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【MHW:IB】操虫棍ギャラリーおまけ・猟虫編その1

今回は操虫棍ギャラリーのおまけということで、猟虫のデザインを紹介します。今回は切断属性の猟虫を紹介します。
結構大きめの画像なので猟虫が苦手な方はご注意ください。

※猟虫性能についての評価はありません


!!!猟虫画像注意!!!

クルドローン

a0102 クルドローン

猟虫とはハンターと共に戦う虫のことで、攻撃のほか、モンスターから採取したエキスでハンターを強化してくれます。虫笛の指示にあわせて縦横無尽に飛び回る姿はまさに「ドローン」。

さて、最も基本的な猟虫のひとつがこのクルドローンです。カナブンのような緑色をした甲虫ですね。
サイズなど、現実のカナブンと大きく違うところはいくつかありますが、一番に目を引くのはカッターのような平たいツノでしょう。これで飛竜の甲殻を切り裂くわけですね。
「ツノ」とは言いますが実は胸部。おそらく「前胸背板」と呼ばれる部位が発達したものです。カブトムシのちっちゃい方のツノをイメージするとわかりやすいかもしれません。ああいうのを「胸角」というそうです。

他に目を引く箇所といえば、明滅する紫色の部位ですね。クルドローンは毒粉塵を持つのでこの色になっているわけです。光る虫といえばホタルが有名ですが、あれは「ルシフェリン」という物質と「ルシフェラーゼ」という酵素が反応して光を生み出すそうです。そのエネルギー変換効率はとても高いらしく、電球や蛍光灯のように光っていても熱くなりません。こういう光を「冷光」というそうです。へぇ~。

a0103 クルドローン

お顔はこんな感じ。小顔で四角く、やはりカナブンに似ている気がします。赤くて小さな目が無表情でかわいいですね~。
発達した前脚でハンターさんの腕にしがみついているのも見逃せません。けなげですね~。

a0104 クルドローン

こちらは飛行中の画像です。通常、昆虫は前翅と後翅、2枚の羽をそれぞれ左右に、計4枚の羽を持っているわけですが、クルドローンのような「甲虫」、カチカチに硬い虫は前翅が硬化し、「鞘翅(しょうし)」と呼ばれるものになっています。もちろん鞘翅に飛行能力はないので、飛ぶときは下に隠された柔らかく軽い後翅を展開して飛びます。
クルドローンの後翅は透明でキレイですね。まだ何にも染まっていない少年って感じです。……「少年」? 

ふと思ったんですけど、クルドローンはいわば猟虫の中でも子供、現実でいうところの幼虫にあたるわけじゃないですか。こういう甲虫の幼虫っていうと私が苦手なイモムシとかそういう形になるんですが、猟虫は成虫みたいな格好のまま成長していくんですね。それとも本当の本当に最初はイモムシみたいな姿をしているんでしょうか。
どっちにしても、ワーム系が苦手な私には見ずに済んでありがたい限りです。

アルマスタッグ

a0202 アルマスタッグ

クルドローンがパワーに特化して進化した姿です。この姿は……そう、みんな大好きクワガタムシです。まだまだ進化途中だからでしょうか、頭でっかちでかわいいですね~。

頭のピョコンと横に少し突き出た突起、これはミヤマクワガタの特徴で「耳状突起」というらしいです。……ん?「頭」?
そうです。先ほどクルドローンの項では「頭のように見えるのは胸部だ」と言いましたが、クワガタになると少し事情が変わります。背面から見た場合、クワガタは腹の上に四角い胸部があって、そのさらに上に横長の頭部が見える形になります。要は、アルマスタッグには本来あるべきくびれが存在しないんです。
というか、よく見るとこの子は腹部と頭部しか無いようなので、昆虫としておかしいです。もっとよく見たらちっちゃい頭部とかがあるんでしょうか。

