朝岡晴光の元カノ目線で舞台「オオカミの誘惑」感想失礼します
銀座博品館劇場にて上演された、舞台「オオカミの誘惑」を観劇しました。
小澤さんは後半チームだったので、7月28日が初日でした。
残念ながら、翌29日からの全公演が中止となってしまいましたが、少ない記憶ながらも感想を書きたいと思います。
※例に漏れず、小澤亮太さんは読まない方がいいです。
「オオカミの誘惑」とは
情報量が多い。
舞台のストーリーもおおむねこの通りですが、キャストの関係上亡くなったジェイ(テソン)の祖母が祖父になっていたりと少しの変更がありました。
あと舞台はソウルから現代の新宿に変更となっていますが、新宿、そんな治安悪いんか?
中学生の書いた、「わたしの考える最強の逆ハー夢小説」
初見の感想をわたしなりにわかりやすくかみ砕いたときに出てきたのが、これ。
強引で偉そうだけれど実は恋愛初心者でツンデレで優しい不良の朝岡晴光と、意味深な出会いから姉さん姉さんと慕ってくる可愛くて王子様みたいなジェイ。
ふたりから愛されてしまい、わたしって一体どうなっちゃうの~!?となるのが主人公でありヒロインである雫。
よくある少女漫画みたいな感じですが、わたしは全身全霊で、推しである小澤亮太さん演じる朝岡に肩入れしていたので、観ていてイライラしすぎて右手親指のネイルを折りました。
まず大前提、雫を演じた女優さんにどうこう言っているのではありません。
若くてお顔も可愛く演技も上手くて、田舎から出てきた純粋で優しい面倒見のよい女の子、そのものでした。
ただわたし自身、ああいったヒロインがめちゃくちゃに苦手で。申し訳ない。
このnoteは、朝岡の大量にいる元カノのうちのひとりが書いていると思ってください。
「ふわふわするな」って言われたやろがい!!
確かに朝岡は強引だった。
いきなり「好きだから俺の彼女な」と言われても、戸惑いもあるかもしれない。
じゃあさ~~~はっきり断ればよくな~~~~~い???
ジェイが実の弟だと判明するしないにかかわらず、雫はどっちにもいい顔をしすぎている、ように見える。
そもそもさ?ジェイと出会ったときに、うわイケメンやん!ドキッ!ってしたって自白してたよね。
仲間けしかけてジェイをボコボコにしてた朝岡に立ち向かって、ビンタかます気の強さがあるならさ、勝手に彼女にされたことも断れるよね?
朝岡の彼女としての立場も確保しつつ、ジェイから慕われてまんざらでもない、そんな状況にあぐらかいているように見えるんよあんた。
こちとら開幕登場した瞬間から朝岡に恋してんだわ。
チンピラに絡まれているジェイを「助けて」って、朝岡にその場を任せて逃げたくせに、朝岡の安否なんて頭に一切ありませんというように携帯すら確認せず、のんきにジェイの手当てをしておかゆを作る。
いやせめて朝岡が無事かどうかくらい気にかけれんか?????
今目の前にいるジェイ、ボッコボコにされてけがしてるよね?
それでなんで朝岡は放置で大丈夫って思考になるの?
お前のせいじゃないよ、と気遣って、ひとりさみしく夜を過ごし、自ら傷の手当てをした朝岡がかわいそうで仕方がない。
クラブでのイベントのときも、朝岡の元カノたちに負けたくないという理由で、露出の高い服を着て派手な化粧をしてくる雫。
朝岡は自分の上着を脱いで、雫に着ろと命令。
このままがいい!とごねて拒否する雫。
いや着ろ!!!!!!言うことを!!!聞け!!!!!!!!
本当に朝岡のことが好きで、大量にいる朝岡の元カノに嫉妬して対抗してるだけなら、朝岡から「普段のままのお前でいい」「可愛すぎて見せたくない(から、俺の上着を着ろ)」って言われたらさ、その時点で大勝利やん?
なんで意地でも言うことを聞かんのや……?
それってさ、結局朝岡が好きやからって理由じゃないやん、お前自身が勝手に他の女たちから見下されたくない・ばかにされたくないって思ってるだけやん、お前が芋っぽい地味な女なんが悪いんやん。
ほんで結局言うことを聞かんせいで、変な男に絡まれて泣いて朝岡に助けを求める。
助けてあげちゃう朝岡も、泣いて縋られたら結局許しちゃう朝岡も朝岡やけど。
まあこれでいらん恨みを買って、最終的にあの天才最高汗だくぼとぼとアクションにつながるんやけども!!!
