍と共に翼の刃に白い光を宿し、そのまま斬りつける技です。
跳躍しながらの斬り上げ、空中からの斬り下ろしと2段階の斬撃です。
斬撃の跡には白い羽が舞い、触れた相手は聖杯瓶による回復が阻害されます。
彼女らは死の使いであるがゆえ、回復、つまり死への抵抗を許さない……といったことなんでしょうか。
今回は以上となります。ソールの城砦や歩く霊廟、蝕まれた太陽に関係する武器を紹介しました。
次回はやや分野がかぶりますが、「死」に関係する武器を紹介します。
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