羽は群青色になって落ち着いた色合いです。たった一回進化しただけなのにこんなに大人びてしまって……。子供の成長というのは速いものですね。嬉しいやら寂しいやら……いや子供なのかどうかはわかりませんけど。

a0203 アルマスタッグ

お顔はこんな感じ。ツンと突き出たお鼻がユーモラスです。クルドローンよりあどけない感じのお顔になりましたね。


さて、この画像にもおかしな点があります。
クワガタを見たことがある方ならお気づきかもしれませんが、目の位置がおかしいんですね。クワガタムシの代名詞ともいえる大顎ですが、これは口の一部が大きく進化したものです。本来なら目はこの大顎の外側についていなければおかしいのですが、この子は内側についています。言ってしまえば口の中に目玉があるバケモノみたいな構造をしているんですね。というか、こんなところに目があっても大顎が視界を覆ってなにも見えないと思います。まあでも、自分で目を塞いじゃってアタフタしているアルマスタッグくんもかわいいから、オッケーです!

そんなちょっとおかしい大顎も、彼のチャームポイントの1つです。幅広で分厚くて、まるで曲剣のような迫力ですね。
内側には小さな突起が1つずつ付いています。この突起は「内歯」といって、その数や形で種を識別できるそうです。アルマスタッグは内歯が1本なので、オオクワガタやコクワガタに近い形ですね。まだ成長途中なので……コクワガタってことにしておきましょうか。その方がかわいいですよね。
ところで、「スタッグ」とは「牡鹿」という意味。「スタッグビートル」でクワガタムシを指す言葉になります。この大顎を鹿の角に見立てたんですね。「アルマ」というのはスペイン語で「武器」という意味だそうです。「武器クワガタ」……。なんだか非人道的な響きです。俺たちは戦いの道具じゃない!アルマスタッグたちの反乱が今、始まる……!

a0204 アルマスタッグ

後翅は少し青みがかった透明感のある色です。紺色の翅脈がはっきり見えますね。より丈夫に進化しているようです。健やかに育つんだぞ~。

モナークブルスタッグ

a0302 モナークブルスタッグ

アルマスタッグからの進化は2つに分岐するのですが、その一つがこのモナークブルスタッグです。「テイオウオウシクワガタ(帝王雄牛くわがた)」!? かなり強そうです。

サファイアの体に差した金色が高貴さを感じさせます。まさに帝王の風格。
身体の構造もしっかりクワガタムシっぽくなりました。立派に成長して……これ以上の親孝行がありますか!

a0303 モナークブルスタッグ

大顎も立派になりましたね。内歯の形状はオオクワガタに似ていますが、この立体的なうねりはノコギリクワガタやミヤマクワガタのようなニュアンスも感じます。

前脚は大きなハサミのようになっています。これも普通のクワガタムシには無い特徴ですね。ここまで大きなハサミは昆虫にはありません。これはカニとかサソリクラスですね。
右手左手、2本のハサミと頭の大顎……まるでハサミの三刀流ですね。

a0304 モナークブルスタッグ

後翅の見た目は大きく変わりました。その姿はもはやともいうべき大きさです。まるでコウモリですね。
もしくはマントでしょうか。こういうキャラ見たことありませんか?なんかファンタジー世界の話とかで出てくる、黒いマントに身を包んだ謎の騎士、みたいな。そういう感じのキャラすごい好きなんですよね。

レジナヴォランテ

a0402 レジナヴォランテ

アルマスタッグから分岐した2つのうち、もうひとつがこのレジナヴォランテです。「モナーク」よりも機動力は劣るのですが、その分パワーはこちらの方が上です。
レジナ」はラテン語で女王を意味する言葉です。そう言われてみると鞘翅の複雑な紫色が女性的な感じですよね。なんだかセクシーな気もしてきました。ドキドキしちゃいますね。

この複雑な色味、おそらくは構造色によるものですね。
構造色というのは、表面の微細な構造で光の反射を調節し、色素がないのに発色するという不思議な現象のことです。CDの裏側とかシャボン玉って、銀色だったり透明なのに虹色に見えるじゃないですか。アレです。
現実の虫も構造色を持つ子が結構います。タマムシなんかは有名ですね。チョウチョにも「モルフォ蝶」ってやつがいます。鱗粉の微細な構造が生み出すメタリックブルーがなんとも幻想的でキレイなんですよ。

