二胡に魅せられて
「趣味はなんですか?」と聞かれたら、最近は「二胡(にこ)を弾くことです」と答えることにしている。
みなさん一瞬、「えっ」という顔をされた後、
「あぁ、あの女子十二楽坊の!」と、にっこり微笑まれる方が多い。
かくいう私も、おそらく最初に「二胡」という楽器を認識したのは、この女子十二楽坊だった。
二胡や琵琶をはじめ、中国及びアジアの伝統楽器を華麗に操る、見目麗しい女性たちのバンドは、当時はなかなか画期的だった。
彼女たちが奏でる音楽も、民族音楽からクラシック、ポップスと幅広く、若者の心もそれなりにつかんでいたように思う。
しかし当時(おそらく20代)は、「二胡」という楽器そのものには興味がなく、なんとなく「いい音色だなー」くらいにしか思っていなかった。
そんな私が、初めて二胡の音色に魅せられたのはこちらの曲。
ウェイウェイ・ウーさんの奏でるテレビドラマ「仁〜Jin〜」のメインテーマ曲。
この音色を聞いた時に(今も聞く度にそうであるが)、全身に鳥肌がたった。
こんなにも、心を揺さぶられる音色があるのか、と。
二胡のなんとも言えない切なくて甘い旋律、ビブラートをかけた時の人の泣き声のような震え方、弦を指で滑らせる「ポルタメント(滑音)」と呼ばれる独特の演奏方法、全てが私の心の琴線に「ピタリ」とはまってしまったのだ。
思い立ったが吉日。
すぐにWebで二胡の体験教室に申し込み、教室に通いはじめて1年と3ヶ月が経とうとしている。
熱しやすく飽きっぽい私であるが、二胡を弾くことは全くもって飽きない。
それどころか、「上手になりたい」という思いは日に日に強くなっている。(・・・の割には、練習量が少ないが😅)
将来はピアノやギター、もしくは二胡同士のアンサンブルを楽しめるくらいには、上達したい、と密かに闘志を燃やしている。(・・・の割には、練習量が(以下略))
さて、二胡を弾き始めて、結果として自分の殻を破ることにもつながっていたんだな、と最近気づいた。
賃貸住宅の我が家では楽器の練習がNGであり、どうしても自宅以外の練習場所を探さざるを得ない。
練習場所の主な選択肢は、①実家、②近くの公民館の音楽室、③公園の三択。
カラオケボックスで練習したこともあるが、1ドリンクを頼まなくてはならない上に時間制のため、公民館の音楽室よりコスパが下がる。
この中の三択で言うならば、費用がかからず、気が向いた時にいつでもいける「公園」で弾くことが必然的に多くなる。
たどたどしい自分の演奏を、他人様の行き交う公園の中で晒す。
…いや、実際には、ほとんどの方が気にも留めていないにちがいない。
にしても、このハードルは、楽器初心者にとっては決して低くはない。
はうえばあ。
二胡を練習したい想いはこの羞恥心に毎回打ち勝つのだ。
勿論、公園の中でも人気のない場所をできるだけセレクトする。
それでも、物珍しげな視線を浴びることは時々ある。
そんな時は両眼をつむって あい、どんど、けあ!
自分の音だけに集中し、他人の目を気にしない術を日々鍛えている。
そしてごくたまーに、嬉しいハプニングもあったりして。
心優しい、通りがかりの方から拍手をいただくことがある☺️
そんな時は、ちょびっとだけ自分も上手になってきたのかも、と自分で自分を褒めてあげるようにしている。
やはり、人から褒められるのはいくつになっても嬉しいものだ。
さて、今日はどこで弾こうかな。
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