ジェイが自分の弟やとわかったあともさ、べたべた甘えてくるジェイに無抵抗の雫。
なんで??????
弟と手とかつなぐか?普通。
てか朝岡が嫌がってるのもわかるやろやし、ジェイのそういう行動が弟としてのふるまいから逸脱してるのもわかるやろ。
だから乾ちゃんたちに付け込まれたわけやし。
なんでこういうときのヒロインって異常なまでに鈍感になんの?
確かに、ジェイに対しては知らずにさみしい思いをさせてしまっていた負い目とか、今までの時間を埋めるように仲良くしたいって気持ちもあるかもしらん。
でもジェイに最初ときめいてたやんな?と。
ほなもう朝岡と別れろやと思わんでもないけど、まあ朝岡がそれは嫌やろうから、もっと朝岡と向き合ってあげればよかったのでは?と思う。
何回も疑われて疲れるわ、なんて、観てるこっちからすればいやお前が言う……?って発言すぎる。
ねえねえ朝岡ってなんで雫が好きなん?
原作をふんわり調べた限り、朝岡の一目惚れらしいねんけど。
作中、田舎から出てきたダサくて芋っぽい女と明言されてる雫にそもそも一目惚れするか?っていう。
しかも元カノは割とやんちゃやったりギャルやったり、雫とはおそらく系統が全然違うタイプやし。
だからこそ、っていうのもまあわかるけど、そのあと自分が敵視しているジェイにふらふら、せっかくジェイを助けてもお礼もなく音信不通、とかそういうひどい目にあってて、朝岡が雫を好きでいる説得力が皆無すぎて。
いつも去る者は追わず来る者は拒まずやったから、自分から好きになったのが初めてっていう補正と、ライバルであるジェイが好きで気にかけている女やからって補正が強すぎん?
ジェイが雫に固執しなかったら、朝岡もここまで雫を好きにならなかったんじゃないの?
よくある「おもしれー女」枠なんかもしらんけど、出来ればもうちょっと朝岡の「好き」に納得したかった。
ぬぐい切れない「夢小説」感
わたしは朝岡の元カノやから、朝岡のことばっかり言って雫を責めまくってるけど、雫のあれこれってめぐりめぐってジェイのことも苦しめてるからね。
いやまあそれがドラマでしょ、って言われたらそれはそう。なんやけど。
観劇後知ったけど原作が十八歳の書いたインターネット小説らしいので、いやオリジナルの夢小説であってるんかい!!!!!となった。
これは雫に自己投影しながら観るのが正解なんかもしらん。
朗読劇のときも散々言ったけど、わたしには高度の技術すぎるので無理です。
救世主・かんなちゃん
この舞台には雫以外に重要な女の子が三人出てくる。
ひとりは雫の妹であるかんなちゃん、次に朝岡の元カノである莉子(今調べて初めて名前知ったわ)、そしてぬいぐるみを持った不思議ちゃんな同級生の乾ちゃんだ。
雫の登場から自分が朝岡に構われなくなり、ふたりを別れさせようとする莉子と、それに協力する乾ちゃん。
ま~~~~~この乾ちゃんが怖い怖い。
掻き乱してめちゃくちゃにして、案の定朝岡と雫の仲には亀裂が入る。
さらにジェイも利用して、雫は完全に人間不信に陥ってしまう。
……いや、これは雫も悪いんやけどな?
朝岡も言ってるけど、乾ちゃんがどういう人間であれ関係なく、煮え切らない態度の雫が悪いわけで。
まあそれは置いといて。
莉子にしろ乾ちゃんにしろ、性格の悪い嫌な女感が満載で、うおおおおこれこれこれ~~~~~!!!となる。
観てる観客がちゃんとヘイトを溜めれる役というか。
まあわたしは溜めたらあかんヘイトも雫に対して溜めてたので、この辺はもうイライラがマックスで、朝岡~~~~~その女どもをしばけしばけ~~~~~!!!と心の中で最悪の応援上映をしてました。
まあ朝岡もジェイも女の子に手をあげるひどい男ではないので、この役割はかんなちゃんが担うことになります。
「雫ちゃんが許してもわたしは許さない」と怒りをあらわにして、気持ちのいい全力の平手打ちをかましてくれるかんなちゃん。
アフタートークで松村さんがおっしゃっていましたが、観ているひとの気持ちを代弁して思いっきり殴ってる、とのことらしく思わずスタンディングオベーションしそうになった。
かんなちゃんが怒って殴ってくれることにより、すごくすっきりした気持ちでラストを迎えられるのである。
余談ですが、女子組のアフタートーク、すごくきゃぴきゃぴしていて可愛くて、嫌な女を演じているのがとっても楽しいっぽいお話をしていて、確かに女としてああいう振り切った性格の悪い女はやってて楽しいだろうな~と、観ていてほっこりしました。
韓国作品あるある、そうはならんやろ
わたしが韓国の作品で知ってたり真面目に観たのって、「冬のソナタ」と「愛の不時着」しかないんですが。
完全に偏見でものを言ってたら申し訳ないんですけど、韓国作品って「そうはならんやろ」が多すぎひん?