ヴォランテ」というのはイタリア語で「飛行する」と言う意味なんだそうですが、これに「チェルヴォ(鹿)」をつけて「チェルヴォ・ヴォランテ(空飛ぶ鹿)」とするとクワガタムシの意味になります。外国はクワガタムシのことを鹿みたいだと思っているみたいですね。
さて、それを踏まえてこの虫を見ると……

全然クワガタムシじゃない!!!
鉄兜のような前胸背板から伸びた分厚い2枚のブレードは大顎ではなく、胸角です。もちろん可動しません。これはクワガタというよりもツノゼミという虫に近いです。
くそっ騙しやがって!クワガタっていうから見に来たのに!鉄仮面被って黙りこくってんじゃないぞ!!顔を見てやる、オラこっちを向け!!!

a0403 レジナヴォランテ

なんて可憐な顔をしているんだ……。

ワインレッドのつぶらな瞳があどけない少女のようです。かわいいですね~。
「少女」といえばこの顔、第一段階のクルドローンとほとんど同じ顔なんですね。ゴツゴツの胸部とのギャップがすごいです。

a0404 レジナヴォランテ

後翅は蝶のような模様のついた丸みのある羽です。
そう、まさにこの色!この煌めくような水色がちょうどモルフォ蝶の色なんです。もっとも、本物はもっとギラギラに輝いています。見たことがない方は本当に一度見てみてほしい。
黒い網目のような模様はアゲハチョウのイメージでしょうか。アゲハチョウも良いですよね。一見すると黄色のイメージなんですけど、見れば見るほど複雑な色合いをしていて華やかで、均整のとれた4枚の羽で花から花へ……。でも幼虫は苦手なんですけど。

それにしても、ゴツい外側からは想像もできないような可憐な内面も持っていて、ギャップ萌えってやつですね。
これがクワガタの女王ってわけですか。ちょっと仕えたくなっちゃったかもしれません。

サルヴァースタッグ

a0502 サルヴァースタッグ

パワー系切断猟虫の最終形態が、漆を塗ったようなこの虫です。
その絶大な膂力はもちろん、スタミナまで兼ね備えた戦車みたいなやつです。

進化途中の虫には鞘翅に模様がありましたが、この子にはほとんどないですね。下の方にちょこちょこと白い斑点があるのみです。その黒は夜闇にまぎれるための外套なのか、それとも己の力を誇示するための勲章なのか……。

a0503 サルヴァースタッグ

もう一目見ただけでおわかりかと思いますが、大顎はすごく変な形をしています。体の向きに対して直角にズァッと伸びて、かと思うと鋭角にキュッと曲がっていて……これじゃ何も挟めそうにないですね。ブルドーザーみたいです。

こんなにクレイジーな大顎をしているクワガタは現実にはいませんが、おそらくモデルとなった種はいます。
クワガタって、同じ種類でも個体によって大顎のサイズにはバラツキがあるらしいんです。愛好家の方たちは顎の大きい個体を「長歯型」、小さい個体を「原歯型」と呼んで区別したりするそうです。この個体差がけっこうすごくて、単に顎の長さだけでなく形状ごと変わったりするので、同じ種とは思えないほどです。
中でもノコギリクワガタはこの個体差が激しい種です。中歯型(長歯と原歯の中間)までの大顎は緩やかに丸みをおびた「ザ・クワガタ」といった感じの形状なのですが、長歯型になるとグイッと急カーブを描くような形状になります。その独特な形から「スイギュウ」と呼ばれることもあるんだとか。
思うに、この長歯型ノコギリクワガタがモデルなんじゃないでしょうか?

a0504 サルヴァースタッグ

全身真っ黒のサルヴァースタッグは後翅まで真っ黒です。切れ込みもあって、黒いマントみたいです。
なんだか死神のようにも見えてきました。湾曲した大顎はさしずめ命を刈る鎌ってわけです。

……そういえば「サルヴァー」ってスペイン語で「救う」って意味になるそうです。「救済」ってもしかしてそういうこと……ごくり。


なんだかホラーっぽい終わり方になってしまいましたが、今回はここまで。切断属性パワー型、クワガタ族の猟虫を紹介しました。
本当はもう少し紹介するつもりだったのですが、予想以上に文量が多くなったので続きは次回とします。

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