2ヶ月間休みなしで疲労困憊だった人間が、休むことの大切さを知った2日間。
群馬に異動してきて、店長としてやってきたものの、
お子さんのクラスがコロナで休園ってなったり、家族がPCR検査受けます、とか、妊娠しました、とかいうスタッフがでてきて、欠勤が毎日出ている状態が続いていた。
毎日自分と、もう一人で、欠勤者分の抜け落ちた業務をやったり、人がいない分の店舗運営をしているうちに、体力は限界で、頭が痛いか、胃が痛いか、歩きすぎで股関節が痛いか、PCと向かい合って背中が痛いか、肩こりか、体がつらくて仕方なかった。
朝もつらくて起きれなくて、スタッフの人の話もまともに聞けないから、
言った言ってないの話でもめたりして、もう何も考えられない状況になっていた。
そして、悪い時に悪いことは続く。さらなる欠勤で、もう自分の社内規定の残業時間では対応しきれず、上限超過申請をすることにしたのだ。
これには、もう耐えきれなくなって涙が出た。
体も頭も心も悲鳴をあげている。スタッフの人は今まで教育されてこなかったおかげで、ことの重大さがわかっていない。コロナ関係の欠勤にもう対応しきれない。ここで私が退職したところで、このお店は変わらない。
休憩時間もなく働いているから、ごはんも食べれなくて、なのにおなかを壊しているから、どうしていいかわからず、とりあえず栄養ドリンク飲む日々で、帰ってきたらベッドまでいけないから床で倒れる。
これでお客様に喜んでもらえるお店がつくれるの…?
やっと、自分の休みの日がきた。休みは2日間。とはいえ、朝も夜も昼もメールと電話が鳴りやまないことに変わりはない。もはや、携帯がなっていなくても、バイブの音が聞こえてくるレベル。
勇気を出して、2時間だけ電源を切ることにした。結局私がいないと判断できるひとはいない、と思っていたけど、この二時間だけは電源を切って、私自身を充電することにした。
まず、体力を回復させたいと思った。この頭痛と、肩こりと、空腹をどうにかしなくちゃと思った。あとは、心がもうどうしようもなく、一言でも誰かに話を聞いてほしいと思った。
シャワー浴びて、午後までよく寝た。これで睡眠欲はいったん満たされた。ご飯は、家にあったものを食べたけど、もっと新鮮で体に優しいものが食べたかった。
寝る以外の休み方もしないと、気分がかわらないなと思って、グーグルマップで温泉を調べた。
そしたら、熊谷のスパリゾートがいくつか出てきた。熊谷なら車で30分くらいで行けそうだなと思い、花湯スパリゾートというところに行ってみることにした。
ここが想像以上に良かった。
まず入館して、ゆっくり温泉に浸かった。外にも中にも何種類かあって、温度や効能の違いで、入りたい湯舟をたくさん選べた。すこし庭園ぽくなってて、緑の多さも目に良かった。セミや鈴虫の鳴き声にも癒された。そういえば、夏にゆっくり温泉に入るってしたことなかったなぁとか考えながら、正直ここまでつらかったな、逃げられなかったなぁ、いくら新人店長でも仕打ちがひどいなぁと感じながら、店長としての対応をしてきた部分と、自分が一人の人間として感じてきたつらさを改めて感じた。
なに、みんな店長なんだから働いて当たり前とか思ってるんだよって。なんで店長だから全部やって当たり前なんだよって。店長も一人の人間であることに変わりはない。いま、だったら店長やめろとかそういう意見は求めてない。
次は、ごはんどころでそばを食べた。塩分求めててポテトを頼んだけど、野菜のかき揚げ残してしまうくらい、おなかいっぱい食べれた。よかった。
そして、岩盤浴にいこうと思ったら、マッサージチェアがあった。これがめちゃくちゃよかった。若いからいくら働いても大丈夫、ということはなくて、働きすぎはさすがに度を越していた。ストレッチとかしてたけど、正直それでは疲労の回復は追いつかなかった。それで、マッサージチェアで、ゴリゴリにもみほぐされたら、想像以上に体が楽になっていた。自分じゃ届かないところとか、自分じゃ押せない押し方で圧迫されて、どんどん楽になった。しかも、リラックスできて、何も考えないでよいことが、なんて贅沢なんだと感じられた。
そのあと、やっと岩盤浴に行こうと思ったら、閉館時間になってしまった。ゆっくり温泉につかれたことと、マッサージチェアに満足して、その日は帰ってきて相当ゆっくり寝ることができた。
次の日、昼間まで、なんどか起きてしまい、猛烈な吐き気とおなかの痛さで何度か目が覚めた。たぶん、体がやすめたことと、逆に抜けきっていない疲労がこうやって体調にでてるんだなって思って、なんとか耐えた。
そして、やっぱりマッサージチェアとおいしいごはんと温泉にもう一度行きたいと思って、今度は別の湯楽の里という熊谷温泉に行った。
ここは、岩盤浴とマッサージチェア目当てでいって、岩盤浴20分とマッサージチェア10分みたいな感じで、今後に2往復くらいした。
今はサウナが流行りらしいけど、暑くて5分もいられない、よりも、岩盤浴の、じっくりと汗をかいていく感じが好きで、こういう体の中の嫌なものを出していく時間をとったほうがリフレッシュになるなと感じた。
いつもなら仕事で終わらないってやってるこの時間に、非日常的な音楽を聴きながら汗をかいて、自分に矢印を向けて思考を集中している、
それがなんて贅沢なことか、と身に染みて感じた。
今すごく休めているなって思った。あぁ、休みが終わってほしくない、もっと完全回復して、仕事したくてたまらないというところまで休み切りたい、そんなことも考えた。
露天風呂に行って、夕日で染まる空を見ながら、なんてきれいなんだろう、こんな風に空を眺めたことがこれまであったかなぁと、振り返った。今の会社を抜け出せば、外にはいろんな世界があるんだよなぁと改めて思った。私はいま、自分の人生のこともちゃんと考えていかないと、ただ仕事に飲まれるだけだって。
明日からまた仕事に戻らなくてはいけないけど、ちゃんと内省の時間をとって、自分に正直な気持ちでいられる時間をつくらなければ、ただしんどいだけだと思った。
なんのためにもならないしんどさは意味がないし、時間の無駄。
私のオフの時間には、こういう、勤務場所から完全に身が離れて、内省の時間があって、汗をかける、こういうことが必要だということがわかった二日間だった。かなり休めた。これはかなり大きい。
つか、これが普通の休みじゃないのか?と思った。今までの休みが休みになってなかったのだ。休みなのに電話もメールもひどすぎるし、それにこたえすぎてる自分も自分なのだ。
ここまでの自分が異常だったのだ。気づけて良かった。
次の休みはどこの岩盤浴とマッサージチェアに行くか、考えながら、ベッドに向かう。
世の中の成功している人たちは、休みの日は何をして休んでるんだろう。