突然知らんイケメンが自分のこと知ってて、意味深なことを言ってくるってのはまだしも、母親違いの実の弟でした!そして姉弟やのに本気で愛してしまいました、ってそんなことある?
ほんで唐突にバイクで事故って都合よく心臓の病気が発覚、なぜかオーストラリアに渡って手術するも運悪く亡くなってしまって、さらに突如湧いて出た盲目の少女に死後なんらかを提供して、その子の目が見えるようになって会いに来たよ、っていう、そんなことある?
多い、多いねん情報が。二時間で頭に詰め込まれる内容とちゃうねん。
「オオカミの誘惑」の原作映画を観たわけじゃないので、どういうふうに映画では話が進むのかはわからないですが、舞台では一気に駆け抜けるように話が進んでいく。
確かに「愛の不時着」でもユン・セリと中隊長それぞれ銃で撃たれて、そんな撃たれて死にかけることそうそうある?とは思ったけど、そっちは一話一時間以上あってさらに全十六話あるから……
逆に考えて、ここまでツッコミを入れれる作品はすごいのでは?
これだけ延々とキレておいてなんだけど、わたしは「オオカミの誘惑」はおもしろいと思っているし、むしろどちらかといえば好きな作品の部類に入る。
正直小澤さんフィルターがごりっごりにかかっているので、小澤さんのいないオオカミは何回も観たいとはならんけど、せっかくのWキャストだったから比較のために前半チームも観たかったな、とは思った。
少女漫画然り、韓国映画然り、これはもう好みの問題である。
実際Twitterでの感想では、かなり語気の強い批判めいたものも目にしたが、わたしはそのツイートに特に賛同はしなかった。
確かに主人公かつヒロインの雫にはイライラはする、話も詰め込みすぎでそうはならんやろの連続、お前ら報連相をちゃんとせえとは思うけど、上述した通り脳内で応援上映をするのは割と楽しいのだ。
原作映画のOSTをふんだんに使った音楽や、後ろのスクリーンも有効活用されていて華やかだし、時折挟まれるアンサンブルの方々のアクションやダンス・小ネタやちょっとした芝居も退屈させない楽しさがあった。
いわゆる虚無舞台というか、つまんなくて寝ちゃうような作品ではないと思っているので、今回初日の二公演しか観劇できなかったのは残念で仕方ない。
わたしの元カレ、朝岡晴光くんについて
ねえねえ、みんなどう思った~~~?
あれがわたしの大好きな朝岡晴光くんなんだけど~~~超かっこいいよね!!!!!
前半チームは「花より男子」、後半チームは「クローズ」
これは初日マチネのアフタートークにて言われた言葉です。
いやこれ小澤さんのせいやん。(いい意味で!!!)
ちょっと感想としてはいろいろ前後しますが、小澤さん演じる朝岡について語る上で外せないのがアクションだと思う。
申し訳ないけど、わたしはジェイの方を観る余裕はなかったので比較は出来ないのですが、久しぶりに生で観る小澤さんのアクション、しかもめっちゃ長い、最高すぎた。
まずパンチが重そうすぎるし、わたしの大好きな回し蹴りというか蹴り技というかは上手でも下手でも思う存分やってくれる。
ちゃんと強くて、めちゃくちゃかっこいい喧嘩なんよね。
これは確かにクローズ。ハイローでも可。
新宿のSはSWORD地区のSやったかもしらん。
肩で息をして、ぼとぼとと汗がしたたり落ちるさまが肉眼で見えるのは、本当に興奮した。
推しがこんなにもかっこいい。こんなん観てるひとすべてが恋をしてしまう。
マベちゃんとは違った、また別のオラオラ系
小澤さんの会員制SNSの配信で、朝岡のことをマーベラスっぽいとおっしゃってらしたのですが(アーカイブで観られるのでご興味のある方、ぜひ)
わたしはそうは思わなかった。
確かに高校生にしては強キャラ感と貫禄がありすぎてるけど、マベちゃんよりも言葉は優しいしわかりやすくツンデレやし、可愛い。
LINEと電話とInstagramのどれを無視しても怒るし、付き合ったら速攻でインスタでアピールするし、そもそも告白後バイクで家に送る5分の間で真剣に考えて、って一応ちゃんと告白して返事を待ってくれるの可愛い。
元カノはいっぱいいるけど、どの子も顔と強さに寄って来ただけで、自分から人を好きになったことがなく、初デートでちゃんとプランをメモして持ってくるのも可愛いし、沈黙に耐えられる自信がなく対処もできないからって映画をチョイスしてくるのも可愛い。
近所のコンビニに行くだけでも、心配してひよこのようにちょこちょこついてくるのも可愛い。
それなりに経験は積んでるから押し倒す手際の良さはあるけど、キスだって抱きしめるのだって嫌がるなら無理にはしないし、何があっても守ってくれる、まあ喧嘩ばかつえ~し。
見た目や雰囲気のこなれてる感とは違って、実際は不器用でやきもちやきで束縛しいの甘えたさんな朝岡晴光くん。
強くてかっこよくて可愛くて、こんな最高の彼氏おるぅ? おらんよな!!!
小澤さん本人が似ているとおっしゃってたので、ご本人様が意図してるかどうかはわからんけど、わたしはマベちゃんみがあるのは声のみかなと思った。
他は割と違う気がする、下手するとキャラそのものになっちゃいそうな危うさもあると思うけど、わたしは演じ分けがすごいなあと感激しました。
やっぱり小澤さんって、天才で最高で素晴らしい俳優さんだ。
でもお衣装がやたら赤かったり(ジェイが白イメージだからまあ対になってはいるけど)「博品館劇場で僕と握手!」っていう小ネタを入れたりと、わざとマベちゃんを想起させるような感じではあった。
小澤さんが楽しそうで本当に可愛かった。
当て馬ムーブがすごいのに、大勝利する朝岡晴光くん
なんかこう、先に強引に付き合うように仕向けたり、せっかく身を挺して助けたのに報われずさみしい思いをしたり、抱きしめているところを目撃されたり、ライバルがでけえ秘密を抱えてたり、結局いい人だったり……と、朝岡ってめっちゃ当て馬ムーブしてませんか?
ジェイが実の弟じゃなかったら、絶対雫を背後から抱きしめて「……俺じゃダメか?」って囁いてただろ、朝岡。
ジェイが実の弟じゃなかったら、空港に送り届けたときはジェイと会えてるし、多分手術は奇跡的に成功してるし、朝岡はラスト少し悲しげに笑って立ち去ってる。
完全に偏見でもの言ってるけど、あんな当て馬っぽいのに最後大勝利するのめっちゃおもれ~~~と個人的には思った。
コロナ禍での舞台観劇
これはもう、「オオカミの誘惑」とは関係ない話になっちゃうんですが。
毎日のように舞台の中止ツイートを目にしていて、さらに友達の推しがコロナに罹ったり観劇予定が吹っ飛んだりしているのも見てきていたのに、どこか自分は大丈夫だろうという謎の自信があった。
二日目、開演までに行こうとのんびりご飯を食べているときに、二日目三日目の公演中止のお知らせを見た。
信じられなくて、どうしていいかもわからず劇場まで向かったけど、スタッフさんがエレベーター前であわただしく中止を口頭でお知らせしていた。
遠征して全通する予定だったので、呆然と新橋で立ち尽くすことに……まあ、ならなかったんですけど。
ショックを受けたまますぐに渋谷に向かって、母からのお使いを完遂したんですけど。
何かしていないと落ち着かなかったっていうのもある。
母はとっても喜んでいました。
わたしが悲しいというよりも、オオカミを楽しみにしていた友達が観られなかったこととか、小澤さんが悔しい、申し訳ないと謝っていたり、必死に尽力したであろう運営さんへぶつけられていた心無いツイートとか、そういったことが苦しかった。
再演して、なんてわたしたち観客側は気軽に言うし、なんで中止になんてしたんだ、観たかったのに、と怒ることも簡単で、実際言葉にして気軽にぶつけているひともたくさん見かけたけど、どうして運営さんや演者さん、スタッフさんたちの気持ちを考えてあげられないのか……
体感として、チケット代は値上がりし、正直こんな作品でこんな金額を取るの?と思うこともあったり、半数以上が空席の劇場を見たり、漠然とした「これからどうなっていくんやろう」という気持ちが、今回の中止を受けて確かなものに変わってしまった気がする。
どうか、どうか小澤さんだけは気に病まず、舞台に立ち続けることができるよう、わたしにできることは何でもしたいな、と思った。
とりあえず物販は買いました。
しつこいけどもう一回載せるぞ!!!
おたく、頑張ってお金つかおうな!!!!!